【DREAMERSのレスリングエリート】中村倫也のまとめ
1月16日に開催されたプロフェッショナル修斗「2022 開幕戦」で中村倫也 （EXFIGHT /LDH martial arts）と野尻定由（赤崎道場A-SPIRIT）が対戦。試合開始とともに奇襲のヒザ攻撃に出た野尻だったが、これを中村が冷静に狙いすました左のカウンターで迎撃。直後のパウンド連打で昨年のデビュー戦に続いて衝撃的な2連続KO勝利を飾った。…..
出典：yahooニュース/https://news.yahoo.co.jp/articles/9a23f8a5d75b2bd3d1f890564a02cf18d451426c（2022年1月17日）
どうも、dosukomiです。
3月20日に行われる「RIZIN34」大阪大会のカードが今日発表されましたね！
メイン（？）は大方の予想通り萩原京平vs弥益ドミネーター聡志というカードになりました。
弥益選手は萩原選手と違い試合感覚が大分空いていますので、今回の試合でうまく試合勘を発揮できるか未知数ですが、萩原選手は10月の朝倉戦以来3ヶ月で3試合という過密スケジュールをこなしていますので、そこで両者にどのような差がでるかが気になります。
他にもストラッサ―起一vs阿部大治の元UFC対決、昨年12月のGRACHANバンダム級タイトルマッチで金太郎とも激戦を繰り広げた伊藤空也を倒して王座を獲得した手塚基伸vsアラン・ヒロ・ヤマニハなど注目カードが目白押しとなりました。
個人的に気になっているのはキックで参戦する大雅選手で、前回の梅野からの判定勝利を挙げた試合から続けて連勝を挙げられるか。私、気になります！
途中で変におちゃらけたりせず、体力が続くうちにしっかりとKOを狙いに行ってほしいものですが、はたして。
また大阪大会といえば、前回に大阪で行われた「RIZIN29」では皇治選手を中心としたキックワンナイトトーナメントが開催され、他にムエタイの強豪・梅野源治や、第5代RISEライト級王者の白鳥大珠などが参戦した大会です。
このトーナメントで優勝した選手に贈られる優勝賞金500万円と、まるで仮面ライダーベルトのようなデザインのベルトが格闘技ファンの間で大きく話題になりました。
まあそれ以上に話題になったのは皇治選手が繰り返し行ったバッティングやらローブローやら後頭部への攻撃やらの反則攻撃の数々でしょうが..…
今回の大阪大会でも、皇治選手は出場するのでしょうか。試合後のインタビューでは「冬眠する」と発言していましたが、榊原CEOの思わせぶりな発言からも期待が持てるところです。
また他にも今年のキック界で最も成り上がったYA-MAN選手についても気になります。
試合後にTwitterでMMA挑戦の意思を示したり、金太郎選手へのラブコールを送ったりと中々興味深い行動をしていますから、彼についても今後の展開が気になって仕方ありませんね！
余談を挟みましたが、さてさて。
前回の投稿では、ABEMAのLDHがコラボして行った企画『格闘技DREAMERS』で選出された2人のうちの1人、宇佐美・正・パトリック選手について紹介させていただきました。
↓宇佐美・正・パトリック選手についてのまとめはこちら
熾烈な競争が行われたこの企画ですが、そんな中で生き残ったもう1人こそが、レスリング出身の中村倫也選手です。
彼は2017年に行われたU-23世界選手権レスリング部門で優勝を果たしており、既にその実力が伺い知れるところではありますが、今回はこの若きレスリングエリートについて紹介していきます。
ビッグネームに囲まれながらのトレーニング
中村倫也選手が格闘技に入ったのは5歳のとき、父親が主宰していたMMAジムで元レスリング世界王者でRIZINでも活躍している山本美憂選手によって立ち上げられたレスリング教室で学び始めたのがきっかけだったようです。
