【本の処方箋】気持ちが前向きになる本
落ち込んだときは、入れる(食べる、買い物で発散など)よりも、とにかく出す(走る、カラオケ、話をひたすら聞いてもらう、ノートに書き出す、お風呂で汗を出すなど)ことをした方がいいと聞いたことがあります。
なので本当に落ち込んだときは、本を読んで文章を身体に入れるのは向いていないかもしれません。
泣いたり走ったりサウナに行ったりしてとことん落ちた上で、そろそろお腹も空いてきたし、元気になるものでも食べるか、という気分になったときに読んだら栄養になりそうな本を選びました。
『ストロベリー・ジュース・フォーエバー』(服部みれい)
この本を初めて手に取ったのは20代の頃で、その時はそこまで内容にピンときていなかったものの、自分と向き合いたい時、繰り返し手に取っていた本です。
この本の「はじめに」に書いてある通り、この本は「自分という車のハンドルを自分で握るための知恵」がたくさん詰まっています。
自分という車のハンドルを自分で握る、という意味がようやく腑に落ちたのは私は最近の話で、今の私は
”外側の要因(世間体とか会社とか親とか友達とかの価値観)ではなく、自分がどうしたいか、どう感じるかを判断軸にする生き方”
だと理解しています。
29歳のとき、やっぱりもう一度出版社で雑誌の編集がしたい!と思ったときは、この本の中の「わたしをいかす仕事のヒント」という章を繰り返し読んでいました。
他にも自分に自信がつくヒント、恋愛が甘くなるヒント、ひととの関係がまろやかになるヒント、こころとからだが元気になるヒントが収録されています。
可愛いイラストと短い文章で構成されているので、贈り物にもおすすめの一冊です。
『サラリーマン合気道』(箭内道彦)
クリエイティブディレクターの箭内道彦さんが、広告代理店時代の失敗と挫折の日々から編み出した独自の仕事術がまとめられている本です。
「みんなと同じ」を恥じない、積極的に緊張する、イエスマンになる、など、ありがちな仕事ができる人になるためのなんとか〜みたいなセオリーとは全然違うフレーズが並びます。
ご本人も作るものもどちらかというと奇抜な箭内さんからは想像できない苦悩や挫折、くすぶってる様子から、私はとても勇気をもらいました。
そして、頭でっかちな評論家じゃなくて、実際の現場で失敗したり苦しんだりしながら出てきた言葉の方が何倍も心に刺さるし説得力があるな、と思います。
仕事で落ち込んだとき、うまくいかなかったときにおすすめの一冊です。
『金色の鳥の本』(石井ゆかり)
星占いで大人気の石井ゆかりさんの本です。
私は石井ゆかりさんの「星占いが当たるかどうかは私にはわかりません」といったようなスタンスと、美しく寄り添うような文章が好きです。
この本はいわゆる星占いの本というよりは、石井ゆかりさんのミニエッセイのような感じで、読み終えるとすーっと前向きに、あたたかな気分になっているような本です。
(知りたいことをバシッと解決してくれる西洋医学のような本ではなく、漢方のような、気がつくとじんわり効いているかもみたいなタイプの本)
最初から読み進めるのはもちろん、ランダムにパッと開いたページを読む、という、おみくじのような「ビブリオマンシー」な読み方もおすすめです(と石井ゆかりさんも書かれています)。
小さくて見た目もとても美しい本なので、こちらも贈り物にぴったりの一冊です。