2019bestジャケ_1_25

dot_haraiの2019音楽年間ベスト 25~1

2019年間ベストの25~1です。50~26は既に発表しておりますので、こちらもどうぞ。

自分が興味持って聞いて良かったもの、なんて狭い範囲ですが、何らか良いなと思うものがあったなら嬉しいです。


25.ナードマグネット「透明になったあなたへ」 推薦曲:FREAKS & GEEKS

和製パワーポップバンドという形容に留まらず、音楽好きやオタク気質ある人たちに聞いてもらいたいナードマグネット。ナードがフリークにギークへと、もうタイトルからがっしり掴まれた「FREAKS & GEEKS」は昨年からずっとヘビロ。同調や鬱屈からの開放や脱出を歌う各曲の歌詞も熱いのです。




24.!!!「Wallop」 推薦曲:Couldn't Have Known

今作も踊れる曲が揃っているが、後半はミディアムナンバーもありバラエティ豊かな感じ。ビリー○イリッシュ的なゴシックナンバーも。





23.長谷川白紙「エアにに」 推薦曲:砂漠で

現役音大生アーティストによる1stフルアルバム。現代ジャズだったりブレイクコア、ドラムンベースだったりとジャンル不能、混沌として性急にも程がある音にもかかわらず、ボーカルがちゃんと乗っかってて聞きやすく思えてしまう恐るべき摩訶不思議さ。聞くほどに掌で踊らされてる感覚です。




22.The Comet Is Coming「Trust In The Lifeforce Of The Deep Mystery」 推薦曲:Timewave Zero

Suns of kemet、Melt Youself Downのシャバカ・ハッチングスによる英バンド。2者ともアグレッシブで大好きですが、こちらはソリッドなジャズがベースにありつつ、エレクトロもあるスペイシーな内容。




21.Rachid Taha「Je suis africain」 推薦曲:Je suis africain

2018年に亡くなったアルジェリア生まれロッカーの遺作。酔いどれアラビアンロッカーという紹介や雰囲気を見てこれまでそうだと思っていたら、30年以上闘病を続ける難病の症状が現れていたためだそうです。ルーツであるアフリカを結んだ作品で締める引き際に、不謹慎ながら音楽家としてやり抜いた美しさを感じます。



確か、サラーム海上さん選曲のコンピでこの曲を聞いて痺れたのでした。ザ・クラッシュのカバー。




20.Flook「Ancora」 推薦曲:Turquoise Girl / The Tree Climber / Twelve Weeks and a Day / Rounding Malin Head

北アイルランド、イングランド出身メンバーのケルトインストバンド。14年ぶりのアルバムです。疾走感ある曲もじっくり揺蕩う曲もある緩急自在っぷり。フルート・ホイッスルの音色が跳ねます。





19.Kel Assouf「Black Tenere」 推薦曲:Ubary

アフリカ・ニジェールのトゥアレグ人音楽家による、砂漠のブルースの朴訥さにヘヴィロックが悪魔合体した感じでしょうか。鍵盤が印象的と思ったら、昨年のベストにも入れたAmmar 808の人でした。



18.the dresscodes「ジャズ」 推薦曲:もろびとほろびて

しばらくぶりにドレスコーズを聞いたんですが、志摩さんの色気・かっこよさは勿論のこと、退廃美や破天荒さを感じる曲が「ジャズ」というタイトルにマッチしてます。



年明けリリースの上坂すみれ新作「NEO PROPAGANDA」リード曲が志摩さん担当、他の作家陣もかなり強力で期待です。



17.BelO「Motivasyon」 推薦曲:Bousòl

ハイチのミュージシャン。自らの音楽をレゲエと現地音楽ララ、ジャズ、R&Bを融合した「Ragganga(ラガンガ)」と称しているそうです。オーガニックな曲からノリのいい曲まで幅広いです。



