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遠慮は無粋

「◯◯が欲しいんだけどね」
「◯◯なら持ってるけど使わないから未使用。ならプレゼントするね」
「そんな悪いよ、頂けない」
「自分は使わないから、どうぞ遠慮なく!」
「えー、でも悪いよー、申し訳ないよ」

先日の友人との会話の一部だ。
相手が欲しい物は自分にとっては不要な物である。それを欲しがっている友人にプレゼントする。ウィンウィン、渡るに船、リユース、SDGsじゃないか。
それを何故に友人は遠慮するのだろう?
欲しかった物が無料で入手できる。持ち主にとっては不用品。この遠慮、不自然で薄気味悪くはないか??
譲渡する品は決して高くない。数十万円もする高価な物では無いのに……。

「遠慮は美徳」
京都洛中人の枕詞のような定番ご挨拶やり取りは別物として、こんな思想は誰が広めたのやら。欲しいものを頂けるのに、それを我慢する、やはり変だ。

万が一、送り主から何度も頂き物をしていたとしよう。送り主には相手のために選んだプレゼントを貰って頂きたい気持ちがある。不用品を再利用してくれるならそれも有り難い。
欲しい物を要らないと言うのは全くもって奇妙だ。
頂き物が重なりお礼の気持ちがあるなら、それを相手に伝えればよい。お礼の品を送っても勿論よい付き合いが続くだろう。

話は若干飛ぶが、ある中国人の友人はビジネスでの来日前、こう注意を受けたという。
「あの国で欲しい物をもらえる時は遠慮なくもらいなさい。あの国で『今度頂きます』『申し訳ないです』と遠慮を言うと二度とその品物はもらえない。相手は忘れてしまうか、その品は不用なのだという意味に受け取られてしまう国だからね。だから欲しかったらありがとうと気持ち良く受け取りなさい」
全くそのとおりだ。
遠慮言葉は柔らかいお断りの反応と受け取られる国。はあ、面倒である。

遠慮などするな、それが欲しいと堂々と言おう。
遠慮などするな、頂きたいですと伝えてみよう。
遠慮などするな、例え高価な物でも相手は受け取って頂きたいのだ。
遠慮などするな、但し相手に嬉しかった気持ちを伝えるのを忘れずに。
遠慮などするな、感謝の気持ちと"ありがとうございます"の言葉を必ず添えて。
遠慮などするな、謝意が伝えられないのなら自分で探して買いなさい。

遠慮は美徳では無い、遠慮は無粋なのだ。








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