坂美春、下道基行、能作文徳×常山未央、永野護の日
2024年3月24日(日曜日)晴
【仲春・春分の初侯】第十候・雀始巣・五日目
doux dimanche・坂美春・3月の庭展
朝から春の気配の展覧会を見た。15年くらい前からのおつきあいになる坂さんの展覧会。今年も表参道のdoux dimancheで作品を見ることができました。会場もかわいいお店なんですよねー。息子の散歩をしながらよく通った。いろいろ思い出しながら見ました。ガラスの作品が増えていて、絵のモチーフに馬さんと象さんが増えていた。少しづつ変わる作家さんを見守るのは楽しいね。
国立新美術館・下道基行・新美塾展
次は国立新美術館で下道基行プレゼンツ、新美塾の展示。
光が降り注ぎ、訪れる人々が行き交う空間でのびのびと展示がされていた。美術館の奥の間は、日の光にあたると劣化する作品が光を遮って展示されている。でも子どもや植物は日を浴びて元気になる。美術館の中の日があたる場所に、こういう渚のような展示があるのが素敵だった。
うらやましかったな。先日自分の中の文学性に触れて写真を撮るんだ、というアニさんの本の記述にえらい影響を受けたのだけれど、下道さんが子どもたちにパスしようとしているのは、そういう文学的な瞬間というか、手触りというか、経験なのだった。そういえば下道さんは現代美術家だが、写真家でもある。
宮崎駿が語っていた映画的な瞬間、という話が重なった。それは映画のことではなくて、映画「的」な経験のこと。いつ始まったか、いつ終わったか定かではなく、本当にあったのか、夢だったのか定かではなく、はっきりと思い出せないのに、忘れることができない。そういう瞬間の記憶が映画的なもので、それを表現しようとしてじたばた映画を作っているんだと。
ギャラリー間・能作文徳×常山未央・都市キノコ展
上記の下道さんと能作さんは縁がある。ベネチアビエンナーレでの展示から始まり、下道さんが館長をつとめる直島の資料館の隣の「へんこつ」というスタジオを今の形にしたのも能作さんだ。余談だが、今回の展覧会のカタログをデザインした田中さん、山田さんもベネチアビエンナーレで縁があったということなので、一緒に作品を作るというのは強い縁を結ぶのだろう。
展示は大変良かった。最終日で偶然能作さんのレクチャーがあったのも幸運だった。都市と相互作用し代謝する建築というのは、真の意味でのメタボリズム建築だろう。
建築のメタボリズムに限らず、生態学的な教育の中では生産者や消費者の存在が大きく扱われる。しかし、生態系の中では同じぐらいの大きな仕事が分解者の領域で為される。よく考えれば、植物が太陽の光で生産し、それを草食動物が食べ、それを肉食動物が食べ・・というが、食べられずに土に帰っていく者がほとんどだろうということは、ちょっと想像すればわかるはずだ。
能作さんたちの建築にはその視点がある。今回の展示物もほぼ全て行き先が決まっており、展覧会後に廃棄されるものはないという。
能作さんはお絵描きをしながらものを考えるようだ。コロナの時期に描かれた自宅の周りを想うスケッチを見てとても良いなと感じた。
展示物の細部にある小物もかわいくて、お二人の人柄を想像させてくれた。
角川武蔵野ミュージアム・永野護デザイン展
なんかすごい建物だったよ。隈さんだそうだ。
手描きの線画の原画が見られて良かった。シェルブリット映画版は知らなかったなー、初めて見る絵ばかりだった。
単行本の表紙は大きいとは聞いていたけれど、大きかった。
みんな大きい絵を描いていこう!
設定画もA3だというからな。もうA3の紙買って帰ろう。
がんばって生きようと思った!
明日は遠野!
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