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中銀カプセルタワー_3
今回は居住者として感じたことを簡単に。
カプセルタワーは竣工して50年にもなる建物ですから
管理はされていてもそれなりの古さは随所に出てきます。
一番困りすぎて笑ってしまったのは雨漏りですね。
カプセルタワーはA棟とB棟に分かれており
2本のコアに対してカプセルが横付けで固定されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1645172130742-GVks5Pd1hn.jpg?width=1200)
1カプセルに対して固定する超高圧ボルト4本のベースも確認できます。
このコアとカプセルの連結箇所、ちょうど入り口にあたる枠の上部から
雨が降ると蛇口をひねったという言葉以外に適する表現が見当たらない
それぐらい、面白いぐらい水が溢れてきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1645172756276-TrICWlArfp.jpg?width=1200)
黒川紀章氏が提唱していたメタボリズムが実現していれば
約20年に一度、カプセルを交換して常に新陳代謝を促し
劣化も最小限に時代に即した使い方が今でもできていたかと思います。
それが実現できなかったことについてはネットで多数掲載されてますので
お時間のある方はサーフィンしてみてください。
話は戻り、古い建築はどこにでも不便さは存在しています。
それを面倒だと思うか愛すべき点と受け入れるか
私が事務所を退去するときには後者の方しかいなかったと思います。
もちろん私もそのうちの一人です。
不便さを補ってお釣りが出るぐらいのカプセルタワーにしかない部分は
何と言っても夕方以降の佇まいではないでしょうか。
(昼間に見ても存在感抜群ですけど)
![](https://assets.st-note.com/img/1645173443856-51wVUa6Ecv.jpg?width=1200)
世界初のメタボリズム建築と言われる通り竣工当時からも
異質な存在であったことは間違いありませんが
年数が経つにつれ経年劣化とメタボリズムがなされなかったこともあり
空調設備などを後付けで外部に設置するしか方法がなくなってしまい
(元々はセントラルだった様でとっくに使えなくなってます)
室外機をつなぐホースが何十メートルにも伸びているのがざらになって
それも相まってリアル ネオ東京 でしたね。
ブレードランナーの世界と表現してもお分かりいただけると思います。
廃墟好きではなくてもその佇まいは訪れる人を魅了し
当時遅い時間帯に打合せに来てくれた方には
夜カプセルツアーを開催しご案内してました。
![](https://assets.st-note.com/img/1645174409333-uz5Az3QM9r.jpg?width=1200)
かつてセザンヌは
『自然を円筒形と球体と円錐体で捉えなさい』
との言葉を残しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1645174647593-O8x5r5Fd8v.jpg)
ピカソ オルタの貯水池 1909年
私見ではありますが
中銀カプセルタワーはそのセザンヌの言葉を建築に置き換えて
メタボリズムという建築様式の提唱に至ったのではないか、
新陳代謝が自然の摂理として地球が宇宙に存在した時から
既に君臨していた人類が抗えない『自然』の現象ですから......
この件に関してよりお詳しい方やご自身の見解をお持ちの方
がいらしたら是非お話ししてみたいです。
お問合せでも建築に絡むデザインでも
こいつ会ってみたら面白そうだなと思っていただける方
是非ご連絡ください。