モダンオープン ベルチャー
2023年3月4日に開催されたプレイヤーズコンベンション横浜モダンオープンに愛用しているベルチャーで参加したので、忘備録及びどこかにいるであろうベルチャー同志たちへの新たな知見になればと思い投稿する。
1.最終順位
8-2 最終順位19位
R1 緑トロン ○×○
R2 カスケードクラッシュ ○○
R3 ヨーグモス ○○
R4 赤白石鍛治 ○○
R5 赤黒想起 ○○
R6 ジャンド ○○
R7 ジャンドサーガ ×○×
R8 ジャンド ××
R9 マーフォーク ×○○
R10 オムナス ×○○
使用デッキ:ベルチャー
一般的なリストと異なるのは以下の通り
■メインボード
・3《五元のプリズム》
・3《はらわた撃ち》
・2《断れない提案》
・1《活性の力》
■サイドボード
・3《呪文貫き》
・3《時を解す者、テフェリー》
・2《敏捷なこそ泥、ラガバン》
■不採用としたカード
《血染めの月》:ベルチャーの妨害枠として採用されていることが多いが、以下の理由により不採用とした。
・3マナと重くこちらを優先すると速度をかなり犠牲にする必要がある
・後引きでは効果が薄まるので初手に必要
・ベルチャーは基本的に《ゴブリンの放火砲》、《小道の再交差》を引くまでマリガンするので、少ない手札でデッキボトムに戻さない程度のバリューが必要
・最速2ターン目に設置のため、先手でも1枚は基本土地を持ってこられてしまう
・環境上位で機能不全に陥いる可能性があるのは緑トロン、レン&オムナス、アミュレット程度であり、他のデッキには意識されていると多少の効果しかない。緑トロンは《大いなる創造者、カーン》が大問題のため解決になっていない。レン&オムナス、アミュレットはそもそも勝てる相手なので過剰サイドボードという判断になった
■1枚採用としたカード
・1《否定の契約》
・1《夏の帷》
・1《激情》
2.ベルチャーの基本戦略
3ターン目に《ゴブリンの放火砲》の設置、または《小道の再交差》を唱えて4ターン目に勝利を目指す。基本的に4キルのデッキであり、3キルになると条件が厳しくなる。
《小道の再交差》の基本的なパイルパターンは先達の方々が記事を残しているので、そちらを参照してほしい。
3.ベルチャーの立ち位置
・カウンターモンキー(微不利)
・独創力(五分)
・カスケードクラッシュ(五分)
・ハンマータイム(微有利)
・リビングエンド(微不利)
・アミュレットタイタン(五分)
・BR想起(微不利)
・マーフォーク(五分)
・レン&オムナス(有利)
・バーン(五分)
・LO(不利)
・ジャンド(不利)
・緑トロン(微不利)
・青トロン(無理、勝てない)
ベルチャーはカウンターに弱いと考える人がいるかと思うが、その考えは正確ではない。正しくはキルターンが早くて妨害が多いデッキに弱いのだ。そのため青白コントロールのようにキルターンが遅い相手には乗り換えることは意外にも簡単だったりする。ベルチャーにおいて当たってはいけないのはLO、ジャンド、青トロンである。特に青トロンは逆立ちしても勝てないので、当たらないことを祈るしかない。
4.モダンオープン各対戦について
※数字はマリガン数を表す(自分-相手)
R1 緑トロン(微不利) ○×○ 後1-0 後2-0 先0-2
1ゲーム目:
1ターン目ウルザ土地セットで衝撃が走った。小道の再交差ルートでの4キルハンドのため、3ターン目に大いなる創造者、カーンが出てくると試合終了になってしまう。相手は順調にウルザランドを揃えて7マナで・・・何も出てこない。そう、7マナ以下のフィニッシャーが不在だったようだ。ウラモグが出てくると裏目になるが小道の再交差で4キルを狙いに行く。4ターン目、出てきたのはワームとぐろエンジンだったためゴブリンの放火砲が火を吹いて勝ち。
in:
2《敏捷なこそ泥、ラガバン》
3《呪文貫き》
1《紅蓮術士の昇天》
out:
1《夏の帳》
2《はらわた撃ち》
1《五元のプリズム》
1《活性の力》
1《一攫千金》
2ゲーム目:
