スカーレット16~18話
大阪に行くまでの、ジェットコースターのような
感情の揺さぶられ方からいくと、この3週目後半の3話は
比較的穏やかな日々でございました。
でも、だからこそ急スピードで過ぎていったシーンを
もう一度振り返る時間を貰えたような気がします。
それぞれの女性の仕事
この3話では、荒木荘の人々の仕事ぶりが描かれています。
先週から引き続きの大久保さん、さださん、ちや子さん。
さださんは下着のファッションショーを控えて、
見た目にも華々しい仕事ぶりだし、
ちや子さんは、女性の新聞記者として、男性の職場で果敢に働く。
どちらかと言うと、この2人のほうがこれまでの朝ドラの
主人公に向いてる感じがしますよね。
だけど、今の時点では喜美子は女中見習いとして
大久保さんのもと、厳しく地味な仕事をしているわけです。
目に見える気遣い、目に見えない仕事
3週目の前半で、女中としての1日を丁寧に綴ってくれたので
喜美子の仕事量の多さは、こちらにはよく見えていました。
そんな中でも喜美子は、空いてる時間に切り絵で鉛筆立てを作ったり
靴箱の名札を作ったり、得意の絵でみんなの心を和ませます…んがっ!
大久保さんは、そんな喜美子のことを褒めるでもなく
なんと大量のストッキングの内職を持ってきます…!
初見では、枕投げで大笑いしたり
これも「遊んでないで空いてる時間でお金を稼げ!」と
暗に手助けしてくれてるのかなぁ?という結論を出してましたが
再見では、それも勿論あると思うけど
女中の仕事は、他とは違って単調で、感謝されなくて
それでも手を抜いたらすぐバレる…なんならハードな仕事だってことを
教えてくれてもいたのかなぁ…と思えました。
前半で出ていた「三枚の皿」の話。家族のため、仕事だから、
心をこめて…これ、どんな理由をつけようが、
皿がキレイじゃなかったら、まず仕事をしたことにはならないし
いつもの皿が、いつもの場所にきれいな状態で有るようにする仕事、ですもんね。
言うのは簡単だけど、洗ったり、拭いたり、元の場所に戻したり…
一事が万事、見えない仕事でもあるんですよね。
かと言って、毎日真剣に心をこめて磨いたって
皿の模様が見た目豪華に変わるわけでもない。
とにかく、華やかとは言い難い。
だから、目に見える気遣いもいいけれど
私達の仕事は、こういう表立っては見えない仕事なんだよってことを
ストッキングの内職として見せてくれたのかもしれない…なんて
思ったりして。しかも地味な割にスキルは必要ですからね。
喜美子が「これ荒木荘の仕事ですか?」って
しつこく食い下がっても答えなかったのは
お金のためだけに仕事をしてほしくない、と言う
大久保さんの女中仕事に対する意地と誇りが
そうさせたのかもしれないなぁ。
朝ドラで、こういった言わば地味な仕事、日の目をみない仕事に
ここまで光を当ててくれたことにより、わたくしも
自分のやってる家事が、どこか報われた気がしました。
誰にも気づかれないかもしれない…けど、あなたのやってる仕事は
あなたにしか出来ない仕事なんだよ。喜美子からも
大久保さんからも、そう言われた気がしました。
喜びを与えられる。
後半、ファッションショーを見ながら
喜美子が満面の笑顔を見せ、そこがスローで映し出されたのが、
初見のときよりも印象に残りました。
終盤、喜美子は自分の作品によって
大勢の人に笑顔をもたらすことになるわけですが、
自分自身もまた、笑顔になるような経験をここでしてたんだ。
その体験は、多かれ少なかれ喜美子の心のどこかに
残ってたんじゃないかなぁ。
緩急で言えば、後半は緩やかでしたが
それでも次週予告では「給料前借り」と言う不穏な言葉を聞かされ
あぁ、これはまた心の準備をして観なければ…と
思った次第ですw
今日は短めの所感となりましたw
最後まで読んでいただき、ありがとうございました✨