2024/7/6,7新馬戦振り返り


概要

新馬戦のタイム、ラップ、実際のレース映像を交えて振り返りを行います。
講評は1~3着馬と、その他特筆すべき馬について記載しています。
馬名の隣の数字は順に「コーナー通過順」「上がり3F」です
1着馬にはそれぞれ以下の区分で判定をつけています。
ホープフルSまでの2歳戦のおともにどうぞ。
 A: 重賞で積極的に買いたい
 B: 重賞で相手なら。OP戦などでも買う。
 C: OPの相手や平場1勝クラスなど
 D: 現状成長待ち
※予想に繋げるという観点上内容によっては辛口になっています。悪しからず。

7月6日

函館5R 芝1200m

1:10.8
12.5 - 11.0 - 11.4 - 11.6 - 12.4 - 11.9
34.9-35.9
講評
Bコース替わりだが含水率が高く一日中時計のかかる馬場。この新馬戦も70秒台かかったが、その中で前半34.9はそれなりに流れたといっていい。その分の差し決着。番手で粘ったピコローズが上手だったか。差し届かなかった組も次につながりそうな良い内容。ベールドインパクト、モーニングスターあたりまで拾いたい。

1着 ピコローズ 4-4 35.6
評価 B
ゲートよく出たが先行争いには加わらず2番手集団。前の争いを見ながら落ち着いた運び。直線で集中してない感じを見せたり直線ふらふらしたりとまだ幼い部分はあるがこの流れを4番手で受けたのは評価したい。器用なタイプに見えるので小倉2歳Sあたりで買いたい。

2着 ルージュアマリア 10-10 35.0
出は良くなく後方待機。力みを感じる走り方でもうちょっとリラックスできれば。鞍上の手が動くのは早かったが徐々にペースアップし、最後は開いた内をすくって2着に食い込んだ。この馬場で35.0なら十分。次走も買える。

3着 アンジュアルディ 8-8 35.2
こちらも出負け。3コーナーからちょっとずつポジションを上げていき、直線は大外。直線でもフォームが硬くそれほどスピードが出せていなかった。まだまだ課題は多いがそれでも最後追いついたのは能力の分。出遅れはリスクとして高く見ておきたい。直線の長い中京ならロスを戻せるか。

小倉5R 芝1200m

1:09.2
12.1 - 11.0 - 11.2 - 11.4 - 11.5 - 12.0
34.3-34.9
講評
時計の出る馬場であることを考えるとそこまで速いわけではない。6頭立てということもあるが2F目11.0はかなり遅い。最後もほとんど止まっておらず、後ろの組は辛い。数字だけだとレースレベルは高くない。

1着 タマモティーカップ 3-3 34.6
評価 C
スタートはそれほどよくなかった。すぐに隊列が決まったのもあって3番手やや外を回して追走。若干力みながらの追走は改善の余地あり。直線もそのまま外を回して差し切った。レース後のコメント通り競馬が上手いタイプなので小回りで見たい。小倉2歳SかカンナSあたりだろうか。どちらにせよ時計は縮める必要がある。

2着 セルヴァンス 2-2 34.9
最内を活かした先行策。道中かかっていたり首の使い方がぎこちなかったりとまだ幼い。直線よく粘ったが最後差されてしまった。このペースならラスト3Fはもう少し出てほしかった印象もあり。速い時計を経験してない分未勝利の頭はちょっと怖い。

3着 リアルフォルゴーレ 6-5 34.8
6頭立ての大外で終始外を回すことになった。落ち着いて走れていた。直線は通ろうとしたコースが一瞬ふさがり進路変更を余儀なくされたロスがあり、これがなければセルヴァンスとの差はもう少し縮められていた。跳びの大きいタイプで広いコースで見たい。

