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なぜ日本だけ成長できないのか@森永卓郎

森永さんはよくテレビにでられてますね。
そして100兆円国民に配ればいい!と言ってます。
そんな森永さんの本を紹介します。

膵臓癌、、、よくなって欲しいですね。


日本の実態

日本の低成長は労働人口が減ったからだと言われます。
しかし実態は違うようです。

数字は左が1995年 右が2016年です。

人口     1億2557万人 ⇨ 1億2693万人(+1%)
就業者数     6414万人 ⇨    6465万人(+0.1%)
GDPシェア     17.5% ⇨     6.5%

そう人口、労働者とも2016年の方が多いのである。
なので労働人口が減っていたといのは思い込みである。
※労働人口年齢はかなり高いのだろうが
そしてGDPシェアは1/3になってしまった。
普通に成長していたら3倍豊かであったと森永さんは言います。

インフレギャップの登場

ここは本に関係ない部分です。
2016年の労働人口が1995年より多かった。
という森永さんの指摘を受け、気付いた部分です。

余談ですが、そんな中で昨今、新卒も売り手市場とのこと。
人口減によるインフレギャップが本格的に出てきそうです。
詳しくは日興アセットマネジメントさんの記事を

そろそろ日本社会の転換点かもしれません。

日本経済の空洞化

森永さんは3段階で日本経済が空洞化したと言います。

第1段階がプラザ合意
第2段階が外資の進出
第3段階が小泉内閣の規制緩和
としています。

プラザ合意

これは皆様ご存知と思います。
固定相場(1ドル=240円)だったあ日本とアメリカの為替が変動相場になった歴史的事象です。

森永さんは国の競争力の9割は為替が決める。と言います。
安ければ競争力が高まります。

プラザ合意からわずか2年で為替は半分の1ドル=120円となりました。
これにより日本は輸出で苦戦し、不況となりました。

そのため日本企業は海外へ進出し、安い労働力を求めました。
利益が為替で半分になる中での企業努力でした。

外資の進出

日本は1990年にバブルが崩壊した。
そこで大量の不良債権が発生した。

日本型金融システムをアメリカに壊されたからだと森永さんは言います。
長くなるので簡単に書きます。
日本は国土が狭く、産地割合が多いため土地に高値がつく。
その土地を担保にして銀行は融資をし、地価が上昇すると更に融資をするというシステムを構築していた。
このシステムにより日本の銀行は低金利で融資を行なっていた。

但し、このシステムの弱点は不動産価格が大きく下がると途端に機能しなくなる。

そしてバブル崩壊でその弱点が露呈した。
実際商業地の地価の価格指数(商業地)は
1991年195.5 ⇨ 2005年 60.6
となり70%OFFのバーゲンセールとなった。

これを買ったのはアメリカのハゲタカファンドだ。

ハゲタカファンドは、企業や金融機関が経営危機に陥ったり、負債が膨らんだ企業の株式や債権を低価格で買い取り、再生や再構築を図って高値で売却することを目指す投資ファンドの一種です。ハゲタカは、動物のハゲタカ(鳥の一種)が死んだ動物の死骸を食べる姿勢になぞらえられ、困難な状況にある企業やプロジェクトに投資する姿勢を指しています。

これらのファンドは、通常、負債の圧倒的な増加や経営の不振などで苦境に立たされた企業やプロジェクトに注目し、その買収を通じて再建や効率改善を試みます。その結果、買収価格が低い段階で資産を手に入れ、経営改革や再編を行い、成功すれば高い利益を上げることが期待されます。

ハゲタカファンドはしばしば議論の的となり、一部では経済的なリスクや労働条件の改悪といった懸念があります。一方で、企業の再生や効率化を通じて経済的な効果をもたらす場合もあります。

ChatGPT

森永さん曰くこの不良債権処理は必要なかったのだが、日本政府主導で傷の浅いうちに処理をするようにとして断行された。
戦後に日本が築き上げてきた企業資産を二束三文でハゲタカファンドに売り渡した。と言っています。

小泉内閣の規制緩和

ハゲタカファンドにより生命保険会社が買収された。
また日本長期信用銀行、ダイエー、ミサワホームなどが外資の手に落ちた。

その次は銀行だ。
UFJ銀行、東京スター銀行などだ

小泉政権時は9.11テロがありアメリカのリスクマネーが行き先を探していたところだ。
そこを日本の不良債権が狙われた形となった。

アベノミクスの是非

従業員給与や設備投資に利益を回さず、ひたすらキャッシュを溜め込む
これがアベノミクスの実態だ。
と森永さんは述べます。

アベノミクの5年間(2013〜2018)で
売上高が10.7%増 経常利益が38.8%増となったが
従業員給与が2.5%しか増えていないのである。

またこの5年間で実質GDPは累積で7%増であった。
なので経済のパイは大きくなっている。
しかし実質賃金は累積で4%下がっている。

これは日本企業の役員報酬の体系が変わったからだという。
以前は2〜3000万円程度の固定給だったものが、業績連動型となった。
そのため、設備投資せず、給与も上げずキャッシュを残していれば業績が良くなったとなり、株価も上がり、役員報酬として数億円稼げるようになったようだ。
そしえ大量の株を保有する富裕層株主も資産を大きく増やしている。

庶民の所得が減る中で富裕層は資産を増やし、格差は拡大している。

日本のGDPシェアは6%だが、100万ドル以上の投資可能財産を持つ日本人はなんと17%に及んでいる。

日本円は世界一安全な通貨

森永さんは日本円は世界一安全な通貨だと言う。
世界一安全だからこそ100兆円配ればいいと言っているのであろうが。

低金利

日本国債の金利はほぼ0.1%である。
国債の金利は低い方が安全で、信用できない相手から高い金利を取るのが金融の世界の大原則である。
その大原則に則れば安全なのは間違いない。

債務はない

財務省作成の「国の財務書類」に債務は1400兆円と書かれているらしい。
そしてバランスシートには960兆円の世界最大の資産が明記されている。

財務省が資産をカウントしていない理由として「売れない資産」だからとしているそうだ。
しかし、実際100兆円のアメリカ国債という世界一の流動性を持った商品を持っている。

純債務は450兆円であり、債務GDP比は83%でありごく普通の水準である。

通貨発行益

日本の国債は大半が日銀が所有している。(これを通貨発行益と呼ぶ)
よって、日銀所有分は利払いや返済が不要。
そしてその通貨発行益は450兆円となり、純債務は消える。

つまり日本は無借金経営なのだ。


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