![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59752293/rectangle_large_type_2_1db398e3194602dde22b5dc09d9bb5eb.jpeg?width=1200)
地獄でメスがひかる~ひとは美しさのみで愛されても満足しないのか~
泥棒猫です。
私が子供のころ、姉は「りぼん」、私は「なかよし」を買ってもらっていた。
あのころ読んだマンガが、私の性格を形成したと言っても大げさではないと思う。
当時のなかよしは、おはようスパンク、キャンディキャンディ、メイミーエンジェル、フォスティーヌ、あいつがヒーロー、思いっきりピーマン(時系列はバラバラ)と豪華絢爛だ。
もちろん、りぼんも負けていない。樫の木陰でお昼寝すれば、砂の城、ときめきトゥナイト、稲子が行く、ミッキーなど、こちらも全部面白かった。
そんな少女漫画キラキラ路線とは別に、怖いマンガ系もすごく充実していたのだった。夏になるとよく掲載されていた気がする。
そんな中でも私は今だに脳裏に焼き付いているのがこれ。
『地獄でメスがひかる』
医療心理サスペンス?なのか?
主人公のひろみは、私生児。父に引き取られてはいるが継母、姉たちにいじめられている。
それだけ聞くとシンデレラ風だけど、ひろみは美しくなかった。さらに先天性側弯症(せむし)で、そのことでさらにひどく疎まれて折檻を受けていたのだった。
もう死のう、と家を出たひろみ。
そんなひろみを、ある男が助けたのだった。
その男は天才医師、巌。
しかし巌は、ある意図をもってひろみを助けたに過ぎなかった。
自分が作り出した美しい肉体(死体つぎはぎ?)に、脳を移植するために、ひろみを助けたのであった!!!!!!衝撃★
美しく生まれ変わったひろみ。
しかし次第にひろみの精神は崩壊し、巌はひろみを愛するように・・・・って小学生のころだったので心の機微まで理解できていなかった。
だけどとにかくいろいろ、怖かった。
まず、タイトルが怖かった。地獄で、メスが、ひかるんだもん。
他にも「血まみれ観音」「化石の島」や「赤い沼」など、高階良子先生のマンガは本当に印象に残っている。いまではポリコレ的に糾弾されそうだけど、あの当時のまま読みたいわ。
結局、美しくなったらなったで、「外見だけでちやほやされる私」にも耐えられなかったということなのか。
その辺りが「カンナさん大成功です」とは真逆だ。
だけど当時の、やたらと斜に構えていた可愛げのない子供だった私は、
「容姿だけじゃなく内面をみて愛してくれないといやだ。なんて、なんちゅう贅沢なやっちゃ。全部丸ごと愛してくれとは、図々しくないか?」
と思っていた。
今も若干、「私の体が目当てなんでしょ?」という内容のセリフを聞くと、「体だけでも目当てにしてもらえてよかったじゃん・・・」と、ミもフタもないことを思ってしまうのであった。
男性だと、「俺の肩書が目当てなんだろ?どうせ」ということかな?
本当の美人、本当のすごい肩書のひとほど、これは言わないんだけどね。
「彼は私の顔が美しいというだけで近づいてきたのだ」とは言わないもんね。
しかし、いきなり拾ってきて手術って・・・・・
医療界に反逆しているからって、破天荒すぎるだろ、巌さん。(医師免許も剥奪されているし・・・)
このほかにも、「なかよし」には美内すずえ先生の傑作『妖貴妃伝』というのもあった。こっちもガクブルになってでも引き込まれて読んだものだ。
こちらはまた別記事で書こうと思います。
いいなと思ったら応援しよう!
![泥棒猫/ing ing ing](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/12571452/profile_7fcccaeed64bea181918b98bdb673253.jpg?width=600&crop=1:1,smart)