福島5R 芝1800m

1:52.1
12.8 - 11.8 - 13.1 - 13.6 - 13.1 - 12.3 - 11.9 - 11.6 - 11.9
37.7-35.4
講評
新馬らしいスロー戦。ラスト35.4はしっかり出た方だが馬場を考えるともう少し欲しかったのが本音。外を回した馬を次走上げたい。

1着 マーズオデッセイ 2-2-2-2 35.3
評価 D
スタート良く出て先団のいい位置。アドマイヤマーズ産駒だがいい意味でマイラーっぽくない落ち着いた走り。直線では難なく抜け出して完勝した。フットワークに力を感じるのでパワーのいる馬場や直線坂のコースで見てみたいが重賞だとちょっと家賃が高いか。

2着 クレプスクルム 1-1-1-1 35.6
スタート良く逃げて最後もよく粘った。展開的にはマーズオデッセイが他の馬の競り合いを防いだこともありかなり助けられた。上位ともう一度戦っても先着するビジョンは見えない。

3着 アリアルブラック 2-4-3-3 35.8
こちらは終始外を回された分次走で上げたい。最後もいい脚で差を詰めているが、3コーナーからのエンジンのかかりが遅いのは要注意。

福島6R 芝1200m

1:10.7
12.6 - 11.1 - 11.3 - 11.6 - 11.8 - 12.3
35.0-35.7
講評
時計のかかる馬場なりの数字という感じ。11.1-11.3と比較的速いペースが続いた点は評価できるが、それでも前半35.0は極端に速くはないのでついていけなかった組は今後も怪しい。

1着 ミライヘノブーケ 1-1 35.7
評価 D
好スタートで先団、外からのプレッシャーもあったが内枠を活かしてハナへ。この距離なりの気性の危うさは見え隠れするが、裏を返せば前進気勢がしっかりあるのでこういった戦法が今後も合いそう。この前進気勢が良い方向に出れば今後も伸びそうだが現状重賞・OPは厳しいか。

2着 アルデショワ 4-3 35.2
まずまずのスタートを切り、最初は控えていたがグイグイとこちらも前進気勢を見せて2番手集団へ。徐々に進出して直線ではカーティブヨークが寄れたところを狙って差してきた。どちらかというと今後伸びそうなのはこっち。ただし使える脚は長くなさそうなので直線の短いコースで。

3着 カーティブヨーク 2-2 36.1
スタート良く出て先団にとりつけたのはよかったが4コーナーでちょっとバラけた走りを見せたり直線で右鞭に過剰に反応して寄れたりと悪癖が目立つ。1200mがそもそも長い気も。千直で。

7月7日

函館5R 芝1800m

1:54.0
12.9 - 12.5 - 13.1 - 13.6 - 13.3 - 13.0 - 12.2 - 11.8 - 11.6
38.5-35.6
講評
雨の影響もあり時計のかかる馬場だがスローペースゆえそれを考慮してもかなり遅い時計。後方の馬は全くのノーチャンスで次走拾いたい。加速ラップが示す通り上位陣もまだ余力があるので時計は詰められる。

1着 マジックサンズ 6-6-4-2 35.3
評価 A
スタート一息で行きたがるところを抑えられながら後方での追走。13.0-12.2-11.8のペースアップしたところで動いていき直線で2番手。直線でも余力を見せて突き放した。ジョッキーの動かす判断もよかったが馬もそれにこたえる能力があり、新馬戦として文句なしの好内容。こういう競馬ができるなら札幌2歳Sで見たい。

2着 ビーオンザカバー 3-3-2-2 35.8
やや煽ったがスタートは出た。3,4コーナーでマジックサンズに競られた分仕掛けはやや早くなったように見えるがそれがなくてもしっかり差をつけられた。このペースこのポジションなら上がりはもう少し出てほしかったのが本音。頭では取りこぼしがありそうなので相手まで。

