サークルの先輩に勧められて始めたアイドルゲームが怪文書だった件
サークルの先輩(厳密にいえばもう社会人)がこうおっしゃった。「シャニマスをやってください」。
その場のノリというかなんというか軽い流れだった。しかし「やります!」といった手前何も触らないというのはオタクの名折れ、というわけで入れてみたのがアイドルマスター・シャイニーカラーズ。美少女ものとか大好きなくせして意外とこういったもので遊んだことがなかった私は
「絵、うめえ......」だの
「声、かわよ.....」だの
有識者が聞いていたら、張り手でぶち転がされそうな無味乾燥な第一印象しかなかった。薄いし浅い、そんなさして面白みもない小学生のような感想を抱いていたのだが、ある一人のアイドルとの出会いが、私の価値観を変えてしまった。
「!!!!!!!?????????」
信じられるだろうか。バスを待っていたらとんでもねえ美少女がいた。
そんな、冒険に出たら最初のまち付近の草むらで色違いのディアルガに出会うような、とんでもない衝撃だった。私は軽くめまいを起こしながらこの顔面凶器(以下、浅倉透)をスカウトしたのである。
....................................え?スカウト受けてくれるんだ?
後日先輩に「透のP(プロデューサー)になりました」と伝えに行くと何やら微笑まれた。「透ちゃんはわけわかんねえぞ」と。
..................そう、お察しである。
この女。
感性が鋭すぎるあまり、自己のみでほとんど完結し、周りに伝わるような語彙もないので何を言っているのか汲み取るのがとてつもない難易度なのである。
分かりやすく言い換えると、「自分でいろいろ考えてはいるけどそれを表す言葉が見当たらなくて言葉少なに喋っていたら「自然体だね」と思われてしまう子」みたいな感じだろうか。自然体なのはそうなんだけど、何にも考えてないようで、哲学的なことは考えてるというか。いや確かになんも考えてないときもあるだろうけども。私のような新参Pが透の何を知っているのかと思われるだろうがその通り、マジで何にもわかんないです。すみません、偉そうに言ってるけどもしかしたら違うかもしれない。全然わかんない透。
しかしそういう難解なのが大好きなので沼った。
浅倉透すごい。沼った。
顔がいいからいろんなとこからオファーくるし、挨拶は割と素でちゃんとやるし、奢るって言ったくせに財布は忘れるし、脳内はジャングルジムだし、鳴かない蝉に「ギター」って名前つけるようなセンスだし
「ふふっ、沼ったわ」
浅倉透のコミュだけほかのアイドルと色が異なる気がする。というか彼女の所属するグループ「ノクチル」のみ、何だろうか、いつ崩れてもおかしくないような不安感と不安定さがちらほら見える。幼馴染4人で結成されているのにどうしてか今にも瓦解しそうな感覚を覚えてしまうのだ。怖すぎる。ストーリー中もBGMがあまり流れないのも怖い。なんなの?シャニマスって明るいゲームなんじゃないの?
世界に望まれている浅倉と、浅倉を追いかけるメンバーと、この時点で横一線にはもはやいないのではと思えるんだけど怖いんですけど助けて社長。だって浅倉、底が見えんし何考えてんのかわかんないしそこが好きだけど。
いま期間限定でコミュ開放中なのでゆっくり読んでたのだが「天塵」やばい。何がやばいって言語化できない、助けて社長(二回目)。とにかくいろいろ明記されてないのに読了後の疲弊感と満足感がすごい。ライターさんやべえ。シャニマスって質のいい映画一本見たような気分になるのでほんとにすごいと思った(小並感)。
勧めてくれた先輩に大いなる感謝をささげてそろそろお米を炊く。
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