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ウシガエルに負けたこと

※個人の感想です。
別に外来種がどうとかなんだとかそういう真剣な話ではなく、別の話です。
動植物達に対しては個人の話ですが安心しております。
だからといって人間が嫌いとかでも全く御座いません。
言葉足らず失礼します。
それでも、なんらかでご不快になられましたら戻るかブラウザバックか、そのブラウジングを閉じて頂けると幸いです。


  逃げ場はなく、ウシガエル達は生きていく。
  いや、歴史を省みればわかることでした。

  私は今の一度もウシガエルを食べるどころか触ることも一切していない。

  眺められる場所でウシガエルの幼体を8メートル  ぐらい離れて眺めていたら

「ギャッ!」

  と睨まれて排泄された後に池へダイブした姿を見て以来、もう関わるのをよそうと決めたくらいには。

  側から見れば興味深いことや、面白く感じることって数多くの人生であるかもしれません。

  多様性といいつつウシガエルに関しては、サバイバー達が法律に四苦八苦しながらまるで討伐すべき存在のように何十年と言われ続けている。

  しかしウシガエルは傷つくことなく生息範囲を広げている。
  日本に定着してこれだけの年数が経っているのに、轢かれたウシガエルを見かけるとそのスケールにいつも怯えている。

  一時期はウシガエルの動画にハマっていたものの、だんだん程のいい数字稼ぎの食糧としか見られていないことを全世界で確認した瞬間、私の中で諦めがついた。
  もう見ていない。

  これが現実と。
  だから触らず、関わらず、食べることもせず、せ めてここまで私を恐れさせ、そしてきっかけを与えてくれたウシガエルを大切にしようと考えた。

  トカゲやカメやカエルを触るのは苦手ですが好きな生き物で、ソーシャルディスタンスを意識した関係で今まで生きてきた。

  ウシガエルの生息範囲なのに鳴き声がしないと油断する。

  上記のウシガエル生息地はだいぶ離れた場所である。
  といっても一人間の尺度でしかこのようにあてにならない。

「ヴォォ。」

  そして鳴き声が迫ってくる。
  ウシガエルは賢い。

  決してかつての特撮にいた怪人のように飛びかかりなんてしない。

  ひたすら撤退を繰り返し、同胞を見つけ、時に共食いをしながらその場の弱い生き物を産まれ植えつけられてしまった貪食の本能のままくらい続ける。

  生きるために。

  私はそんなウシガエルの逞しさに何年もため息をついた。

  現実を生き続けた存在の成れの果てに見えて仕方なく、人間もその一部でしかないことに。

  外来種がどうとか、保護的な話とかそういうことではなく…。

  私はディスタンスを保って共存するしかない現実を受け入れている。

  決して向こうは驕ることなく生存の為に撤退する。

  しかしそれも完全じゃない。
  撤退した先で食糧にされたかもしれない。
  あれだけ可食部が少ないウシガエルがアメリカザリガニよりもマシみたいに思われるのも人間の驕りだ。
  他の場所でウシガエルをどう減らすかばかり話が盛り上がって

「だからこんなところでしか目立てないんだ。」

  と苦笑いしながらその場を去った。
  人間が嫌いなわけではなくて、進歩がないタイプを見ていると引いてしまうから撤退しただけ。

  好きでこの世に産まれたわけじゃない共通点をウシガエルに見出してからは私もウシガエルのようにウシガエルからできるだけ撤退するのだ。

  アメリカザリガニやカマキリが道で威嚇したらなるべく逃げるだけ。

  それは在来種というか全ての生き物に適用している。

  それでもこうして何も変わることなく生きていける。

  それなのに人間は攻撃的な方をいつもポジティブに捉えている。

  本当に醜いよ。
  お互いに。

  だからASMRでカエルの鳴き声を楽しむくらいにしている。

ウシガエルのなく頃に。

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