314/366 【第六天魔王爆誕の瞬間】 大河ドラマ 「麒麟がくる」 第31話
織田信長は、死んではならんのです
てんこ盛りな回でした。トップの引用に何を持ってこようか悩みましたが、こちら、究極のおまいうをチョイス。
全国津々浦々から総ツッコミが聞こえるようでした。
そこに繋がる
日が変わり、月が変われば人の心も変わります
お前もな!
しかも元々はヨーダ竹千代ちゃんへの慰めの言葉だったのだから、ブーメラン効果が半端ない。
それにしても奇妙丸君といい、竹千代ちゃんといい、ヨーダ感あふるる子役が多い本大河。無邪気な幼年時代どこ。
信長様はいよいよ第六天魔王として覚醒あそばしました。きっかけは、親族の裏切りでした。人を疑うことを知ってしまった純粋な心は思いっきり逆方向にグギュン!とふれてしまった。鬼を生むのは人間だなんて、「鬼滅の刃」じゃありませんか。
第六天魔王へ変化してゆく信長を真横からずっと写している画角にも痺れました。あの目はまさしく鬼の目でしょう。正面から見たら絶対金色に光ってるに違いない。瞳の部分には星なり数字なりが入ってる。ああ、正面から見てみたい。じりじりしながら待っていたのに、結局画角はずっと横。かなりな長尺なのに、すげい。
そして覚醒した信長様、医学的には確実に境界線パーソナリティ障害。
信長様覚醒だけでも今回の目玉になり得るのに、もう1つ大きな転換がありました。
45分の冒頭では、いまだ十兵衛は戦に否定的です。松永弾正のような戦さ場好きにはイマイチ同調できていない。
でも、
争い事のない、戦のない世を作る。そのために戦うのだ
という家康の言葉が心に残る。そして、浅倉領からの撤退を機に、この言葉を心底信じるようになる。
現の世を動かす力がなければ、世は変えられない
ここまでは戦が嫌いだから、さほどの軍功も挙げていない。戦国の世において、武勲のない武将の名前は歴史の表舞台に現れないし、資料にも残らない。だから彼の生い立ちには10年ばかりのブランクがある。
でも、戦をせねばならぬ、とスイッチが入った途端、彼の名前は突如歴史のうねりに登場し始める。その潮目が変わった瞬間をもこの45分で描いている。
軍議の場にみんなが揃い踏みしているだけでもおおおおおってなるのに、なんとてんこ盛りな45分。濃密な回でした。
明日も良い日に。