幼少期には、日本のVALE TUDO JAPANやPRIDEでも活躍したヒクソン・グレイシーなど他にも多くの有名選手らと練習に励んでいたといい、山本美憂選手の息子・アーセン選手は中村選手とは同期になります。
小学校で全国大会優勝、中学校でも全国中学生選手権42㎏級で優勝するなどして本格的にレスリングの道に進むことを決めた中村選手は、高校でもJOC杯カデットの部50kg級優勝、世界カデット選手権でも3位を獲得し、3年生時にはのちのオリンピックメダリストを破りチームの優勝に貢献しています。
大学時代に入っても、中村選手の活躍は続きます。
大学1年時にはJOC杯ジュニアの部で優勝、2年時では全日本学生選手権と全日本大学選手権で優勝し、2冠を果たしました。
3年時には全日本選手権の準決勝で敗退したことで残念ながらリオデジャネイロオリンピックへ代表候補からは外れてしまいますが、4年時にはのちの世界選手権で金メダルを獲得している強豪を決勝で下して優勝しています。
なお、この大会の後に以前から怪我を抱えていた肩を本格的に治療しているようです。
翌年。階級を上げ、肩の状態もより良好となり挑んだ全日本選抜選手権で、なんとリオデジャネイロオリンピックで銀メダルを獲得した樋口黎選手を破る大金星を挙げ、同時にその年の世界選手権の代表権を獲得しました。
残念ながら世界選手権での成績は振るわなかったものの、その年初めて開催されたU-23選手権ではその実力を十分に発揮し、61㎏級級の初代世界王者に輝いています。
総合格闘技転向、格闘DREAMERS参加へ
U-23選手権で素晴らしい成績を収めた中村選手でしたが、その後2019年に東京オリンピックの代表選考も兼ねた全日本選手権に出場。
「自分のレスリング人生の集大成」と強い覚悟を見せ、頭を剃り上げての大会に臨みましたが、決勝戦で無念の敗北を喫します。
結果は残念なものになってしましましたが、中村選手冷静に結果を受け止めた様子だったようです。おそらく、この段階で彼の中では、自らの長いレスリング人生に一つの区切りができたのではないでしょうか。
その後自らのTwitterで総合格闘家への転向を発表しました。
幼少期の環境からか元々総合格闘家への憧れがあったと中村選手は語っており、発表した際の自身のツイッターでは、ファンが寄付によりアスリートを応援できるサービスで、スキージャンプの髙梨沙羅やボクシングの寺地拳四朗も名前を連ねる「unlim」への参加も表明。
幼い頃に憧れた世界に飛び込むとあって、本人も覚悟は十分のようで、ファンのサポートを力にUFC王者を目指すことも宣言しています。
その後は宇佐美・正・パトリック選手を紹介した際にも少し触れた通り、「LDH martial arts」主催の格闘ドキュメンタリー企画『格闘DREAMERS』に参加し、多くの猛者達と切磋琢磨し、同時にしのぎを削りました。
やはりと言うべきか、中村選手は宇佐美選手と同じく、参加者の中でも飛びぬけて見えていたようで、は「倫也はモノが違う」とまで言わしめています。
最終選考試合ではアマチュアDEEPで優勝経験のあるプロ格闘家・新井拓巳選手と対戦していますが、この試合がすごかった！
なんと1R、KO勝利。
いやまあ、ぶっちゃけ勝つだろうなとは思っていました。しかし、それにしても持ち味であるレスリングを生かした試合展開になると予想していたのですが..…
ゴングが鳴ると、両者いきなりパンチがあたる近距離に接近しますが、攻防の後に中村選手の強烈なローキックが新井選手にヒット！たまらず新井選手が体勢を崩します。
しかしそこはさすがに現役のプロファイター、素早く立て直し再び打撃の攻防へ戻りました。
しかしそこに生まれた僅かな隙を見逃さなかったのが中村選手。美しい左ストレートが新井選手の顔面に吸い込まれ、あまりの威力にインパクトの音が「バコォン！！」と響き渡ります。
後退する新井選手、しかし中村選手は再び追撃の左を放ち、ダウンを奪います。
なんとか逆転しようと立ち上がる新井選手ですが、そこに繰り出されたのは先ほどと同様に凄まじい音を響かせる左フック。