16.Ifriqiyya Electrique「Laylet El Booree」 推薦曲:Galoo Sahara Laleet El Aeed 

インダストリアルロックとチュニジアのイスラム神秘主義スーフィー音楽のチャントとパーカッションの組み合わせ。ぐるぐる陶酔的で刺激あります。





15.Mateo Kingman「Astro」 推薦曲:Lúmina

南米エクアドルのミュージシャン。スロウコアにベースミュージック、ヒップホップを巻き込んだ広がりある音楽に引き込まれます。



14.Hanggai「杭盖與铜管 」 推薦曲:花斑馬

来日公演は何回も行っていて、一部層には認知高いモンゴリアンロックバンドハンガイですが(今年のフジにも出ましたね!)、今回はホーン隊を従えたビッグバンドブラスとしての作品。これが雄大な楽曲と伸びあるボーカルに予想以上に合ってて驚きでした。ミドルテンポの聞き応えある曲も良いが、やはり草原を駆け抜けるような疾走感ある曲が特によいです。



13.BABYMETAL「METAL GALAXY」 推薦曲:DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)

前作は端正な作りという印象に対し、今作はメタルを軸に各国ジャンルを縦横無尽に行き来してて、カオスなベビメタの面目躍如です。パラパラ・トランスに松本孝弘のギター合わせて成立するのは彼女らならではでしょう。昔キバオブアキバとのスプリットで聞いた「いいね!」のなんじゃこりゃな興奮が蘇りました。そしてSU-METALのいろんなボーカル聞けますが、ほんと彼女自身の吸引力というか存在が強いなあと感じます。



上の動画は神々しさすらありますが、こちらはとにかく楽しい。まさにお祭りです。



12.Combo Chimbita「Ahomale」 推薦曲:Al Templo

ニューヨークで活動する、南米コロンビアにルーツ持つバンド。サイケなロックにクンビアやトロピカル、アフリカンとかなり雑食感強いアグレッシブな音楽です。女性ボーカルがパワフルで、ブラジルのmeta metaを思い返しました。



meta metaはかなりお勧めです。


11.Ben&Ben「LIMASAWA STREET」 推薦曲:Baka Sakali (feat. Ebe Dancel)

フィリピンの人気大所帯バンド、フロント2名は双子だそうです。伸びやかなバイオリンとコーラスが心地よく、また丁寧なメロディに好印象のフォークロックです。広く親しまれてそう。



10.崎山蒼志「並む踊り」 推薦曲:むげん・ (with 諭吉佳作/men)

10代にして彼らしさのオリジナルが確立しつつあると思わされるシンガー。前作以上に曲の幅が広がり、多彩なゲスト参加も良い方向に作用してると感じます。特に諭吉佳作/menとの「むげん・」は、全然異なるタイプの2人が交じり溶け合いめちゃ好きです。




9.ROTH BART BARON「けものたちの名前」 推薦曲:iki

ファーストコンタクトの「化け物山と合唱団」はジャケと音像と世界がばっちりリンクして聞こえた稀有なタイトルでした。あの大いなる自然への畏怖のような感覚、そして無垢さ、純粋さが年を経て更にスケール大きく鳴らされてると感じます。




8.Dudu Tassa「El Hajar」 推薦曲:Tuli Ya Leylay

レディへの世界ツアー前座に抜擢されたこともある、イスラエルのロッカー。1930・40年代のアラブ歌謡を現代の音楽にアップデートしたバンドプロジェクトとのことですが、グイグイ迫ってくるドライヴィンなロックは古臭さ皆無で実にかっこいいです。




7.The National「I Am Easy to Find」 推薦曲:The Pull Of You

ザ・ナショナルは地味で寡黙で職人肌なインディーロックバンド、というイメージがあったのですが、今作はキラキラした粒子がブワッと押し寄せてくるかのような感じ。これまでになくカラフルで、低音漢ボイスに彩りを添える女性ボーカルもこの抜けの良さを支えています。緩もあれば急もある、それでいて各曲いずれ劣らぬ名曲揃いと、これまで以上に広く聞かれるようなタイトルです。





