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<超>アイスランド共和国<詳しく>

全ての国を五十音順に並べると先頭にくるアイスランド。世界一平和な国アイスランド。テストで何度もアイルランドと間違えられるアイスランド。今日はそんな、馴染みはないが、面白い国、アイスランドについて詳しく書こう。

基本情報

国名

正式名称:アイスランド共和国
漢字略称:氷、氷島、氷州、愛撒倫など多々

 正式名称は、アイスランド共和国だが、一般的にはアイスランドと呼ばれており、本記事でもそのように書く。また、漢字略称すると「氷島」、「氷州」、「愛撒倫」などさまざまな表記がある。ちなみに漢字一文字に略称すると「氷」になる。私の記事を読むレベルの読者さんは承知の上だと思うが、この氷はアイスランドの「アイス」を和訳したものから来ている。

人口

総人口:34万1000人(166位)
首都:12万3246人
人口密度:3.4人/km2(214位)
 アイスランドについて調べてまず、驚愕したのは、その30万人余りという人口の少なさだ。なんだって、日本の人口のたった1/400だ。首都のレイキャヴィークでさえ、10万人と少ない。ちなみに世界ランキングは166位だ。また、人口密度でいうと世界ランク、214位、下から数えて5番目に位置する。

面積

総面積:103,600 km²(北海道+四国くらい(106位))
 では、面積はどうだろうか。人口10万人と聞くと、かなり小さい面積を想像するかもしれない。だが、実際は103,600 km²、北海道+四国くらいと意外と大きい。もちろん、ロシアのようにどでかいというわけではないが、やはり10万人という小規模な人口を聞くと、十分大きいと言えるのではないだろうか。

北海道との面積比較

首都

首都:レイキャヴィーク
 首都、レイキャヴィークはアイスランドの西南にあり、アイスランドの約2/3の人口、20万人弱も保有している。国の2/3の人口が集まっていることもあり、全ての行政機関がここに集まっている。また、この町は世界有数のクリーンな都市で知られている。なんと全ての電力を地熱エネルギーと水力エネルギーで賄っているのだ。ちなみにレイキャヴィークの呼び方には主に三通りあり、レイキャヴィーク、レイキャヴィク、レイキャビク、あるがどの表記を使っても良い。

レイキャヴィークの街並み


言語

言語:アイスランド語(ゲール語)
 アイスランドには色々と驚かされる。30万人の国が固有の言語を持っているのだ。また、興味深いことに、アイスランド語には、英語や韓国語などと異なり、日本語にかなり近い表現が多いそうだ。「へー、表現が日本語に近いなら簡単に話せるようになりそう。」、そう思った方、要注意。アイスランド語は世界で一番取得するのが難しい言語なのだそう。その理由としては発音のしにくさが挙げられるそうだ。なんでも、欧州やアジアの言語の発音と異なるらしい。また、アイルランドではあまりにも取得が難しすぎるのに加え、30万人にしか通じないアイスランド語より、世界共通の言語、英語などの方が便利だということで、小中学校では、英語とデンマーク語を基本に教えるそうだ。

通貨

通貨:アイスランド・クローナ(Icelandic króna)
 
アイスランドはEUに加盟していないため、アイスランド・クローナという独自の通貨を持っている。今日、2022/04/30時点では1アイスランド・クローナ=0.99円だ。これは、アメリカドルとあまり変わらない。アイスランド・クローナをアイスランド・コローナやアイルランド・クルーナなどと間違えないように。お金に関していうとアイスランドの物価はやや高いそうだ。

アイスランド・クローナ


大統領・首相

大統領:グズニ・ヨハンネソン
首相:カトリーン・ヤコブスドッティル
 
アイスランドには、大統領と首相、二人のリーダーがいる。ただ実際は、大統領は象徴的な役割を果たすのみであり、実際の行政は首相率いる内閣によって行われている。 大統領の権限は外国の駐アイスランド大使の信任状接受といった、国家元首としての儀礼的なものに限られる。グズニ・ヨハンネソン大統領は、国民から絶大の支持を得ており、なんと得票率は92%にものぼる。また、アイスランド国民全体的に政治意識が高く、国民の80%以上もの人が投票している。ちなみに日本の投票率は35-45%だ。

グズニ・ヨハンネソン

GDP(国内総生産)

GDP(国内総生産):25,459 百万US$(110位)
一人当たりのGDP(一人当たりの国内総生産):69,033US$(7位)
 
総人口が少ないこともあり、国内総生産は110位とかなり低い。これはカンボジアと同じくらいだ。ただ、カンボジアは1500万人の人口を保有しての数字なのと比べ、アイスランドはたった、30万人でこの数字だ。そのため、一人当たりのGDPはカンボジアより必然的に高くなる。なんと、井鳥あたりのGDPを順位に換算するとカンボジアは158位、そしてアイスランドはなんと7位にもなる。これは、アメリカとほぼ同列の数字だ。


