読書や勉強にiPadよりBoox Note Air3Cが良いと思う理由
最近 Boox の Note Air3 Cというタブレットを買いました。E Ink(電子インク)という技術を使ったかなり変わり種です。
Booxとは
E Inkテクノロジーを活用したタブレットやデバイスを設計、開発、製造、販売する中国系の企業です。
E Inkとは
電子ペーパー技術の一種です。紙のような見た目と低消費電力が特徴で、電子書籍リーダーなどでよく使われておりKindleはその代表と思われます。
紙にインクを載せるような感覚で、微小なカプセルに入った黒と白の粒子を使って表示を行います。
Note Air3 Cを買った理由
読書用に大きなタブレットが欲しいなら、iPadでいいのでは?と思う人が大半かと思います。私もその一人です。Androidがいいなら Galaxyもタブレットがある。もっと安くしたいなら中国で作られた10,000 - 20,000 の安価なタブレットも溢れています。
しかし特定の用途や好みにおいては、Booxは最も適していると感じます。iPadやGalaxyではなくNote Air3 Cを買った理由を以下に記載していきます。
1. 目が疲れない
購入の大きな動機です。液晶ディスプレイに写った文字を朝から晩まで見続けることは目にかなりの負担を強いることになります。私は目が疲れてくると瞼がピクピクして集中できなくなります。
Note Air3 CはE Inkという技術を使っている特性上、画面が発光していません。本を読んでいるのと同じ程度に、あるいは本と違って自分の好みのサイズに文字サイズを変えたりズームできるので、それ以上に目の負担が少ないこともあります。
2. カラー対応
E Inkタブレットの弱点は白黒であることでした。コンテンツは色がある前提で作られることのほうが多いため、白黒では非常に見にくいサイトが多いです。
しかし昨今Booxが発表するE Inkタブレットはカラーに対応してきています。まだまだ色が淡かったりと問題はありますが、「色がある」と無理なく認知することができます。
3. 紙に近い書き心地の充電不要なペン
私は思考の整理にはキーボードでメモをとるより手書きで自由に描くほうが効率的だと感じます。また0秒思考という思考整理術が好きでよく使っています(ざっくり言えばA4用紙に今考えていることを1枚1分で書き殴るというもの)。
しかし同時に紙が大嫌いで、A4用紙のためのスペースを自宅や職場に確保するということは私にとって大きなノイズでした(*著者はデジタルノートではなくA4用紙の利用を推奨しています)。
そこで多くの人が取る手段として iPad + Apple Pencil + ノートアプリでしょう。しかし、この組み合わせはペン先が非常に滑り不快であることと、充電が必要であることが問題で私にとってノイズでした。ペーパーライクフィルムを貼ったりペン先にシリコンをつけたりと対策をとってみましたが、どちらも満足のいくものではありませんでした。
Note Air3 Cで採用しているペンは充電が不要なEMSペンを採用しています。またNote Air3 Cは純正でペーパーライクフィルムを貼り付けてあります。これの出来が非常に良く、書き心地は本当に紙のように感じられます。
私にとってデジタルでありながら極限まで思考のノイズを取り除けるタブレットの1つがNote Air3 Cでした。
4. 不便さが生む無意識のシングルタスク
BooxはE Inkを使っている関係上、なめらかなスクロールや動画再生には非常に不向きです。綺麗でなめらかな演出を作り出す液晶ディスプレイ搭載のスマートフォンやタブレットは、とにかく利用者がストレスなく動作するようにできています。読書をしていても通知が来れば一瞬でそちらを見にいくことができるし、読書中にちょっとでも気になることがあればすぐにアプリを切り替えて異なる作業に移ることができます。
これが非効率を生み出しています。つまり1つのことに集中できにくいように作られています。読書、視聴、ゲーム…何でもいいですが、iPad, Androidタブレットはとにかく気がそれた時に異なる行動に動くハードルが著しく低いために、思考のノイズが多いのです。
通知をオフにしたり、自ら時間で縛りプレイをすることはできます。しかしそれは自ら律することや本来あるべき機能を制限することなので、自然ではありません。Note Aie3 Cはソフトウェア・ハードウェアの制限があるためにそれらを意識せずにできます。読書中に気になることがあっても、タブレットの今表示しているコンテンツを切り替えてまで気になった別のことをしようという動機を奪います。これが1つのことに集中する良いきっかけを生み出しています。
改善を願う点
画面がやや暗い
Kindleなどと比較して、バックライトをつけていない時のディスプレイがまだまだ暗いです。明かりの弱い室内では少し見えにくく感じることもあります。
カラーの描写が甘い
白黒文字は 300ppi ですが、カラーは 150ppiと荒くなります。カラーコンテンツの見にくさがまだあるので、より良くなることを願います。
中国製
中国製品を扱うことのセキュリティリスクについては度々議論になりますが、過去に起きた中国メーカーの事例から私はある一定レベルの情報流出がありうるだろうと危惧しています。中国製品の取り扱うときは「公開・奪われると自分の生活が脅かされる機密情報は扱わない」としています。
中国製品のセキュリティリスクについては企業努力がどうとかではなく、中国という国によるものだという認識です。
終わりに
Note Air3 Cタブレットは、発展途上の技術であるE Inkを用いているためにまだまだ改善の余地はあります。しかしBooxはAndroidスマートフォン、iPadの両方を使う私からしてもNote Air3 Cは「普通に」使えるレベルになってきたタブレットです。
動画や音声を媒体とするコンテンツが増えてきた昨今でも、やはり活字にしかない魅力や、活字のみが生み出す深い洞察があります。それらの活字と長く付き合い、より生活を豊かにするために Note Air3 Cはおすすめできます。