6.Guadi Galego「Immersion」 推薦曲:Cedeira

スペインの女性シンガー。過去に大ヒットしたガリシア地方のスパニッシュケルトバンド、ベログエトの元ボーカルだそうです。柔らかく透明感や清涼感ある、心地よい楽曲が魅力的ですね。大好きなアルゼンチンのLisandro Aristimunoなどゲストも豊富、それぞれの声が各曲にがっちりハマっていて、バランスの良さや力量の高さが伺えます。




5.ヨルシカ「エルマ」 推薦曲:ノーチラス

ボカロPとしても活動しているn-bunaと女性ボーカルsuisのバンド。今年リリースした1stフルアルバム「だから僕は音楽を辞めた」とストーリーが地続きになっており、音楽を辞めた少年と音楽に目覚める少女の物語。背景を知らなくても単曲から入り込めるのはまず楽曲のクオリティ高さ故ですが、世界観や歌詞の設定が作り込まれており、のめり込むほどに楽しめます。



是非前作と行きつ戻りつしながら、ストーリーに思いを馳せながらお聞きください。更に過去の曲とも曲名や歌詞がリンクするのを発見しながら聞くのも一興です。



4.Idan Raichel「And If You Will Come To Me」 推薦曲:Ve'Eem Tavo'ee Elay (And If You Will Come To Me)

イスラエルの音楽家。ワールドワイドな活動を反映するかのような、各地の多彩なゲストとのコラボが聞けます。様々な音楽要素を取り入れつつも美しくしっとり儚さあるメロディは健在。豊潤なポップアルバムです。



もう一曲。マルチプレイヤーっぷりもすごい。



3.Brad Mehldau「Finding Gabriel」 推薦曲:The Garden

聖書からインスピレーションを得たという今作はまさに天上の音楽。コーラスが気持ちよく、上り詰めるかのような高揚を覚えつつもどこか不穏さを感じたり、マーク・ジュリアナの爆裂ビートに持って行かれたりと、正邪併せ持つ感じで良いです。個人的決定盤。




2.Christian Scott aTunde Adjuah「Ancestral Recall」 推薦曲:I Own The Night (feat. Saul Williams)

Brad Mehldauが天上の音楽なら、こちらは地上の音楽。地に響くトランペットと反復リズムのパーカッションから強靭な生命力と反骨的意志の強さを感じさせます。もうトランペットが未来へ導く革命の音に聞こえてきて、めちゃくちゃかっこいい。この1枚で時代を切り開く人というか異次元的なイメージすら付いてしまいました。





1.ずっと真夜中でいいのに。「潜潜話」 推薦曲:秒針を噛む

昨年デビューからの1stフルアルバム。自由自在な曲ジャンルに歌い回し、跳ね回る鍵盤、乱高下する展開と一曲一曲に詰められた情報量がびっしりで、聞くほどにゲームをクリアしていくかのような快感があります。この快楽はカラオケで歌うと顕著で、難ゲーに挑む感覚が楽しかったです。

コンスタントに出てくる新曲にワクワクさせてもらいました。フジロックに出るというトピックスもありましたね。間違いなく1年通じて大いに楽しませてもらった人です。


改めてデビュー曲。恐ろしく緻密に作り込まれています。


曲によって異なる複数のクリエイターのMVを見比べていくのも楽しいです。ヨルシカや他にもネット発と言われる音楽家たちが現在活躍しているのは、初音ミクが出た辺りでボカロを始めとするニコ動の音楽にハマっていた身として感慨深いものがあります。今のニコ動では想像つかないくらいの熱量と盛り上がりがあった時代に蒔かれた種や、その影響を糧にした音楽が今広く聞かれるようになってるというのは素直に嬉しいです。


もう一つ。こちらはバラード。


期間限定のライブ配信アーカイブがまだ見られます。ライブ以外で本人が出ないACAねさんが生で動いてるのを見られて、拝むような気持ちでした。


以上、2019年間ベストでした。推薦曲を集めたSpotifyのプレイリストはこちらになります。


これですっきり他の方の年ベス見られます。ああ、これは検討すべきだったと愚痴愚痴悩む分は昨年同様お漏らしリスト作って消化しようと思います。

また来年も面白い音楽に出会えますように。

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