3着 ルージュマローネ 1-1-1-1 36.0
最内枠を活かしてこのペースで逃げての3着がほぼすべてだと思う。2戦目も似た条件じゃない限り逃げられないと思った方がよさそう。ダイワメジャー産駒なのでマイルで見直せる。この馬に限らず現開催にマイル戦がないことの煽りを受けた馬は拾いたい。

8着 カルテシウス 6-7-7-9 36.3
気性面の問題があるのかスタート後しばらく単走で行かせてから合流させたが後方の外。このペースではどうにもならなかった。最後もしっかりとは追っていないのでノーカンでいい。トビが大きいので函館よりはもう少しゆったり構えられる札幌の方がいいか。

小倉5R 芝1800m

1:50.1
13.2 - 11.5 - 12.9 - 12.8 - 12.5 - 12.3 - 12.1 - 11.6 - 11.2
37.6-34.9
講評
戦前から素質馬の出走で話題になっていたが期待に違わぬ好パフォーマンス。2012年からの集計で、前後半3F差が3秒以下かつ上がり3Fが35秒以下となると、バルサムノート、ヴェロックス、ラスマドレス、クロノジェネシス、ラヴェルといった名前が並ぶ。全体ラップを見ても一番緩んだのが3F目の12.9でそこから後がすべて加速ラップ。いかにも活躍馬が多く出そう。

1着 ジョバンニ 3-3-2-1 34.7
評価 A
おっかなびっくりのスタートだが出脚はついて3番手。大人しく構えていたが後ろからダノンシーマが追い上げてくるのに合わせて進出開始。そのまま後続を振り切った。離れた3人気扱いではあったが強い内容で完勝。コーナリングも上手いので札幌2歳Sでも。

2着 バズアップビート 4-4-4-5 34.7
ゲートでうるさくスタート後に他の馬に噛みつこうとするなど気性面はかなり問題。追走もいかにも集中してないという感じ。それでも完璧にレースを運んだジョバンニと同じ上がりで追いすがったのは完全に能力分。未勝利なら能力だけで押し切りそう。頭で買ってそれ以降は様子を見たい。

3着 ダノンシーマ 6-6-6-3 35.1
スタート良くなく後方こちらも気性が怪しく川田騎手が競馬を教え込みながらの追走。途中動かしたあたりも完全に遊びながらでコーナリングも上手くないが35.1の脚が出るあたりこちらも能力が高い。未勝利頭でいいが強いて言うなら左回りの方がよりパフォーマンスを上げそう。

小倉6R 芝1200m

1:10.2
12.2 - 11.0 - 11.7 - 11.8 - 11.7 - 11.8
34.9-35.3
講評
7頭立てであることを考えると時計は妥当か。後半4Fがほぼイーブンペースで上位陣に余裕はありそう。

1着 スリールミニョン 2-2 35.1
評価 C
スタート良く出て2番手につける優等生の競馬。レース後コメント通り鞍上のゴーサインに対する反応は鈍いが終いの脚もちゃんと見せた。一通り基本のキはできている印象。2歳の内にもう1勝するにはまだ一皮剥けてほしい。

2着 ルジャーダ 3-3 34.7
スタート良く出てスッと3番手。最後いい脚で追い込んだがこのペースだと位置取りの差が勝敗に直結してしまった。未勝利もそつなくこなせそうで、勝ち切るまではいかずとも安定したパフォーマンスを見せてくれそう。

3着 サニーネイチャー 1-1 35.6
テンよくハナをとりきったが落ち着きのない走り。ただ素直に鞍上に従ってがっつり息の入ったペースで逃げられたのはプラス。血統的にもスピード勝負というタイプには感じないのでマイルか1800mくらいまで距離を伸ばしても。

4着 イキガイ 4-4 34.6
スタート良かったがその後の脚がなく大きく離されての4番手に置かれたのが痛かった。初めての競馬で戸惑ったか。最後しっかり詰めてきているので競馬をちゃんと覚えれば。こちらも距離延長で見たい。

