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キャンプ始まるから2025年中日ドラゴンズの展望を読んで予習しませんか?
こんにちは、ドリーです。
2月1日はプロ野球の元日、キャンプインの日ですね。そこで今年の中日ドラゴンズの戦力チェックなど毎年恒例の展望をnoteに書き連ねます。
1.投手
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昨季はリーグ4位の防御率2.99、QS率51.7%を記録し、ついに投手が長所のチームとは言えなくなったとも受け取れる成績になりました。加えて小笠原慎之介、ライデル・マルティネス、福谷浩司が移籍し、大きな穴を埋める必要が出てきました。一昨年にnote記事にした「中日2025年問題」が表面化しています。
1-1.先発
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昨季の投手の成績低迷の責任の多くは先発陣にあります。柳は規定投球回を大きく割り、大野は大不振、梅津もメヒアも期待を大きく裏切る結果になりました。高橋宏が出遅れなければといってもそれは氷山の一角でしかありません。
高橋宏は変化球も増えて今年はエースとして更に飛躍してもらいたいです。やはり柳の復活は必須です。ベテランの涌井、大野、松葉には負担が大きくならないようにして、少し登板間隔を空けながらでも1試合1試合で結果を残してほしいです。大野は空振りを取れる球威を取り戻さなければかなり厳しいです。梅津とメヒアはストレートの質を上げなければ今年はもう信用されません。仲地は怪我を減らすこと、草加はプロの水に慣れることが今年の課題です。松木平はもう少し制球が安定すると柳タイプとしてローテに定着できるのでは。今のままでは今季は一軍の壁にぶち当たることが予想されます。根尾は先発中継ぎどちらで起用されるかわかりませんが、そろそろ結果が欲しいところ。再現性が出ればポテンシャルは高いので一気に戦力になる可能性はあります。二軍の奪三振率8.23は伊達じゃないと思いたいです。
注目の新加入はドラフト1位金丸、2位吉田と新外国人のマラー。金丸は故障に気をつけながら1年回ることが課題になります。そこをクリアできれば即戦力になるでしょう。吉田はチェンジアップ以外の球種を磨くことが必要になり、おそらく中継ぎでは戦力になるかもしれませんが先発にしたいです。マラーは角度を生かしていきたいです。小笠原の穴を完全に埋める活躍を期待しています。球種の構成は問題ありません。チェンジアップが武器になると思います。クイックが課題で、そこを修正できないと厳しいかもしれません。
高卒1年目としては二軍で好成績を残した福田は二軍で80イニングを目標にし、一軍初登板も見据えるのが現実的でしょうか。四球が多いところを改善してほしいです。森山は1年目の春のような投球を取り戻すことが最優先です。高卒新人の高橋幸は福田ルートを辿ってもらい、有馬は体を大きくして新たな変化球の習得を優先したいです。もしかしたら中継ぎかもしれません。育成の井上は制球が安定すれば高橋幸と同じような扱いでも良いくらいの期待をしています。
先発は全てが上手く運んだとしても良いとは言えない成績になり、主力投手に頼りきりになる構図が続くと思います。これは編成も含めて数年かけて直さなければならないところです。
1-2.中継ぎ
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マルティネスの抜けた抑えは松山か清水が濃厚。個人的には藤嶋も面白いと思います。この3人に齋藤を加えた4人が勝ちパターンを形成すると見ていいです。あとは制球が安定してフォークも武器になった橋本が中継ぎであれば割って入ってくる可能性もあります。ひとまず先発で見たいですが…。一昨年勝ちパターンにいた勝野の球威が戻れば様々な起用ができ、一気に層が厚くなります。梅野や岩嵜もまだまだやれます。彼らも球威が重要ですね。福と祖父江のベテランコンビは縁の下の力持ちとして支えてもらいたいです。まだ老け込んでいてはいけません。現役ドラフトで楽天から移籍してきた伊藤もまだ若く期待できます。シンカーが決め球なので左打者にも通用する可能性はあります。土生は昨季の反省を生かせたら少しずつ戦力になると思います。森博は立場が厳しくなり、まずは制球の安定からになります。新加入のウォルターズはマイナーリーグでも実績が少なく、今オフでの進化がそのまま直結しそうです。あまり期待しすぎない方が無難です。
