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野犬を飼う #その3
保護犬を飼うのも、元野犬の子を譲ってもらうのも初めてで、 彼が我が家に来た当初は、
これは本当に犬だろうか?
野生のキツネを連れてきてしまったのでは?
と正直、不安でいっぱいだった。
でも、それが1年、2年と年を重ねるごとに、
体つきや毛質、目の表情が変わってきて、感情を少しずつ表すように。 イビキや寝言を言うようになったり、時には甘えてみたり、わがままを言ってみたり、普通の犬だったら当たり前のことでも、元野犬の彼には大きな1歩。日々のちょっとした変化が心から嬉しい。
この楽しさは、今まで子犬から飼ったペットとしての犬では味わえない種類のもので、恋愛でたとえるならば、一目惚れではないけれど、後からじわじわ好きになる感じ。
そして最近、夢であった「呼び戻し」が出来るように!
それは一定区間、リードを離して待たせ、来いの合図で戻ってくるようにするもので、これが出来るようになると、いざ逃げ出した時も、パニックが治まれば戻ってくることができるので安心だ。 リードを離した時、私の顔をチラチラ見て確認したり、遠くに行っても呼ぶとシッポをブンブン振って帰ってくる。
お散歩仲間からは、「毎日のわたしたちの愛情が伝わったんだよ」って言ってくれるけど
私は、こう考えている。
「わたしたちを一緒に生活するものとして信頼し、パートナーとして認めてもらえた」と。
それでもなお、彼の中の根っこの部分には、やはりわたしたちには踏み込ませない距離がある。それは種が違うから。
でも、お互い、寄り添い支え合う信頼関係はあって、そこにお互い幸せを感じている。
まるで狩猟時代の、犬とオオカミのような関係に近いのかもしれない。
それは私が目指している、本当の意味での「犬との生活」なのかもしれない。
犬に洋服を着せたり、まるでぬいぐるみのように飼うのではなく、
犬本来の強くて、愛情深くて、信頼できる動物と一緒に生活をする。
これは創造していたより、はるかに多くの幸せをもたらしてくれている。
おわり