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神山まるごと高専を訪ねる

皆さん、「高専」という組織をご存知でしょうか。
高校という範疇に近いのかなとも思います。
中学生から高専に進学する割合は1%だそうです。
一応、私もその1%です。少数派が好きです。笑

高専(こうせん)は、高等専門学校の略称で、日本の高等教育機関の一つです。以下に、高専に関する基本的な情報を示します。

1. **教育内容**:
- 高専は、工学や情報技術を中心とした実践的な教育を提供しています。
- 学科によって専門的なカリキュラムが設けられており、一般教養科目も含まれています。
- 実習や実験、プロジェクト活動などを通じて、実践的な技術や知識を身につけることができます。

2. **学校制度**:
- 高専は、5年制の専門学校です。一般的に、高専に進学するためには高校を卒業した後、一般入試や推薦入試などの受験を経て入学します。
- 卒業後は、工学系や情報技術系の技術者としての職業に就くことや、大学への進学が選択肢としてあります。

3. **カリキュラム**:
- カリキュラムは専門的な科目が中心で、基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。
- 研究室やクラブ活動を通じて、自分の興味や特技に合わせた活動を行うことができます。

4. **就職・進学**:
- 高専を卒業した学生は、技術系企業や研究機関、官公庁などでの就職が一般的です。
- 大学への進学を希望する学生もいます。高専卒業後に大学への編入試験を受験することも可能です。

5. **施設・設備**:
- 高専には実習室や研究室、図書館、コンピュータ室などの設備が整っています。
- 実践的な学習環境を提供するため、工場や実験装置などの施設も充実しています。

日本の高専は、実践的な技術教育を提供することで、産業界や社会に貢献する人材の育成を目指しています。

ChatGPT

昨日、2023年に日本の高専として20年ぶりに開校した徳島県神山町の「神山まるごと高専」にお邪魔しました。
私は開校に携わった山口周さんのファンであり、その影響で知っていましたし、高専卒業生ということでも興味ありました。

神山町は人口4800人。徳島市から訪れるにも1時間程度掛かります。
限界集落予備軍と言ったところでしょうか。

神山町自体も「神の山」と書きますし、神領・鬼籠野(おろの)と言ったおもしろい地名があったり、元阿波国一ノ宮だったと言われる上一宮大粟神社があったりします。また、天岩戸伝説の場所もあったりしてなかなかおもしろそうな場所ですが、今日は触れません。


訪問

藍の館で『藍』の勉強後、神山まるごと高専へ
入ってすぐに図書ルーム。いや、ステキすぎやん。

元々中学校だった校舎を借りてるらしいです。天井抜いてオシャレな感じに。

食堂にハンモック

テーブルは地元神山の木材を使用

3Dプリンタありました

寮の部屋。1年生は2人部屋らしい。(今は1年生しかいない)

寮の共用スペース

講義室はこんな感じ(もちろん、テーブルのある部屋がほとんどです)

理念

神山まるごと高専の理念ですが、『まだ無い価値を生む起業家を育てる』でした。
言わば、ソーシャルイノベーターとして社会課題をみんなごとにする!人を育てるといったところでしょうか。

私がしたいことが『価値の付与や価値の無いものに価値を与える』なのでほぼ同じです!いやー、中学時代に辿りつきたかった世界観。

そして求める人間像は正解の無い問いに向き合うことができ、自分の答えを導き出せる人らしいです。
同義として「ニーズを捉え、問題の発見、社会 問題を解決できる人」という話もありました。
 
そして社会問題も「モノを作ることでコトを起こす!」ことで解決を目指します。

その『モノを作る』ことは、「テクノロジー×デザイン」という言語化がされてます。
さらにそこ(モノを作る)に社会性を身につけることで『コトを起こす』に昇華します。

方針

〇教師(学生にはスタッフと呼ばせる)は管理しない

寮のルールや学校のルールは学生だけで決めます。スタッフはあくまで問題が起きた時に助言をするだけだそう。
以前NHKで見た時はルールが無さすぎて揉める中でルールを作るところをやってましたが、今日行った感じいい感じで進んでいる感じに見えました。

〇部活
部活もルールと同じで、必要だったら作ればいいというスタンスです。

今あるのは農業だけだそう。
とはいうものの中学生向けのプログラミング講座をしている学生(全員1年生)が居たりしています。

〇講義→プロジェクト

講義は15時半まで。そこからはプロジェクトの時間らしいです。やらなくてもいいですが、みんなやっているからやらざるを得なくなるようです。

何をやるか自分で考える。自分でコンテストを見つけてくる子がいたり、協力する人etc…

○卒業時の起業率40%
学校の方針の最も凄いところは15歳から5年間学んで20歳での起業を推奨しているところです。
まぁ実際、部活動的に中学生等にプログラミングを教えてている学生もいるようですし、実際それに近い数字は出てきそうな気はします。