地理

周辺の国

 アイスランドは海に囲まれた国であるため、国が隣に隣接していることはないが、多くの国が周辺にある。北にはグリンランド、南にはイギリスなどの欧州諸国、そして西には、カナダやアメリカなどの大国に囲まれている。

アイスランド周辺の国の地図


自然地理

 首都で、触れたとおり、アイスランドは地熱エネルギーが盛んだ。これは、アイスランドの火山が多いという特徴を生かして成されている。また、水力発電は氷河の侵食によって形成されたU字谷を生かして形成されている。世界的に見ても、U字谷が多くある国は水力発電量が多い。ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどがそれに該当する。だが、驚くことに、アイスランドはそれらの国と比べてもその割合が際立って高く、火山とU字谷だけで30%以上の面積が占められている。だが、良いことばかりではなく、火山が多いせいで大惨事になったことも多々ある(ラキ山の噴火など)。

アイスランドの火山の例


気候

 アイスランドは、「アイス」という言葉から想像できるように、一年中寒く、雪も多い。ただ、そこまで驚くほど寒いわけでもなく、特に冬はノルウェーやスウェーデンなどが氷点下20度近くであるのに対して、アイスランドは氷点下3度ほどだ。そこまで寒くはないにしても、「アイス」ができるのは温度が0度以下の時。アイスランドの気温は、ー3度あるので一応「アイスランド(の国)」というのは成立するのではないだろうか。

寒いアイスランド


資源

水産資源

 海に囲まれたアイスランドでは水産資源が豊富であり、漁業が盛んだ。アイスランド付近では、暖流と寒流がぶつかり潮目を形成しているため、世界でも有数の漁業地帯となっている。漁業がとても盛んなため、総人口の10%の人が漁業関係の仕事をしている。アロンガ、ハドック、カレイ、ヒラメなどが大量に獲れる。主に、イギリス、オランダ、アメリカなどに輸出しており、日本もいくつか輸入している。先ほども述べた通り、潮目などにより水産物があまりにも儲かりすぎるため、アイスランドでは水産物の税金が4倍に跳ね上がったこともあった。水産資源は豊富だが、他の資源は少し塩が取れるくらいでほとんど皆無だ。


歴史

島の成り立ち

 アイスランドは、最初から存在していた島ではなく、発散型プレート境界である大西洋中央海嶺が海面上に露出してできた島である。そのため、近年も島の形や、大きさなどが変化している。

島の発見

 アイスランドは、元は無人島だったが紀元前300年頃に古代ギリシア人がノルウェー海を航海していたときに発見したと言われている。また、この時ギリシア人が「氷の島」と呼んだため、アイスランドという名前になったと言われている。

ヴァイキング時代

 アイスランドは、その後、ヴァイキングたちに占拠され、数百年の間その支配が続いた。アイスランドは地理的にもヨーロッパ、グリーンランド、カナダなどに近いため、ヴァイキングたちにとって重要な拠点となっていた。

アイスランドのヴァイキング

ノルウェーによる植民地時代

 数百年間ヴァイキングによる支配が続いたが、13世紀にアイスランドの権勢を握っていたスノッリ・ストゥルルソンが暗殺され、事実上のノルウェーの植民地となった。その後、ノルウェーから2万人もの人たちがこの島に移住してきた。

デンマークによる植民地時代

 ノルウェーによる支配が続いていたが、1814年のキール条約により、今度はデンマークによって支配されることになる。

自治の達成

 1904年に自治を達成。また1874年に制定された憲法に基づき、首相が置かれた。

ナチス・ドイツ、イギリス、アメリカによる占領

 一度自治を達成したが、今度はナチス・ドイツに占領された。その後、今度はイギリスが航路防衛の必要上から、中立であったアイスランドに対し、名目的に侵攻作戦を実施、全土を占領した。さらにその後は、6月からはアメリカ合衆国が代わって占領を継続した。

ナチスドイツによるアイスランド占領

独立

  長い間植民地や占領され続けていたが、1944年6月17日にようやくアイスランド共和国として、独立を宣言した。その後、NATOやOECDなどにも加盟し、各国と国際関係を築いていった。


国際関係

貿易

 アイスランドにとって日本は主要な貿易相手国であり、特に水産物の輸出先は日本が7割を占めている。対して日本は自動車部品などをアイスランドに輸出している。日本はアイスランドとの貿易で約100億円もの黒字を出している。アイスランドは輸出品の価値が低いことや輸入が必要なものに価値が高いものが多いため、輸入額が輸出額を多く上まっている。アイスランドは日本の他にオランダ、スペイン、イギリス、ドイツ、アメリカなどと多く貿易関係を持っている。