ソフトバンクから加入した三浦は起用法がわかりませんが、1年目から一軍戦力になることを期待しています。まずは便利屋からかもしれませんね。岡田は早期の支配下登録復帰が濃厚で、一軍で通用する圧倒的な投球を二軍で見せてほしいです。近藤も昨季の投球を続けていれば支配下登録復帰が近いです。ストライクゾーンに投げ込めば相手も嫌がるので、大胆に行ってほしいです。
マルティネスが移籍したとはいえ、今年も怪我さえなければ盤石の布陣となるのは間違いないでしょう。もちろん藤嶋、清水を筆頭に勤続疲労での故障者が出るのは想定しておくべきです。上手く運用することが求められます。
1-3.投手全体
補強自体はされましたが、抜けた選手も主力とあって穴埋めが中心となった感じは否めません。最重要なのは現有戦力の底上げです。それを望むかのように投手コーチは異例の6人体制になっています。小山伸一郎二軍投手統括コーチ、田島慎二二軍投手コーチ、小林正人二軍投手・育成コーチが就任したことで指導がハマる投手が出てくることを期待したいです。ここ数年の二軍からの突き上げの弱さが結果として出てくるようになり、それを改善できるかが今季の最大の課題となるでしょう。高卒で良い投手が入団したので、彼らを3~5年かけて育てている間に投手王国を作るのが理想でしょうか。
そして、ほとんど試合で投げていない投手もいますが投手の人数が4人減ったことも問題です。昨年退団した投手が投げたイニング数は565回2/3です。金丸、吉田、マラーが150イニングずつ、草加も復帰するので…などと皮算用していてはいけません。昨年は故障者が少なく、それでも二軍がブルペンデーなどをしながらうまくやり繰りしたものであって、今年は上手くいかない可能性はあります。
◎怪我さえなければライデルが抜けても盤石の中継ぎ
○先発ローテの軸は定まっている
○金丸獲得で新人王も視野
△補強は穴埋め程度
△先発投手の高齢化&高卒2年目以下の偏りで枚数と質に不安
△まだ投手不足では?
2.野手
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細川が2年連続で20本塁打を放ち、ベストナインまで獲得しました。福永や村松も規定打席までもう少しのところまで来ています。徐々に打力は上がってきていますが、依然としてチーム総得点はリーグ最下位で、得点圏での成績も振るいません。相変わらず得点圏になると長打は激減し、弱い打球が増える傾向が続いているので、そこを首脳陣の考え方からも改善していかなければなりません。首脳陣が交代した今年がチャンスです。
2-1.捕手
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昨季は前半戦に木下が一昨年の骨折から来る(本人談)不調で加藤匠が出場機会を増やしました。後半戦は木下の打撃が復調しましたが、その頃には信頼を失い宇佐見や加藤匠と併用になりました。
オフにはドラフト4位で石伊を指名しました。上位候補とも言われていた石伊は昨年のドラフトで一番の捕手で、守備は即戦力と言えるでしょう。課題は打撃とプロで1年間出る体力。まずは日本生命の先輩でもある若い頃の小林誠司(巨人)が到達点になりそうです。1年目から正捕手、100試合出場というのはかなり難しいことなので、一軍で50~60試合出場を現実的な目標としたいところです。
結局は攻守にバランスの取れた木下が高いレベルで安定しないことには困った時に使える捕手がいなくなってしまいます。宇佐見は守備、加藤匠は打撃が壊滅的で、それぞれの長所を生かした起用をすることで出場機会を増やしていきたいです。石橋は同級生の石伊が入り今年が正念場。守備での信頼が必要で、配球での評価が低いのでベテランと組むなどして試合に出ながら勉強していってほしいです。一軍捕手の状況を見るに、山浅、味谷、日渡はまだ二軍でレベルアップする時間を与えても良いです。
2-2.内野手
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石川昂が活躍しなければチームの浮上はあり得ません。スイングの軌道を変えるとのことで、器用な打撃が災いして真のスラッガーになれないところから脱却してほしいです。規定打席に到達した経験はあるので、長期間になりがちな好不調の波を減らすことも課題です。クリーンアップとして恥ずかしくない成績が今年こそ期待されます。井上監督がキーマンとして挙げるのが福永。セカンドは平均くらいの守備、打撃では3・5番を打てるような成績を残してほしいです。クリーンアップが揃うのであれば2番起用も面白いです。もう少しゴロの割合を減らせると成績も安定してくるでしょう。昨季終盤から引っ張った強い打球に手ごたえを感じていて、そこが継続できているかが大事です。
