XREAL Airを買ったけどBeamはあんまり使い所がなかった
AmazonプライムセールでXREAL Air + Beamのセットを購入しましたが、Beamは必要なかったかなと思います。
今回の記事は全体の使用感について。
XREAL Air本体について
XREAL Airの他にも『Air 2』、『Air 2 Pro』、『Air 2 Ultra』の3機種があります。
『Air 2 Pro』は電子調光機能、『Air 2 Ultra』は視野角の上昇に加えてハンドトラッキング機能が搭載されています。
Ultraを除く3機種は視野角、解像度ともに変化がないので、装着感と電子調光以外でのアドバンテージはありません。
グラス自体はしょせん映像入力機器でしかないので、一般的なディスプレイと同じ感覚で考れば良いと思います。
XREAL Beamについて
XREAL Airシリーズに繋げることができる映像出力機器です。
グラス本体とデバイスを直結する場合は一切の手ぶれ補正や映像のサイズ調整はできません。
こいつ込みで3DoF(画面固定)・ブレ補正0DoF・サイドスクリーンといった多様な画面表示が可能になります。
Beamは”無線”接続ができるという謳い文句が多用されますが、とはいえグラスとはケーブルで繋がないといけませんので、有線の煩わしさから解放されるわけではありません。
Beamとデバイスを繋ぐ方法としてはUSBケーブルを繋げるか、無線でのミラーリングの2種類があるのですが、ミラーリングの場合はDRM保護コンテンツは再生できません。なのでAmazon PrimeやNetflix、U-NextなんかはUSBケーブルで繋ぐ必要があります。
実際の使用感
XREAL Air + iPhone 15 Pro
まずはようやくUSB-C端子が採用されたiPhone 15 Proをつなぐ使い方について。
この組み合わせがもっともコンパクトで非常に取り回しがしやすいです。
3DoFやブレ補正、サイドスクリーンがないとはいえ、この気軽さを上回るものはありません。家の中でちょっと動画を見るとかであれば事足りる黄金の組み合わせですね。
欠点としてはグラスを付けたままFaceIDを解除できない、という点です。
ちなみにこれはApple Vision Proでも同様らしいので、いずれにせよさっさとTouchIDを搭載して欲しいところです。
XREAL Air + iPad mini
ほとんどはiPhone 15 Proと使用感は変わらないのですが、iPadOS独自の強みとしてSplit Viewがあります。iPad mini自体は画面サイズが小さいので使い所が難しいのですが、XREAL Airと繋げばかなりの大画面となるので便利です。
iPad mini程度のサイズ感であれば持ち運びも気にならないですし、マウス・キーボードもユニバーサルコントロールで繋がり、指紋認証なのでグラスを外す必要もありません。
XREAL Air + Mac Studio
Macには『Nebula for mac』という公式ソフトウェアが配布されています。
これを用いると最大3枚のマルチモニタ・3DoFを単体で使用できるようになります。
私が使っているMac Studio(M1 Max)では非常に軽快に動作します。
ただ難点がいくつかあり、特にメインディスプレイをどうするかという問題が大きいです。
XREAL Airは片目1920x1080のディスプレイを備えていますが、とはいえ僕が使っている実際のディスプレイは4K解像度なので、XREAL Airにそのまま投影すると字が小さすぎて実用できるレベルじゃないです。
そうなると、Nebulaを立ち上げるたびにメインディスプレイの解像度を1920x1080に下げなければならなくなります。
あとはやはり視野角の問題もあるので、トリプルディスプレイを実用的に運用するのはかなり厳しいというのが僕の見解です。
なお、Nebulaを使わない場合は単純に1920x1080の外部ディスプレイ扱いとなるので、実際のディスプレイを一切使わずに運用するのであればそれでもいいかなとは思います。(ブレ補正や3DoFはないので常に画面が映りますが)
XREAL Air + Windows(CHUWI MiniBook X)
Windowsにもβ版ながら『Nebula for Windows』が配布されているのですが、こいつはかなりのGPU性能を要求します。
とてもじゃないですが、N100で動かせる代物ではありません。
というわけでソフトウェアなしで運用しましたが、これはこれで結構ありです。WindowsはWin+Pでマルチディスプレイ環境の設定が行えるので、こちらで「セカンドディスプレイのみに表示」を選べばMiniBook自体の画面を消して、XREAL Airのみをディスプレイ代わりに使用できます。
