土中環境改善 11月のどすこいスタッフ研修
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
どすこい王寺町部屋のライアンです。
11月10日(木)に行われたどすこいスタッフ研修の様子です。
今回も午前の座学と午後のフィールドワークの2部制で盛りだくさんの内容でした。
個人的にもとても学び多い時間でぜーんぶ書かせていただきたいくらいの気持ちですが、そんなことをするとあんまりにも長い記事になってしまいそうですので、まずはその一部をおすそ分けできればと思っています。
突然ですが、皆さんは森に降った雨(水)はどこに行くと思いますか?
あれだよあれってことで次のイメージを持たれる方は多いのではないでしょうか。
これ、確かに学校でも習いますよね。
降った雨、基本は地面に吸い込まれていくんじゃないか、どんどん地下に浸透するのかなぁ、そんな風に思っていました。
でも、冷静に考えると、降った雨が地表近くでとどまることが出来ず、どんどん地下に流れこんでしまったら、あっという間に地面が渇いて砂漠みたいになっちゃいますよね。
かといって、全然地面にしみこまないと、地表をどんどん滑り落ちて、すぐに水害や土砂災害になってしまいます。
図のような水循環が丁度良いバランスで起こる為には、森の役割もっと絞っていうと、森の健康な土がとっても重要なんですね。
その役割は大きく2つに分けられると思います。
一つは、自然のダム(貯水装置)
もう一つは、ろ過装置(浄水装置)
前述したように、水が適切に森にとどまらないと、水害が起こったりします。今年の夏、激しい夕立があった時に、森に滝が出来てしまったことがありました。
まだ陽楽の森の森は小さな山ですので、出来た滝は小さなものでしたが、大きな森だと、もっとたくさんの水が流れ込んできたりするのかなぁと想像しました。
これもとっても大きな役割で、いかに人間が森に守られているかを感じますが、この2つ目の役割、ろ過装置としての役割もまた大きな役割です。
登山を楽しまれる方で森の美味しい湧き水を楽しまれる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
そのきれいな水、一体どうやってできていると思いますか?
それをしてくれているのが、森の健康な土です。
この、森の健康な土にはいろいろな条件が整っていることが必要ですが、山を削ったりすることによってこのバランスが壊れてしまっているそうです。
典型的な例で、削った地表が近くにある山の斜面には、笹がぼうぼうに生えてしまっています。
前回竹の伐採の紹介をしましたが、竹や笹は寒さにも強く成長力も強いため、少々環境が悪くてもどんどん生えます。中でも笹は背丈も人の背丈ほどまですぐに伸びてしまうので、笹でいっぱいになってしまうと、人が足を踏み入れるのが困難になり、余計手入れが難しくなってしまいます。
今回は、そんな健康を失った森の土を、もう一度元気にする。「再生」させる方法をメンバー全員で確認しました。
具体的には次のような「土壌改善装置?」を作ることです。
初めてやった人が殆どでしたが、私はもちろん、女性の力でも十分行える作業でした。
必要な道具もノコギリ、鉈、出来れば大きなハンマーがあれば十分作業できました。
19人のスタッフで2・3時間作業し、合計60個以上の「土壌改善装置?」を完成させることが出来ました。
これを作ることで、健康な土を作るために必要な微生物の棲家を整えることと、地表を滑り落ちてしまう水を地下に浸透させる役割を果たしてくれます。
この装置を適切に設置すると、そのあたりには笹が生えなくなるそうです。
毎年ぐんぐん伸びる笹を刈り続けるのはとても骨が折れますが、これだったらできそうだと思いませんか?
実際11/16 中学生の男の子と一緒に作ってみることができました。
ぜひほかの子ども達と一緒に取り組めたらと思っています。
かつて陽楽の森の森には、きれいな小川と池に恵まれ、棚田が存在したそうです。現在は残念ながら濁った泥水がたまっている場所があるくらいです。
この活動を続けることで、もし、かつてのように小川が流れ、きれいな池が出来たら、とっても素敵だと思いませんか?
丁度、この日、家に帰ると妻からある相談を受けました。何でも、学校の勉強でわからないことがないくらい頭がいいのに、学校にいけないお子さんがいるのだとか。
話を聞くとその子は小学3年生にして、「このままだと地球で人間が住み続けることが出来なくなるように思う」と言って、眠れなくなることがあるのだとか。
こういうことをいうと「そんなことで悩んでもしかたがない。そんなことよで悩むより勉強して」という声が聞こえてくるような気がします。現代日本社会に、なんとなくそんな認識ありませんか?
でも、地球温暖化をはじめとする地球環境問題が騒がれ出してもうずいぶんの年月が過ぎるのに、いまだ効果的な行動を起こせていない状況で、これを不安に思うのはとても自然なことではないでしょうか。むしろ世の中を本当によく理解できているからこそできることだと言えないでしょうか。
本来、これは我々大人が何らかの行動を起こしていくべきことではないのかなぁ。
だとしたら、10年後、この子にきれいな小川のある、夏に小川で遊べる陽楽の森の森を見せてあげれらいいなぁ。
そうなったら、この子はもちろん、他の子ども達もきっともっと森で楽しい時間を過ごすことが出来るだろうなぁ。
そのためにだったら、自分の人生の幾分かをそのために使うことは、自分にとっても幸せなことじゃないかなぁ。
そんな風にこの日を振り返りました。
本当はもっともっとたくさんの事をゴリさんから教えてもらった一日でしたが、ほんの一部だけのご紹介になることをどうかお許しください。
そして、もしこんなどすこいの活動にご興味をお寄せいただけるようでしたら、ぜひお問い合わせいただけると嬉しいです。
今日も長くなってしまいましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。今後もどすこいの活動を紹介してまいりますので、どうぞご支援賜りますようお願いいたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?