セカンドが福永になるとコーナーが1つ空きます。減量をして復活を期す中田は飛距離が落ちていないか心配です。高橋周は今年がラストチャンス。またもや打撃フォームを改造したことが功を奏すといいですね。板山は今年から内野手登録となり、様々なポジションに就くことが予想されます。もちろんコーナー争いのうちの1人です。スポット的な起用になると思われます。カリステは左投手中心、新外国人のボスラーは右投手中心の起用でしょうか。彼らは外野での起用も十分に考えられ、カリステのライト起用も試してほしいです。宇佐見や細川のファーストもあり得ます。
続いて二遊間。福永がセカンドに再挑戦し、更に混沌となります。村松はショートが中心になりそうですが、土田が成長したならばセカンド村松、サード福永、ファースト石川昂のように玉突き式に移動する可能性はあります。土田の打力アップが内野全体の攻守のバランスを整えるカギになりますね。村松はセカンドの方が動きが良く、打撃は強い打球を増やそうと取り組んでおり、今年はストレートに力負けしないことが課題になります。田中は体力的にフルシーズンのレギュラーは難しいかもしれませんが、打撃での貢献を増やしたいです。意外とパンチ力はあるので、打球に力強さをつけることはできるのでは。あとは盗塁を増やせるといいですね。守備はもう信頼しています。山本は控えでの起用になりそうで、終盤に確実に仕事をすることが求められます。ただし、若手の調子次第では一気に出場機会を減らす可能性があり、スタメン争いに入れるだけの成績は残しておきたいです。辻本はセカンド中心になるでしょうか。打撃を磨きたいですね。もう1年二軍でも良いと思います。津田とロドリゲスは中距離打者を目指し、外野を含めた複数ポジションも練習すれば出場機会を増やせるのでは。まだ中途半端です。樋口は尾田との競争になります。菊池涼介(広島)の自主トレにも帯同し、守備力アップにも期待しています。
新人の森駿はサード中心、中村は二遊間になりそうです。近年の高卒選手の傾向を見ると1年目は苦戦が予想されますが、基礎固めをして自分の持ち味を失わないことが重要です。
2-3.外野手
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細川は外野で起用するなら守備をもう少し良くしたいです。今年からは一昨年にUZRプラスになったファーストも考えられ、試合終盤にポジションを映すことも想定されます。打撃は昨季のものを継続してください。和田一浩前打撃コーチがいなくなったから成績急降下ではいけません。怪我の後遺症に苦しんだ岡林は、盗塁を増やすことと少しでもいいので長打を増やしてほしいです。今年はやってくれるでしょう。
昨季成績がガタ落ちした大島は代打に慣れるとスタメンでも起用しやすくなるはずです。ブライトと鵜飼は長打で他の選手に差をつけたい。今年ダメならもう期待はされません。ブライトが昨季終盤に速球に対応できる姿を見せていて、それが継続できるか注目です。上林も身体能力の高さを生かせばレギュラー復活のチャンスはあります。川越は打撃、駿太は守備で控えから起用される形になると思われ、若い選手とのベンチ枠の競争になります。代走として成長を見せたいのが尾田。今年こそは二軍からしっかりと基礎を固め成功体験を得ることも大事にしたいです。濱が井上監督から期待されていると考えられ、ついに一軍初出場も視野になります。全体的なレベルアップで武器になる者が欲しいですね。いきなり4番手外野手というのも難しいので、駿太の座を脅かすくらいの活躍は欲しいです。育成の福元、モニエル、加藤竜はまずは二軍で1年間プレーするところからです。
2-4.控え野手
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控え捕手はスタメン争いの中で決まるので省略。内野のユーティリティー、守備固めは田中、山本が中心となりますが、辻本も成長した姿を見せてこの枠に入れるようにしたいです。あとは代打でも守備固めでもどのようにでも使える板山もいると便利ですね。落合政権下の小池正晃(現・二軍打撃統括コーチ)のような役割でしょうか。代走は田中、尾田、樋口がしっかりと仕事をできる水準になってもらわないと困ります。代打は大島が中心で、あとはスタメンから漏れた選手になります。宇佐見が代打の切り札、第3捕手、ファーストを兼任できると面白いです。