6着 ペンテリコン 7-7 34.3
スタートから全く鞍上の指示に従わず教育モード。最後34.3の脚を出せているのでしっかり能力はあるのだが…。精神的にしっかりしてからなら。

福島5R 芝2000m

2:01.2
12.7 - 11.2 - 12.0 - 12.7 - 12.8 - 12.3 - 12.1 - 12.0 - 11.6 - 11.8
35.9-35.4
講評
この距離の新馬が始まったのが2015年からとはいえ、従来レコードの123.2秒を2秒詰めての121.2秒。新馬の芝2000mにしては珍しく13秒台が出ない速いペース。やや早めの時計が出る馬場だがそれを差し引いてもいい数字が出ている。

1着 ジェットマグナム 5-3-4-4 34.7
評価 B
まずまずスタート出て中団。若干気負いながら追走していたが向こう正面で我慢できないとばかりにポジションを上げた。3コーナーから早めに仕掛けて直線でもしっかり脚を見せて差し切った。逃げたリトルジャイアンツもほとんど止まっていない中差し切ったのは見事。若干気性に怪しさを感じるのが怖いところだが一頭抜けた上がりを使っており実力十分。ゆったりした一周競馬よりはワンターンの1800mで前半流れた方が合ってそう。

2着 リトルジャイアンツ 1-1-1-1 35.5
外目の枠だが積極的にハナ。新馬らしく落ち着きのなさげな感じで1馬身リードを取っ手の逃げ。3コーナーからまたリードを取って最後もほぼ緩まなかったが勝ち馬の決め手に屈した。それでも数字だけ取ればいい内容なので未勝利も頭で狙いたい。

3着 ホウオウヌーヴォー 3-3-2-2 35.8
スタート良く最内先団をとっての追走。速い流れにもついていって直線もいいタイミングで仕掛けたが最後は脚が上がった。流石にこのペースがきつかったか。もう少しゆったり構えられる展開なら。

4着 ピエナフェーヴル 8-8-6-6 35.3
出負けが痛かった。ジョッキーコメント通り気性の問題を抱えているので今後も無理に動かす競馬にはならないと思われる。最後は良い脚を使えているので内枠でしっかり落ち着けられるといいのかも。距離も1800mに縮めた方が折り合いはつきやすい。

福島6R 芝1200m

1:10.5
12.4 - 10.9 - 11.8 - 12.0 - 11.7 - 11.7
35.1-35.4
講評
馬場を考えるとまずまず時計は出た方だが中が11.8-12.0とスプリント戦にしては緩んでおり今後どうつながるかは疑問。それでも上位は差してきた馬でありそこは評価したい。

1着 セイウンビッグバン 4-4 34.8
評価 C
スタート良く、先行争いから一歩引いたところで構えた。ピッチが速く小回り向きな印象を受ける。ただ道中ふらついたり他馬を気にする仕草を見せたりと集中力に欠くところも。パフォーマンス自体は良いので気性面の改善が欲しい。次走はダリア賞が想定されているが、あまり合わない気も。

2着 ベストロイヤル 6-5 34.8
まずまず出て内で構える形。直線もスムーズに出したがセイウンビッグバン荷は離された。1kg減で後ろから構えてセイウンビッグバンと同じ脚なので完全に実力差を見せつけられた形。展開は決して恵まれていたものではないので、次走もう少し流れたペースになれば差し脚が活きるのでは。

3着 ユーティジャーニー 6-6 34.9
ベストロイヤルとほぼ同じ位置での追走。仕掛けどころで鞍上に逆らうような場面があり気性面が課題。直線はスムーズだったがショウナンバシリスが外に寄れた分こちらも外に持っていかれて、その分ベストロイヤルを差し切れなかった。上積みがあるのはこちら。

5着 カガバベル 8-8 35.1
今日はこの位置ならノーチャンス。最後しっかり追い込んでいるので流れるペースの未勝利で。開催が進んで外差しが決まるならなお良し。

以上


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