解像度は1920x1080までしか選べず、画面のサイズや深度も変えられないので、作業スペースが広くなるというわけではありませんが、プライバシー的な観点ではいい選択肢だと思います。
XREAL Air + XREAL Beam + iOS
まず有線接続について、画面表示に文句はありません。
直結と比較して特にサイドスクリーンは小さく四隅のどこかに置いておけるので作業ついでに動画を見たりするのにはもってこいです。
しかし明確な欠点として、
「かさばる」
「邪魔」
「充電ができない」
の3点があります。
コードが2本も繋がったBeamに加えて、当然デバイス本体も持ち歩かなければならないので、iPhoneならギリギリ許容できるにしてもiPad miniはBeamを繋ぐ意味を見出せません。
また、欠点というほどではありませんが注意点として、Beam接続時は「3D表示モード」が使用できないので注意してください。
続いて無線接続(AirPlay)での使用感についてですが、こちらは当然有線と比較すると遅延が発生します。(iPhone 15 Proは11ax、5GHz接続)
動画再生なら遅延は全く発生しないので気になりませんが、とはいえDRM保護コンテツが一切見られないので、使い所はYouTubeくらいになります。
なお、Beam本体にもいちおう申し訳程度のホーム画面が存在しているのですが、そこでは3DoFかブレ補正0DoFしか選べないので、サイドスクリーン表示のiPhoneから動画を飛ばすと読み込み中のたびに画面がいきなり覆われるという非常に不快な体験をします。
XREAL Air + XREAL Beam + Mac Studio
Macのサブディスプレイ目的で使うならこの組み合わせが最も便利だと思います。
無線はほんの少しの遅延でも致命的なので論外だとして、有線接続で使用するとけっこう実用的に使えます。
BetterDisplayなどのユーティリティを用いれば好きな解像度・比率の仮想ディスプレイを作成できるので、それをBeamでミラーリングして3DoFモードで空間に固定することで、好きな場所に好きなサイズのディスプレイを置くという体験が可能です。
とはいえ見て分かる通り、これはサングラスなので実際のモニタが見えづらくなります。外出先ならいざ知らず、既に物理ディスプレイが整った環境の自室でわざわざ使う意味はないかなと言った所。
XREAL Air + XREAL Beam + Windows(CHUWI MiniBookX)
Windowsでは気軽に仮想ディスプレイを作成するユーティリティ探しに難航しているため、普通に1920x1080の外部ディスプレイとして使用しています。
僕の場合はラップトップでの運用なので、ぶっちゃけ画面の空間固定などはあまりアドバンテージになりませんでした。なので直結と大差ないかなぁと言った感じ。
単体で運用するならBeam Proのほうがいいかも
XREALが空間ビデオが撮影可能なAndroidベースのNebulaOS搭載の『XREAL Beam Pro』という製品を発売予定です。
こちらは通常のBeamと違い、有線接続による外部デバイスの映像入力機能はありません。(ミラーリングは可能)
なので基本的には単体で運用することになりますが、Google Play StoreがインストールされているのでAndroidアプリなら基本的になんでも使えて、空間に配置できるそうです。
ぶっちゃけiPhoneを繋いでやることと言ったら動画再生くらいなので、だったらBeam Proを使えば直接DRM保護コンテンツも再生できるし、画面操作も最適化されているこっちのほうが良いと思います。
このレビュー記事でのインタビュー部分にあるように、そもそもXREALはNebulaOS + グラスを1つのウェアラブル端末としての形として捉えています。
なので外部デバイスの映像を映し出すモバイルモニタ的な使い方をするBeamと、単体運用のBeam Proはそもそもの毛色が異なるものです。
(名称がわかりにくすぎるのはRedditでもスレッドがありました)
https://www.reddit.com/r/Xreal/comments/1dvkqt5/the_issue_with_the_beam_and_beam_pro/
正直空間ビデオ撮影とかは死ぬほど興味ないので、もう少し安価なNebulaOS搭載端末もあれば嬉しいところです。
Twitterやってます。
https://twitter.com/dotinkasra