2-5.野手全体
一軍半~一軍レベルの選手が増え、競争が良い意味で激しくなってきました。一方で立場が危うくなってくる選手もいて、この1年が大きな勝負になりそうです。打撃のレベルアップが松中信彦打撃統括コーチを中心に行えるか、小技に固執した打席の考え方を改善できるかがすごく重要になり、それ次第では数年経つ頃には野手のチームになるかもしれません。
◎クリーンアップ候補が増えた
◎福永セカンド挑戦で内外野全体の起用に幅
◎小技に固執した打撃スタイル改善のチャンス
○石伊加入
△外野のスタメン争いが内野よりは低調
△センターがもう少し欲しい
3.首脳陣
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井上一樹監督が就任して首脳陣が大幅に入れ替わりました。
まずは投手部門から。一軍の投手コーチが山井・浅尾コーチ体制になりました。山井コーチは昨季の前半戦にブルペン担当としてベンチ入りしましたが、浅尾コーチは一軍は初。運用が上手くできるか心配です。与田~立浪政権の間は投手運用が割と良いものだったので、それを引き継がなければ質が落ちてきている中日投手陣が更に悪化してしまいます。また、二軍投手コーチとしても底上げができなかった時期のコーチなので、調整や一軍に置きながらの育成はこれまでと比べてできない可能性があります。二軍は楽天から小山コーチが加入し、コーチ1年目の田島・小林コーチと共に育成することになります。落合英二二軍監督もいて大きく崩壊することはないと思います。投手コーチが5人いる状態で巡回投手・育成コーチに転任した大塚コーチがどのような役割を果たすか注目です。若手育成だけでなく一・二軍間の連携を取り、新任のコーチの指導や運用のアドバイスが求められます。
野手部門は一軍では打撃統括コーチに松中コーチが就任しました。スラッガーの育成を期待しています。打撃コーチが打順を組むことも多いので、現代に合わせた野球観でいてほしいです。井上監督が小技を多く使いたいと発言していますが、立浪政権ほど極端なやり方をしていてはいけません。それが継続されるようならば監督を代えた意味がありません。作戦の補助をする森野コーチやベンチにいることが予想される飯山コーチはそれを上手く助言する役割を担ってほしいです。飯山コーチは枝葉の部分を補うことを期待されており、細かいミスの多い中日がそれを減らさなければなりません。二軍は平田コーチが就任して外野守備の向上が期待できます。14年ぶりにチームに復帰した小池コーチは打撃を指導するのが8年ぶりで、その間に変化した野球に対応することが課題になります。
過去3年首を傾げたくなる采配が多くあり、それを改善させなければAクラス、優勝は今後ありません。一軍で初めて運用をするコーチも多く、全体として経験不足感は否めないですが、大塚コーチや飯山コーチのようにサポートできる経験のあるコーチを置けたのはリスクマネジメントとして良いのではないでしょうか。
4.まとめ
伸びてきた選手が増えましたが、まだ戦力不足ではあります。特に投手は現有戦力の底上げが必須で、その環境が整っているのか?と疑問に思います。現実的に考えて3位になれたら万々歳といった状況です。しかし、その中でベストな戦い方をすれば翌年以降にも繋がってきます。若手選手が多く育成段階であることに甘えずに1年間戦ってほしいです。
そして、2026年から本拠地が狭くなることが濃厚です。フェンスの高さも下がると考えて良いでしょう。その下準備も今年は必要になり、投手は奪三振を増やし、打たせるならゴロ性の打球が中心になるように、野手は強く振りつつジャストミートできるようにすることが求められます。球場のサイズを変えるとしても投高打低の度合いが変わる程度の話だと思うので、投手はビジターでも抑えられる投手力をつける方針にすれば問題ありません。それができなければビジターで打たれてチーム成績が悪化して、本拠地がいくら広かろうと順位争いで不利になります。
井上新監督になり、金丸が入団して嫌でも注目度が上がる1年になります。それでも地に足つけてポジティブに戦い、土台を作れる年にしてほしいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。