相手は7枚キープ、こちらは全力で3キルハンドを探すが見つからない。仕方なく4キルハンドでキープ。案の定3ターン目に出てくる4マナカーン、こいつどうにかしてくれ(投了)
3ゲーム目:
3キルハンドありがとう、7枚キープで勝ち。
R2 カスケードクラッシュ(五分) ○○ 後1-1 後1-1
1ゲーム目:
置いている土地からカスケードクラッシュであることが判明。3ターン目にカウンターされないことを祈りながらゴブリンの放火砲を素置き。バウンスも引いて無かったようで勝ち。
in:
3《時を解す者、テフェリー》
3《呪文貫き》
1《激情》
out:
2《アイレンクラッグの妙技》
2《はらわた撃ち》
1《活性の力》
1《発熱の儀式》
1《否定の契約》
2ゲーム目:
呪文貫きで衝撃の足音をカウンター、その後3マナテフェリーを着地させて盤面を膠着させることに成功。相手は断片なき工作員をただの2/2として出すことで無理やりテフェリーを落とすことに成功するが後続が無くゴブリンの放火砲が火を吹いて勝ち。強大化が入っており、ライフ計算が難しい相手であった。
R3 ヨーグモス(有利) ○○ 後0-2 後2-2
1ゲーム目:
マナクリ、マナクリ、マナクリと並べて来るが、サーチを引かなかったようで勝ち。
in:
1《激情》
1《紅蓮術士の昇天》
out:
1《否定の契約》
1《活性の力》
2ゲーム目:
マナクリ、マナクリからヨーグモスが3ターン目に着地で相手のハンドが0枚となった。こちらは小道の再交差での4キルハンドなので負けパターンがいくつか想定されたが、ここで激情を引いたのでヨーグモスを除去して勝ち。
R4 赤白石鍛治(五分) ○○ 先0-1 後0-1
1ゲーム目:
小道の再交差での4キルハンドなのでキープ。2ターン目に殴ってきたラガバンははらわた撃ちで除去、石鍛治が出てきてカルドラがサーチされる。意気揚々と小道の再交差で積み込んでエンド。3ターン目にイーオスのレインジャー長が着地・・・当然こちらの奇跡誘発で生贄にしてくる。最悪だ。
たまたまハンドにあったゴブリンの放火砲を着地させることで勝つことが出来たが、要反省。
in:
1《激情》
2《敏捷なこそ泥、ラガバン》
out:
1《否定の契約》
1《夏の帳》
1《断れない提案》
2ゲーム目:
相手のラガバンをはらわた撃ちで除去するが、3ターン目にやはり出てくるイーオスのレインジャー長。ラガバンをサーチするし、あいつおかしくないか?
こちらの3ターン目は五元のプリズム終了。4ターン目にアンタップイン土地合わせて6マナになったため、ゴブリンの放火砲から唱え、イーオスのレインジャーの生贄にスタックして捨て身の儀式を唱えることで合計7マナで勝ち。
※ここからメモが壊れたため先手後手、マリガンの記録が曖昧なので勝敗のみとします
R5 赤黒想起(微不利) ○○
1ゲーム目:
確か先手
悲嘆によるインチキムーブをされなかったので、小道の再交差から勝ち。
in:
1《激情》
3《神聖の力線》
2《敏捷なこそ泥、ラガバン》
out:
1《否定の契約》
1《夏の帳》
1《断れない提案》
2《一攫千金》
1《活性の力》
2ゲーム目:
相手は7枚キープ、こちらは神聖の力戦を1マリで見つけたためキープ。これで安心かと思っていたら激情ルートを取られたため負けそうになる。しかし、駆けつけてくれた激情のおかげで除去することに成功して勝ち。
R6 ジャンド(不利) ○○
1ゲーム目:
確か後手
思考囲いをされ、ゴブリンの放火砲を落とされるも、小道の再交差から勝ち。
in:
3《神聖の力線》
1《紅蓮術士の昇天》
2《敏捷なこそ泥、ラガバン》
out:
1《否定の契約》
1《夏の帳》
1《断れない提案》
2《はらわた撃ち》
1《一攫千金》
2ゲーム目:
7枚ハンドで来てくれた神聖の力戦のおかげで小道の再交差から勝ち。
R7 ジャンドサーガ(不利) ×○×
1ゲーム目:
確か先手
土地が棘平原の危険1枚だったが、一攫千金、五元のプリズムがあり、土地を引かなくても4キルが出来るハンドだったのでキープ。たが飛んでくる耐え抜くもの、母性樹。いや、何を耐えているんだ?耐えているのはこちらなんだが?(投了)
