月と桜と体温計。そして緊急事態宣言前夜。
泥棒猫です。
仕事終わりに、時間がうまく合ったので彼と桜並木の下を歩くことができた。
肩を並べて10分程度、歩いただけだけど。もう散り始めて、月の光と川に映るビルの光で花びらがキラキラ。とても綺麗だった。
でもね、結局一度もマスクは取ってくれなかった。この次、いつ会えるか分からないのに。残念。顔が見たかったな。
そのことを別々に帰った後、メッセージに書いたら
「ごめん、ちょっと俺が体調悪かったのもあって。マスク外さなかった」
って返事が来た。
「えっ!体調悪いのに無理させて寒い中、歩かせちゃったじゃん!熱は?」
「ちょっと熱っぽい気がする」
「え?大変。いつから?」
「先週末ぐらい」
「熱は何度あるの?」
「熱は、計ってないんだけどね」
「は?なんで????」
と、半ギレの私。
「体温計が見つからなくて。今、買おうにもどこにも売ってないし」
・・・なんですって?
もうマジギレの私。
「体温計なんて私が何個も持ってるのに!いつから具合が悪いの?なんで体温を計らないの?会社にだって体温計はあるでしょう???」
もーーー!なんで今、こんな時に体調悪いのに体温も計らないの?意味不明。
「自分の体をもっと大事にして!いま何かあったらどうするの?この感染拡大が収まって、渡航できるようになったらすぐ行くんでしょう?大事な時じゃないの。お願いだから、熱を計って。ゆっくり休んで。無理しないで。私、怒るよ。怒ってるよ。元気でいて!お願い」
「わかったよ。体温計は、なんとかする。無理はしない。約束する」
って。
そしてさっき
「熱はないよ。36℃。ごめんね、ありがとね」
と、彼からメッセージ。なんとかお家で体温計、見つかったのね。
緊急事態宣言が出たら、全社員に不要不急の外出禁止令を出すと、私の勤め先では幹部の会議で今日言ってたから、多分しばらく会えなくなる。もちろん強制ではないけど、控えないとね。うちの部署は地方だからテレワークはもう少し先になりそうだけど。
お互い、元気でいようね。そして無事に渡航できて、また海外赴任から戻ってきたら絶対、毎年一緒に桜を見ようね。と、彼が言った。その声を忘れないで大切にしたい。
それにしても、体温計は見あたらなかったらすぐ探して欲しいわ。ったくもう!