【お母さんとは】 映画 「ベイビーブローカー」
赤ちゃんポストの前に、ある赤ん坊が置き去りにされる。いつか迎えに来るからね、という置き書きと共に。
そんな置き書き通りに迎えにくる親は、30人に1人だという。
それでもゼロじゃない。
だから、その言葉を信じて、里親の元へ行かずに養護施設で待ち続ける子もいる。
お母さんって、すごい。
血が繋がっていてもいなくても、お母さんとは、なんてすごい存在だろう。
優しさは、連鎖反応を起こす。罪は罪で裁かれなければならないのだけれど、でも、そんなに白黒いくことばかりではない。むしろ線引きできないことだらけだ。
子供を置き去りにしたことに、変わりはない。でもその理由に、優しさが潜んでいることもある。いないことも、多分ある。だから、もしかしたらこうかも知れない、という余白を残す目を持っているようにしたい。
罪なら、私だっていっぱい犯している。「犯罪」ではないだけで。
登場する人たちが、みんな優しい。そして、みんな、少しだけ愚か。でも、みんな一生懸命。周りの大切な人を、どうにか守ろうとして、どうにかして愛情を注ごうとしている。
照明が暗い画面が多かった。しっかり見ていないと、闇の向こうの瞳に気づけないようなショットがいっぱいあった。感じとることに重心がいくような。そして、感じ取ってくれるはずだという制作者の思いも、そこにはあったように思う。
現実も同じだ。ただ眺めているだけでは、大切な想いを見逃してしまう。
私の人生と関わってくれた全ての人に改めて伝えたい。
産まれてきてくれて、ありがとう。出会ってくれて、ありがとう。
お母さんに会いたくなる一本。
明日も良い日に。
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