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結城うららに共感する発見

家政婦のミタを改めて観ています。
こんなご時世なので本来は
辛くなくて知名度が低い作品」を選びたいのですが贅沢は言えないので
辛いけど好きで知名度が悪い意味で高い作品」を観ています。

結城うらら。
家政婦のミタをご存知の方はまず確実に

「身内に居て欲しくない。」

と思われるキャラクターの筆頭です。
そんな結城うららを熱演された相武紗季さんに感謝しております。

結城うららは姉の影響を受けている。
俯瞰して姉の「不幸」と「不運」を理解しているけれど父が時代錯誤(放送当時も)な教師だったからか考え方の古さの板挟みで知らず知らずの内に相手を困らせるという生き方をしている。
父の事を嫌いじゃないよと言って一緒に住んでいたり、終盤に姉みたいにはなりたくないとは思っているらしいのですが結城うららは「悩む」という発想がない。
表に出さないタイプなら陰を隠せないかもしれないのですが、結城うららは今で言う「闇が深い」タイプになってしまう。

自己理解が無いのだ。
はっきり言えば痛々しい。

そんな結城うららに共感することなんてないだろうと私は思っていた。
「あいつはしょうがない」と周りから意図せず思われることに対して悩まないというのは改善の余地がない。

だからこそ結城うららの本音は貴重だったのだ。
いくら何でも全く悩まないなんてことは無いはずだが止めてくれる友人が出てこないうえに父も父なので暴走しがち。
三田灯さんとうららの関係は
光と影が一つになっているから意識する必要がない」という大人の関係だからだ。

「三田さんはうららちゃんみたいな人だったのではないか?」

という阿須田家の子供達だが最初は自分は否定していた。
何故なら三田灯さんが似ていたのは結城うららの姉の方だった。
審美眼は三田灯さんの方が優秀だけれども。

ただ「誰かを愛したかった」という点で思う通りにいかなかったのが三田灯さんと結城うららだ。
そして周りを巻き込んででも自分自身を破滅に追い込みたいというのも三田灯さんと結城うららの共通項だ。

積み重ねた幸せを奪われた絶望による破壊」を望んでいたのが三田灯さん。

最初から幸せを知らなくて目的にもなく、見たくも無い不幸を押し付けられたことによる他者への反動が顕著」なのが結城うらら。

詳しいことはあまりこの二人については掘り下げられることは無かったのですが結城うららについては他人事ではなかった。
三田灯さんは最初から母親や誰かから愛されたくて、そして誰かを愛そうとずっと努力をしていたから不運に巻き込まれた時に自分の事のように私も涙を流していた。
今でもそう。

しかし結城うららに関してもそういう事を思うようになった。
好きで生まれたわけじゃないし、何も好きになれない。
ことによる欠落が非常に悲しい。

結城うららは悩まないわけじゃない。
悩めないのだ。
発想がないから苦しいのだ。
そんな自分ではどうにも出来ない部分と結城うららは戦っていたのかもしれないし、従わざるを得なかったのかもしれない。

結城うららはうざい。
確実に自分は関わりたいとは思わない。
けれど結城うららは何も悪くなかった。
選べない環境で適応していたのに悪い意味でそっとされていることがあまりにも悲しい。

誰しも生きていれば知らず知らずの内に道が変わってしまったことを経験しているかもしれません。
阿須田家の子供達は三田灯さんと結城うららの明確な共通点を言葉には出来なかったのですが理解はしていた。

私はその仮説に辿り着くまでに随分と時間がかかっていましたね。
だからこそ希衣に家族としてうららも認められ、石を貰ったのだ。
結城うららがあの石を捨てようとまでしてしまったのは彼女も家族や愛の概念が無かったから。

だんだん結城うららのような主人公が男女種族問わず現れる事がありますが報われた選択肢があった話はそれほど多くはない気がします。

そんな結城うららも何処かのタイミングで欠落した自分を追い求める辛さを知る事があるのでしょうか?
結城うららを見ているとああも誰かを巻きこんでいて本人自身も幸せとは思っていないことから、少しでも自分を客観視出来たら逆に熱くなって頼られるかも知れない。

と思ってはいましたがそれはただの自分の妄想。
阿須田希衣は一話からの過程でそんな結城うららも結城うららと認めていた。
他者評価というのはそれでいいのではないかとも思う。

誰にも打ち明けられない負の側面を抱えて生きる結城うららと三田灯さんを自分は大事にしたいと思っているからかも知れないので。

そんな発見が出来るようになりましたという感想です。

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