NZのコロナ対策。備忘録

ここ最近日本のニュースを聞いていたのだが、某ニュース番組?において妙な発言があった。

その内容というのは、NZはデルタ株の蔓延を防げずコロナ対策における戦略の変更を迫られている。あるいは韓国やNZは成功していたがゆえに今後の蔓延が見込まれると言った感じだ。

正直噴飯ものなのだ。というのもNZの政府はこの問題に関して大分早くから答えを出している。少なくとも去年2020年末には政府のホームページに記載されている。

さて、私が知っている限りの事を書いてみよう。

なにせ現地にいるので情報の鮮度が違う。

まず、現状抑え込みには成功している。侵入が発覚したオークランドではレベル3と未だに高いが少なくとも拡大を止める事が出来た。また他地域ではレベル2で完全にフリーとは言えないが好転しているのは確かだ。そもそもコロナは発症までのタイムラグがあるので2週間くらいずれてくるという事実を踏まえていないのが残念だ。

蔓延を防げなかった件についてだが、これはまず戦略無しに失敗してる日本に突っ込まれる筋合いがない。そのうえでゼロコロナ戦略の変更を迫られているという事はない。そもそも侵入を完全に抑えることが出来ない事もあるのでそれを大前提に動いているのだ。水際で止める。侵入されたら広がる前に叩く。これは防疫の基本でもある。

確かに野党の党首だったと思うが、国境を閉じてゼロコロナを目指すのはもう不可能じゃないかという話はしていた。(この予測が外れることを願うがとも話していたが)しかし、NZは市中感染者が1人でた直後にロックダウンを決断。この感染者の発覚と侵入したコロナが空港検疫に引っかかったものとの間に1週間以上のミッシングリンクがある以上、市中にすでにコロナが広がったと予測。果たしてその予測は正しく、それから2週間ほどは患者の急増が起きた。だが早急な対策によって現状成功しているのは上記の通りだ。

戦略について

ここで本題に戻り戦略について書いてみよう。

NZのコロナ対策は実にシンプル。ゼロコロナ。但し某政党のお花畑ゼロコロナとはだいぶ違う。

対策としては植物や動物の検疫と原理を同一にしている。先ほども少し書いたが、侵入を許さず、許しても初動でやりすぎなくらいに動いてとにかく蔓延を防止する。一人でも許してしまえば、そこから広がる。そしたら倍々ゲームで増えていく事を考えれば、侵入を許さない、残させないというのがいかに簡単かは予想出来るだろう。

勿論失敗することはある。但しその場合でも良くは無い、が別にいいのだ。少なくとも時間は稼げる。

NZは永遠に鎖国するしかない?

基本方針は前に書いた通りなのだが、ご存知の通りコロナは全世界に蔓延しNZ以外では数えるほどの国しか対策に成功していない。このような状況ではNZは永遠に鎖国し続けるしかないように思える。上記の経済学者の先生はコレをもって戦略の変更を迫られているというのだがコレもまたピントがずれているのだ。NZはかなり前から国境開放のための出口戦略を進めている。

まずNZが国境開放について述べたのは私が知る限り去年2020年末。大目標はその頃には出来ていた。それは「ワクチン接種者が十分な数になり蔓延防止の効果が見込めるようになったら国境を開く、それは2021年中は無理だろう。」という内容だ。

当時は(今でも)ワクチンの効果がどれほどの物であるかは分かっていなかった。またご存知の通りウィルスの変異によって効果の減少は十分にあり得る。そのため正確な未来予測は出来ないわけだが、少なくとも大方針はかなり前から述べられていたのだ。

またNZは日本と比べても小国で医療資源が乏しく蔓延した場合日本より酷い事になるのは目に見えて明らかである。ウイルスの侵入を許したうえでそれを解決できるのは効果的なワクチンだけである。

また効果的なコロナ対抗策もワクチンだけである。抗体カクテルだとかロックダウンだとかは色々と問題がある。

これらを踏まえるとNZの取るべきは一つ、ワクチンを十分な数を接種出来るまでなんとかロックダウンで逃げ切り人的損耗をおさえ、逃げ切った先で国境を開ければ、完全に被害者をゼロにはできなくても医療崩壊は起きないし、経済も活性化するよという事だ。実際そのように動いているし、政府保健省のコロナページにも、首相の演説でも触れられている。

私はジェシンダアーダン(NZ首相)の信者では無いので追いかけ切れていない部分もあるだろうがこのような対応を取っているのは把握している。その場限りの行き当たりばったりでは流石にここまでうまく対策は出来ない。

とりあえずまとめ

日本ではワクチンの効果かオリンピックが終わった効果かは分からないが兎に角感染者数が減少傾向にあるようで良い事だ。

NZはそもそも減少傾向という概念を作る必要がない様に動いてきた。現に市中に侵入を許したのは私が知る限り計4回あったが、最初と4回目の今回2回以外は初動が早いおかげで早々に規制は解除された。

これを良いとみるか悪いとみるかは人それぞれだが、少なくともアフターコロナに向けてNZは大分前から戦略立ててきたし、着実に進んでいる。

日本はもう少し謙虚に成功している国から学べないものかと思う。別にロックダウンが最良とは言わないしゼロコロナが最良とも言わないが、少なくとも緊急事態宣言を出しながらオリンピックとかいうブレーキとアクセルを両方思いっきり踏むとか言う頭の悪い事はやめていただきたい。高度なギャグ?人の命かかってんねんぞ。

あと予測だけで物言わないで。少し調べて。これは私自身に対する戒めも込めて。でも調べると疲れるので今回は全部記憶に頼って書いた。多分良く知ってるえらいひとが間違いを指摘してくれるはずだ。

蔓延が見込まれるに関して述べるのは次回…機会があれば。

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