ここでレフェリーが止めに入り、試合終了。なんとたったの42秒でKOしてしまうという鮮烈すぎる勝利を飾り、LDHとの契約継続を勝ち取りました。
快進撃！修斗ランカーを秒殺KO！
その後行われたプロデビュー戦、相手は中国のMMA団体でも勝利を収めている強豪・論田愛空隆。
いかに期待の若手といえどもデビュー戦であるし、さすがにレスリングを中心に慎重な試合運びを見せるかなーと試合前には思っていたのですが..…
2R、ハイキックでKO勝ち
いや、えぇ..…？（困惑）
試合展開自体は予想通り、というよりは予想以上に論田選手がグラウンドで粘りを見せた展開となりました。
解説の大沢文也さんも、「論田意外と組みもできるじゃん！」と驚いていますね。
それでも途中でバックチョークを仕掛けたりパウンドを打ち続けるなど、ポイントは間違いなく中村選手有利で1Rを終えました。
しかし第2R開始早々、中村選手が打撃での攻防を仕掛けます。
論田選手は過去に1R15秒で相手を秒殺したほどのハードパンチャーで、中村選手はまさに相手の土俵にわざわざ踏み入って戦うという危険を冒したことになります。
にも関わらず、しばらくの打ち合いの後で仕掛けた中村選手の左ハイが論田選手の頭部にヒット！
糸が切れたように崩れ去る論田選手、中村選手が追撃するもレフェリーストップにより試合終了となりました。
おそらくはこのままグラウンドでコントロールしても勝てたところを打撃での決着に持ち込んでいる点、また『格闘DREAMERS』での試合と比較して明らかに打撃のレベルが上がっている点から、中村選手が完全にMMAにアジャストしていることがよくわかる試合でした。
中村選手が衝撃の左ハイでKO勝利！！（7：10から）
そしてプロ2戦目にして、早くも修斗バンダム級のランカーである野尻定由との対戦に臨みます。
..…が、この試合に関しては詳しい紹介は不要でしょう。だってほとんど1発で決まったようなもんだし。
中村選手が飛び込んだ野尻に強烈な左フック！！（最初から）
いや、えぇ.....？（2回目）
ゴング早々突っ込んだ野尻選手。おそらくは飛び膝蹴りを狙ってのことでしょうが、中村選手がまさかのカウンターをヒット！既にこの地点で野尻選手の意識は半分トんでいることがよくわかります。
フラフラになりながらも戦おうとする野尻選手に、中村選手は容赦のないパウンドを連続で浴びせます。
その数、なんと30発以上！！
あまりの光景に解説が驚く中、とうとうレフェリーが止めに入り試合終了。あまりにも衝撃的な結末に、解説席にいた扇久保選手も言葉がないという様子です。
「RIZIN33」でもサトシ選手が矢地選手の開始早々の飛び膝蹴りを、前蹴りの要領で同じく飛びながら差し出すことで防いでいましたが、まさか空中の相手を叩き落すことで対処するとは、さすがに誰も予想できませんでした。
まとめ
中村選手の現在の戦績は2戦2勝0敗。未だ無敗、しかもすべてKOという元レスラーとは思えない素晴らしい戦績を残している中村選手ですが、現役バリバリのランカー相手に圧勝してしまったことで、もはや下位のランカーでは相手にならないということを証明してしまいました。
次戦の相手はまだ発表されていませんが、3月にはこの階級のベルトを懸けて現王者の岡田遼選手が防衛戦を行います。その結果も踏まえて、今後の中村選手の相手が決まるのではないでしょうか。
個人的には、RIZINバンダム級JAPANGPにも出場した現ランキング2位・『暴言プレジデント』こと大塚隆史選手とやってくれたら面白いな、と思います。
レスリングと同様に、MMAでも世界を取ることが出来るのか？
中村選手、頑張れ！
タイトル出典：Twitter/https://mobile.twitter.com/rinya__ldh
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？