in:
3《神聖の力線》
1《紅蓮術士の昇天》
2《活性の力》
out:
1《否定の契約》
1《夏の帳》
1《断れない提案》
2《はらわた撃ち》
1《一攫千金》
2ゲーム目:
1マリで引き込んだ神聖の力戦のおかげで勝ち。
3ゲーム目:
相手2マリ、こちら神聖の力戦は無いが強いハンドだったので7枚キープ。1ターン目のドラゴン怒りの媒介者ははらわた撃ちで除去するも、次ターンで思考囲いから小道の再交差が捨てられてしまう。相手も後続がいないようだがこちらは土地2枚と五元のプリズム×2枚、宝物1つでマナだけ大量になる。開門修復を引いたので4ドローしてセットランドするも、母性樹2枚が突然飛んできて赤マナを全て破壊してくる。焦って赤マナを確保するもレン6が出てきて無限ランデス編に突入。10枚ぐらい土地が破壊されたところで捲り目がなくなったので投了。要反省、どうやらジャンド相手には急いではいけないようである。単純に練度不足での負け。
R8 ジャンド(不利) ××
1ゲーム目:
確か後手
3ターン目にゴブリンの放火砲を素置きして否定の契約構えにまで持ち込むことに成功。しかし、コジレックの審問からコジレックの命令で全てを失う。
in:
3《神聖の力線》
1《紅蓮術士の昇天》
2《敏捷なこそ泥、ラガバン》
out:
1《否定の契約》
1《夏の帳》
1《断れない提案》
2《はらわた撃ち》
1《一攫千金》
2ゲーム目:
神聖の力戦はないが強いハンドなので7枚キープ。ハンデスの1枚、2枚程度なら乗り越えてやるぞと意気込む。3ターン目に飛んでくる屍呆症、ゴブリンの放火砲はゾンビに変換され、相変わらず出てくるレン6に虐められて投了。たぶん合計して20回は母性樹されてる気がする。これは全参加者で最多ではないだろうか?
R9 マーフォーク(五分) ×○○
1ゲーム目:
確か後手
土地が2枚だけだが、ゴブリンの放火砲、小道の再交差×2枚と強かったのでキープ。もちろん土地もマナ加速も最後まで引かなかったので投了。
in:
3《時を解す者、テフェリー》
1《激情》
out:
2《アイレンクラッグの妙技》
1《発熱の儀式》
1《一攫千金》
2ゲーム目:
1枚目の小道の再交差はヴォーデイリアの呪詛抑えで他のマーフォーク生贄でカウンターされるが、はらわた撃ちで呪詛抑えも除去して、後続のゴブリンの放火砲で勝ち。
3ゲーム目:
1マナマーフォーク、虚空の杯x1、海と空のシヴィエルンと展開。こちらの一攫千金が腐ったため、ゴブリンの放火砲を素置きして通ったのでシヴィエルンは激情で除去。バウンスも引かれなかったので勝ち。
R10 レン&オムナス(有利) ×○○
1ゲーム目:
確か先手
土地とマナ加速に不安があるがキープ、そして飛んでくる母性樹とレン6。今日の母性樹を打たれたNo1の座を確定させて投了。
in:
3《呪文貫き》
3《時を解す者、テフェリー》
1《激情》
out:
1《アイレンクラッグの妙技》
1《発熱の儀式》
3《はらわた撃ち》
1《魂の再鍛》
1《活性の力》
2ゲーム目:
3ターン目に小道の再交差が通るものの母性樹が飛んで来てマナ計算が微妙に狂うが、パイルはそれも許容範囲内だったので夏の帷からアイレンクラッグの妙技、ゴブリンの放火砲で勝ち。
3ゲーム目:
3マナテフェリーを通そうとするが呪文貫きでカウンターされる。その後、捨て身の儀式2枚とアイレンクラッグの妙技、ゴブリンの放火砲のハンドだったので連繋の捨て身の儀式で呪文貫きを吐き出させて次のターンにアイレンクラッグの妙技からゴブリンの放火砲で勝ち。
5.小テク
《ヴァラクートの覚醒》と《魂の再鍛》
カウンターされる可能性がある相手の場合は、《魂の再鍛》ではなく《ヴァラクートの覚醒》を優先したい。
《小道の再交差》が通るということはカウンターが無いので、7枚ドローさせてあげる必要もない。
《小道の再交差》と《ゴブリンの放火砲》
基本的には《小道の再交差》を優先して唱える。キルターンは変わらないし、《小道の再交差》で積み込み出来ればだいたいのパターンに対応が可能になるため。
本当に《魂の再鍛》ルートが必要なのか?
