COCOAについて調べたらインストールしてみようかなと思えてきた件
実はまだCOCOAをインストールしていない。COCOAとはCOVID-19 Contact Confirming Application、厚労省が提供するCOVID-19感染者接触確認アプリである。
わたしは頭ではこのアプリは絶対にインストールすべきだろうとは思っているのだが、どうも位置情報を提供するのでは・・・と個人情報が取られる事を懸念し二の足を踏んでいた。社会のためとはいえ、位置情報(GPS)のデータを提供するのはかなり抵抗がある・・・。しかし調べてみると、COCOAについてかなり誤解していたことがわかった。
1)位置情報は使われない。
このアプリ、位置情報(GPS)や個人情報はまったく使われないようだ。
ちょっと丁寧に説明してみると、このアプリをインストールすると、Bluetoothを使って定期的に近くのデバイスへ信号を送信している。(つまりBlootooth機能をオフにすると使えない)
近くにCOCOAインストール端末が確認された(1m以内に15秒以上)場合は接触符号が交換され、近づいたという記録が自分の端末にだけ記録されるそうだ。距離の近さは信号の強さで判断するようだ。中央サーバーなどで管理されることはない。
そして、実際に感染してしまった場合、感染者は自分で保健所で発行された番号をアプリに入力する(つまり本人の同意がある場合のみ報告される)。感染報告された場合は、感染していた可能性がある期間や時間がサーバーに送られ、サーバーから端末へその情報が送信される。この情報に一致する接触データが端末内にあれば通知が送られる、という仕組みだった。
※詳しく知りたい方は下記厚労省の資料参照
2)使われるデータは過去14日間の「日次鍵」と「接触符号」
このアプリをインストールすることで使われるデータは、1日に1度ランダム発行される「日次鍵(Temporary Exposure Key)」と接触があった場合に端末同士で交換される「接触符号(Rolling Proximity Identifier)」(10分程度ごとに更新される)のみだ。
電話番号やメールアドレス、マイナンバーなどを入力せずに使用されるので、その類の情報が抜かれる心配はほぼないといえる。また、上述のようにGPSではなくBluetoothを使った信号データを用いるため、位置情報も使用されないので、この説明で個人情報漏洩の心配はかなり低いと思った。
つまり、COCOAをインストールしたところで、「この日にこの接触符号とあの接触符号が1m以内に15秒以上接触していた」というデータが自分のスマホに14日間保存されているだけで、「この接触符号がどの端末発信か」という特定を外部からできないし、「このIDを発行した端末の所有者が誰か」という情報が外部にわからない仕様になっているといえる。
シンガポールはアプリ導入がかなり早くから行われていたが、コロナ追跡アプリがあまり普及していない、という記事も出ていたので、正直、日本でもあまり普及しないのではないか、と思っていた。
しかし、シンガポールの追跡アプリは利用時に電話番号などの入力が必須で個人情報を特定できる仕組みとなっており、これが追跡アプリインストールに二の足を踏む原因となっていたのではないかと思う。(現在は追跡アプリのウェアラブル端末を配布して普及率をあげているよう・・・)
こういうシンガポール型のアプリに比べても、日本のアプリはインストールへの障壁がかなり低いと感じられた。プライバシーへの配慮に関する開発への話は以下のインタビューに詳しく載っていたので、興味のある方はご参照を。
3)不具合が報告されているが・・・
アプリ導入の発表直後から不具合が報告されており、心配の声も相次いだようだが、そもそもちょっとリリースのスケジュールが慌ただしかったのではないかという話もあった。
これだけ期待のかかるアプリなので、短期間で完璧なものを作り上げるのは難しいだろう。不具合は着実に修正されていっているようであるし、なんせ、しつこいが個人情報が取られているわけじゃないので、そこまで気にしなくてもいいかなと個人的には思ってきた。
素人にはあまりよくわからなかったが、今回はそもそも日本マイクロソフト社員の方が開発した「COVID19RaderというOSS」と「それをベースにして開発されたCOCOA」という2通りのソフトウェアが存在する二重構造が問題を複雑化している的な内容も下記の記事には書かれていた・・・。とりあえずこのアプリが浸透すれば、「世間体でつけているマスク」を外せる日が来るかもしれない。プログラマーの方々の奮闘に本当に期待している。
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というわけで、過度な心配も取れたので、今更だが自分はインストールしてみようかなと思っている。インストールしても削除したらデータは消えるようなので、まあ、気楽な気分で試してみる。陽性者と接触した可能性がわかれば、その後外出を控えることなどで対策も早めに打てる。
8/7(金)時点で約1200万回ダウンロードされているようだ。日本人口の約10%程度が利用しているといったところか。普及しないと意味ないアプリではあるので、今後どのように政府が啓蒙していくのかは見ものである。