EUとの関係

 アイスランドは昔、国内経済の低調などでEU加盟を考えていた。しかし、EUに加盟してしまうとアイスランドにとって重要な収入源である漁業に多くの制約がかかってしまうため、加盟するかしないかの瀬戸側に立っていた。しかし、その後、国内の経済が復調の兆しが見えたり、EU加盟に反対している進歩党と独立党が勝利したため、EUに加盟するということは白紙に終わった。


軍事

アイスランド危機対応部隊・沿岸警備隊

 アイスランドは基本的に軍隊を保有していないが、緊急時にはこの二つの部隊を使用する可能性がある。一つ目は、危機が起きた時に対応する「アイスランド危機対応部隊」。二つ目は、アイスランド沿岸を警備してい「沿岸警備隊」だ。ただ、これらの部隊を緊急時に使うとしても、総勢200名弱にしかならない。ですから、これらの部隊は次に話す、NATO軍が応援に来るmだで、敵からの攻撃に耐えるために部隊だろう。

NATO

 アイスランドは1949年からNATO(北大西洋条約機構)に加盟しており、2006年にはアメリカ軍が駐留していた。珍しいことに、NATOに加盟している国としては、軍隊を保有していない。

NATO


交通

自動車

 広いのに、まともな公共交通機関がない。そんなアイスランドで一番便利な交通手段はもちろん自動車だろう。首都レイキャヴィークでは、レンタカーの店が複数あり、気軽に利用できる。アイスランドは、そこまで道路整備がされているわけではないが、一応自動車が通れるレベルの道は多くあるそうだ。それらの道を通れば、上手く移動することができるはずだ。ただ、積雪がすごいためタイヤチェーンをつけておくことは必須だ。

飛行機

 都市間や有名な観光地間を移動したいなら、飛行機も手段の一つになるだろう。自動車と比べてリスクが低く、冬に雪などで道路が封鎖された時やグリムスエイ島などの島部に行く時にも便利だ。

バス

 バスも市内を移動する程度なら良い交通手段だろう。ただ、市内といってもまともにバスが運行されているのは首都のレイキャヴィークくらいで他ではほとんど使えないのが現実だ。

アイスランドのバス

タクシー

 ここまで交通手段が少ないとなると、タクシーでも良いのではないだろうか。首都レイキャヴィークでは、タクシーが普通に運行されている。しかし、これもバスと同様に首都レイキャヴィーク以外ではほとんど運行されておらず、値段もバスと比べると高い。


治安

治安 

 アイスランドにおいて、治安の心配はほとんど不要だ。 あるとすれば、外国人による軽犯罪が見られる程度だ。


スポーツ

サッカー

 人口の少ない、アイスランドで盛んなスポーツはなんだろう。「ウルヴァルステイルト」というプロリーグがあるサッカーだ。人口の割に、12チームと予想以上の多くのチームがこのリーグに加盟している。ただ、ほとんどのチームは、首都、レイキャヴィークに集中している。著名なサッカー選手としては、チェルシーやバルセロナで活躍したエイドゥル・グジョンセンが挙げられる。また、世界最高峰のサッカー世界大会、FIFAワールドカップには2018年のロシア大会で初出場を果たしている。2022年現在では、FIFAランキング60位に位置している。

アイスランドサッカー代表


ハンドボール

 ハンドボールも盛んなスポーツの一つだ。男子、女子ともに、国内リーグがある。また、世界的に見てもアイスランドのハンドボールはとても強く、国際大会にも毎年のように出場しており、何度も上位に入っている強豪だ。

アイスランドハンドボール代表


著名人

ヴィグディス・フィンボガドゥティル

 アイスランドの著名人といえば、「ヴィグディス・フィンボガドゥティル」を思い浮かべる方も多いだろう。ヴィグディス・フィンボガドゥティルは、1980年に世界初の女性大統領となった。このようにアイスランドは、男女間の格差がほとんどなく、世界男女平等ランキングでも一位になっている。

ヴィグディス・フィンボガドゥティル

ハルドル・ラクスネス

 ハルドル・ラクスネスは20世紀を代表するアイスランド生まれの作家だ。小説などを多く執筆した。また、1955年にはアイスランド出身初のノーベル文学賞も受賞した。

ハルドル・ラクスネス

まとめ 

 今回はアイスランドについて書いたが、どうだっただろうか。途中途中アイスランドがアイルランドになっていたりなどの誤字や意味不明なところが多くあったと思うがそこは気にせず読んでいただけただろうか。改善点やアドバイスなどあればぜひコメントでお願いいたします。もちろん普通に感想でも大丈夫です。また、社会について記事にしてほしい内容がありましたらそちらもぜひコメントでお待ちしています。これからも、社会について色々と記事を投稿していくのでお願いいたします。また、土水23(社会)と同時にスポーツについての記事土水23(スポーツ)も運営していますので、そちらの方もよろしくお願いします。

次回:ロシア・ウクライナ戦争 ロシアがウクライナに侵攻した理由
次次回:<超>アイルランド<詳しく>

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