〇授業料
200万円だそうです。しかし、実質無料です。
そこのカラクリをざっくり説明すると最初に10億円を11企業から調達し、その110億円を資産運用する事で学生の授業料にあてているそうてす。
但し、留年したら自腹です。

〇資金調達
企業向けふるさと納税で2600億円、クラウドファンディングで6000万円集めたらしいです。

あとは前述の10億円を11企業から集めてます。

〇受験
基本的に普通の高校受験とは違います。今まで作ってきたものの説明だったり、実践でのものづくりをするそうです。
特に二期目となる今回は数学とものづくりの比重を高めたようです。(1期制の動向を見て数学苦手な学生は辛いとなったそう)

特にものづくりは、コミュニケーションだったり、他の人の意見を否定しないだったり、純粋な学力だけではなく、人間力を見るそうです。

〇大事なこと

講義内容は学んだことを活かして、実践に活かす。

〇やりたいことを口にする

口に出せば、誰かしらの知識をいかせて実行できる可能性があるという環境がある。

ここは、自分のやりたいことを知ってくれている人がゆるく100人くらいが繋がっている環境が理想的とする「相談する力」の山中氏と同じ感覚ですね。

〇神山町も徳島県も反対だった
やはり田舎の抵抗というか、最初は町も県も反対していたそうです。しかし、神山町の方は実際に学生に触れてからは態度は軟化したそう。

○全寮制・食事
学生は全寮制です。食事は3食出ます。
食事すごいです。
50%以上神山の食材を、80%以上徳島県の食材を使った地産地消の食事となっています。

これだけクウォリティの高い食事を提供していると高価になります。
年間100万円です。しかし、こちらも最初に集めた110億円の運用益で賄ってくれるそうで、実質無料です。

学生さんに不満を訊いたら、最寄りのコンビニまで徒歩30分掛かることと言っていました。それだけ中身は充実しているのでしょう。
ちなみに湯船はなく、シャワーのみです。
昨日担当してくれた先生の不満はそこでした笑

ロボコン学生

ロボコン部もあったわけではないそうですが、講演会を聞いたあとに有志で13人集まったそうです。4月初旬のハワイの大会に出るそうです。

そしてその13人には役割があります。当然作る人が要りますよね。そこは当たり前。びっくりしたのは、会計担当がいるところ。

ハワイへの渡航費やロボットの運送費、滞在費を自分たちで計算、そしてその必要な額を割り出して、そのためのスポンサーを探す。

今回は500万円必要だったそうですが、700万円の調達に成功しました。富士通さんが企業として100万円+社員の有志が追加で出してくれて1番多く提供してくれたと言ってました。

ハワイの大会で勝ち残ると決勝大会がヒューストンであるらしいのでヒューストンへ行く渡航費の計算やスポンサー探しも必要になります。

単に勉強するだけでなく、日々実践。
凄いですね。

ちなみに学生は基本春休みで帰ってました。ですが、ロボコンチームは最後の調整・改良で残ってました。(完成度90%らしいです)

著名人の公演⇨私たちが講師に

週に1回程度著名人が来て講演されているようです。
それだけでもめちゃくちゃ羨ましいですね。

前述のようにロボコンをやりたいとなったのも著名人の講演だったようです。

しかし、ここに夢があります
私は昨日質問しました。
私「カリキュラムの4年生でインターンシップがありますが、インターンシップで私の町に来てもらって、街の課題解決を手伝ってもらうことは可能でしょうか?」
先生「そこはわざわざインターンシップという形にしなくても、講義の形で学生に話して貰えばいいと思います。但し、やるかどうかを決めるのは学生です。」

おお、そこも学生。インターンシップで相互にウィンウィン的なやつかと思ってたりしましたが、神山高専は学生の取捨選択の自由が高そうですね。

そして何より、私たち一般民が「好奇心旺盛」な学生たちに講義ができる、社会問題を伝えることができる、触れてもらうことができるというは凄い制度ではないでしょうか。

日本の課題(リスク回避)

日本の課題として「優秀な人ほどリスクを負わない」「卒業した大学で生涯年収が決まる」という話を先生がされてました。
その原因は教育で「リスク」に関して教えないからだ。なので「優秀な人は大企業に入って殻を破れない」とも言っておられました。

神山高専の方針は卒業時の起業家40%を目指すということなので、当然講義でそういった内容も学ぶことができるのだと思います。

そして、私などでも起業となると「お金を作って貯めて、やっとやるもの!」というイメージが染み付いてしまってますが、神山高専の学生さんは日頃からスポンサー集めをしてあり、自分の意思を伝えるという環境にいます。
その辺りの固定観念、マインドはないのは大きいなぁと思います。

まぁ私もこういうやり方がある!というのを知れたので伝えていきたいなとは思いますが、、、


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