中国香水事情を思う, 2020
『中華圏の化粧品』
というだけで、CHANNELだのDíörだのといった笑えるパチもんという時代は終焉に向かっている模様。
それでも楽しいあからさまなパチもんブランドコスメ。
オークションサイトで良く見るコレ、こちらは底に台湾の正規品化粧品ラベルらしきシールが有り。
シールの劣化具合から推測するとそれなりに古い物のようです。
CHENEL FLORIDA WATAR
こちらも良くオークションサイトに出ています、むしろNõ22の様なクラシカルなフローラルアルデヒドノートが特徴的。
COCO MADOMOISELL Smart Collection
こちらは東南アジアと中東で現在も流通中。
という話はさておき、いかにも!というパチもんブランド香水、何とも憎めないのです。
2018年後半ごろからこの手の超有名ブランドパチもん香水に混じり、ニッチブランドと称されたり、香水に特化したメーカーのパチもん香水も見かける様になりました。
特に見かけたのはペンハリガンやアニック・グタールでしょうか。
上の二点は广东维密生物科技有限公司, VICTORIAS QUEENの製品。
広州市を拠点にスキンケアから洗剤まで作っている工場。 https://m.1688.com/winport/b2b-2923070917c1a4d.html
これが意外にも良くできた製品なのでした。
購入の決め手はホントかウソかはともかく、わざわざ『フランス製香料使用、フランスにて調香』との記載をしている点。
さり気ない「うちら単なるそっくりさんと違いまっせー♪」アピール。
一本だけ購入したアニックのパチもんは美しいローズの香り。ペンハリガンのパチもんレディースは香りが非常に甘く好みではなかったものの、メンズのこちらだけは本物のペンハリガン製品のよう。ユニセックスのややスパイシーなシトラス。
何とも実用的な使えるパチもんなのです。
パチもん香水作りから中国の香水事情が変わっているな、と実感。
中国人の友達ヘのプレゼントと言えばとにかくヨーロッパファッションブランド、以前から中国で人気な資生堂の香水や口紅。中国はヨーロッパブランドの化粧品は日本よりも割高なので喜ばれましたっけ……、と振り返る時期に来た模様…。
ある程度の中流層以上は割高だと知りつつもYSL新作リップは大人気。限定色はいち早く品切れになる時代。
通勤時や職場で殆どメイクをしない中国人、香水を使わなかったのは化粧品売り場に行くことが少ないのだから仕方ない。
でも、今は違う。
パチもん香水もニッチ香水志向に少しづつ変化中!、明らかに真似る製品のチョイスが変化しています。
相変わらず「おい、コラ!」という時々フリマアプリやオークションで見かけるキラッキラのパチもん(?!)も多い。
しかしながら中国ECサイトではペンハリガン、アニックグタール、ジョー・マーロン、トム・フォード、セルジュ・ルタンス等のマニア向けな正規製品をよく見かけるように。
(発送元は東南アジアや香港が殆ど)
中国コスメにブランド力はまだ無い。
まずは明らかに黒に近いパチもんから香水を作る。しかし中身は粗悪品ではなく、オリジナリティのある香りがする。しばらくはこういった動きが続くでしょう。しかし数年先にはボトルデザインもオリジナリティを重視した堂々勝負の中国発ブランドが現れるかと思うのです。何と言っても中国はお香を焚く文化のある国。
化粧石鹸すら「資本主義的だ、香水をつけているのか?!」と叱られた文革期を生きぬき、現在も横浜や神戸中華街土産、上海土産として人気の蜂花白檀石鹸の存在。このロングセラー製品は中国香水の新たな時代を生み出す証明の様な気がします。
これからものんびりとこだわりの香りらしき限り無く黒に近いパチもんを見て行く楽しみ、一緒に味わいませんか?
广东维密生物科技有限公司
Taobao 正規出店ページ
https://bit.ly/2uJozdQ
当方はこちらの全ての製品を知っているわけではないので、ご購入は自己責任にて宜しく申しあげます。