カウンターされる可能性がある相手の場合は、《ゴブリンの放火砲》を連続で積み込むルートでは駄目なのか検討すること。ただし、コンボが相手の場合はいつ始動となるのか注意すること。場合によっては割り切りで《魂の再鍛》ルートを取る必要がある。
《敏捷なこそ泥、ラガバン》を意識した積み込みにすること
《魂の再鍛》の次に《ゴブリンの放火砲》を積み込むことでトップ追放されても《ゴブリンの放火砲》が着地出来るといった順番にすることで勝ちを拾える可能性を高める。
素置き《ゴブリンの放火砲》が効果的な相手を把握すること
特にメインボードでの勝率に大きく影響する。素置きされた《ゴブリンの放火砲》への対処札が何枚入っているのかを知っておくことが重要。
例えばレン&オムナスであれば素置きには対処札が大量にあるので、1ターン遅らせて7マナ用意してから《ゴブリンの放火砲》を唱えるといった判断基準になる。
何ターン生き残れるのか計算して積み込みをすること
例えば2ターン生き残れるのであれば、デッキトップは《ゴブリンの放火砲》、その次を《魂の再鍛》ルートとすることで相手に要求するカウンター枚数を高めることが出来る。
《耐え抜くもの、母聖樹》を意識した積み込みにすること
《火+氷》でも同様のことが言えるが1マナを削られることがあるため、それを意識した積み込みにすることで勝率は高まる。
《歪める嘆き》に注意すること
緑トロンからはこのカウンターが飛んで来るので、積み込みに《否定の契約》を入れること。
ハンマータイムには《活性の力》ルートで勝てる
《魂の再鍛》ルートではなく《活性の力》をデッキトップに2~3枚積み込むことでほとんどの負けパターンを潰すことが可能。《カルドラの完成体》は弱点なのでそこだけ注意すること。
※カウンターが飛んで来る可能性がある場合はこちらのルートを取ること
《夏の帳》はハンデス対策にならないことが多い
緑マナのアンタップイン土地が4枚しかないベルチャーにおいて、先手でも2ターン目からしか《夏の帳》を構えることが出来ない。だいたいは1ターン目に抜かれてしまう。
《神聖の力線》はハンデス4枚以下では入れない
ヨーグモス相手だと型にもよるがハンデスが《思考囲い》だけといったこともある。その場合《神聖の力線》は上手いこと引けない限りは邪魔にしかならないのでサイドインしない。
《ゴブリンの放火砲》、《小道の再交差》を引き込むまでマリガンするベルチャーでは《神聖の力線》だけでキープできないため。
バーン相手には初手をいつもより吟味すること
ベルチャーは土地をアンタップインするには3点ライフを失ってしまうため、予想以上にライフに余裕が無いデッキである。そのため対バーンでは後手4キルハンドだと間に合わないこともよくある。
アグロ相手に共通することだが、妥協した6枚よりも最高の5枚を目指すことを忘れないようにすること。
6.《小道の再交差》のパイルパターンについて
メインボードは基本的に3種類で状況によって少し変更を加える。
サイドボード後は相手のデッキによって6種類のパイルパターンを用意している・・・が、こんなことを知りたいのはベルチャー使いだけなのでここでは記載を割愛する。
ベルチャーをこれから使いたい、ベルチャー使いだ!という人がいればメッセージを頂ければ懇切丁寧に教えます。
と、偉そうに言いましたが、私のパイルも最適ではない可能性は十分に考えられます。出来れば他モダンベルチャー使いのパイル理論を私も知りたいよ…
7.最後に
モダンオープン当日、他のベルチャー使いも4~5人程度は参加しているはずだと勝手に想像していました。Meleeはデッキ分析するにはかなり便利で全参加者の使用デッキも知ることが出来ます。
まぁ、流れ的にわかると思うけど、ベルチャー使いは私1人だけだったようです。おかしい・・・モダンベルチャー使いの噂は時々聞くから他にもいるはずなのに。
「なんでベルチャーと当たるんだ」という対戦相手の呟きが至福の時なので、そういうのが好みの人はベルチャーに適正ありです。今すぐ両面土地を集めてLet's モダンベルチャー!
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