あったことと感じたことを書くのは全然違う、メメントモリ、ポーラスデザインラボ誕生、模型屋さん、写真部の日
2024年2月26日(月曜日)
【初春・雨水次候】第五候・霞始靆・三日目
7時。言語の本質の続きを読む。読んでいたら、なんで前回最後まで読めていなかったのかわかった。というか、かなり前の方、なんと18ページで離脱してしまっていた。ここに出てきた「手話も自然言語」という部分にびっくりして(知らなかった)聾学校では集まった子どもたちが自然に手話で話すようになっていくというエピソードに驚き、そこからスティーブンピンカーの「言語を生み出す本能」とか、チョムスキーの言語獲得装置(LAD)やブルーナーの言語獲得支援システム(LASS)などにズレ、この本に戻ってこれていなかったのだった。
やはり面白い本だ。興味深い実験デザインとその結果、考察が次々に繰り出される。また、音楽的というか、脳の音を扱う部分を刺激してくる本だとも思った。僕は本を読むときに穏やかな音楽(家具としての音楽©️サティのような)をかけておくのが好きなのだが、その音楽が邪魔になってこの本がうまく読み進められていないことに気づいた。とめてみたら、あら、読める。特に、オノマトペの発音を小さく試してみたり「r」は舌がくるりんとなっているので回転する様子に使われやすい、を、舌で確かめながら読んでいるときなどなど。
オノマトペを処理している時の脳波を測ってみたら、脳内で環境音と言語音として二重処理しているのがわかったと聞くと、そうだろうそうだろうという気分になる。先が楽しみだ。
8時半。昨日書きかけていたフラムさんの本の感想の後半を書いた。結局やっぱり8000字になった。なったと言っても、本の中の気になった部分に触れつつ思い出したことを書き加えているだけなので、どう思ったかなどはあまり書かれてない。ここから思ったことや感じたことを書く段階に移行したいのだが、これがむつかしい。
感じたこと、考えたことを描けるようになるためのとっかかりとして日記を書き始めたはずなのだが、日々、あったことを書くだけでお腹がいっぱいになってしまうのだった。1ヶ月半書いてみて思うのは、やはりあったことを書くのと感じたことを書くのは全く別の筋肉を使っているようで、いくらあったことを書いても、それが感じたことを書く行為に自然につながる感じが全然しない。感じたことは、感じたことを書くんだ!という気持ちからしか生まれてこないのかもしれない。ということがわかったから、もう感じたことも書けるのでは?などと思ったあたりで出かける時間になる。
10時。高松に法人登記をしにいく準備をする。今日は法人、生まれるだろうか。人が一人生まれるってすごいよね。
11時半。高松行きフェリーに乗る。素晴らしい天気。雲の影が青い。高松も四国横断橋もよく見える。
途中、おむすび島(大槌島)にいつもよりもずっと近づいた。こういう航路をとるときもあるのだなあ。
高松港についてフェリーが回頭しているとき、船の窓から護衛艦が見えてびっくりする。やっぱり異形だ。周囲のものと全く別の言語で構成されているのが直感的にわかる。
デッキに出てまじまじと見る。小豆島からのフェリーが入港してきて横に並ぶとデザイン思想の違いが際立つ。
船を降りて護衛艦の方へ行ってみる。なんか普通に行けてしまう。こういうのって抽選とかありそうだけど、そういうのじゃないのね。聞いてみたら、年に2〜3回来ますよ、とのことだった。艦長は高松の人だそう。
艦内を見せてもらうのだけれど、当たり前だけど、すっごくメメントモリなのだった。しかも、案内してくれるお兄さんたちが息子とそれほど変わらない歳で、格好が似ているので胸がぎゅっとする。みんな死なないで。と思う。
艦を降りたところに陸上自衛隊の車も置いてあった。中身はパジェロだそう。ドアの裏が空いていて、空いてるんですね、と言ったら、説明のお兄さんが、すぐ取り出せるように、このパッチンのところに鉄砲を留めます。と教えてくれた。やはりメメントモリ。
やっぱり戦いで死んでほしくないなって思いました。あと兵器のデザインって説得力があって、独特の魅力があるけど、大声で言うのはうしろめたいなとも。
駅前でまた自転車を借りて、法務局へ。
今日は書類を全部揃えてきたし、定款認証も終えてるし、大丈夫なはず。ドキドキしながら相談窓口に並ぶ。いろいろ優しく教えてくれる。むしろ書類が多くて、一枚削除した。これで良いと言われる。これに証紙を貼って提出すれば、法人が生まれるのか!?
あっけなく書類が受理されました。おめでとうございます!
一般社団法人ポーラスデザインラボ、爆誕しました。2024年2月26日大安生まれでございます。
帰りの船まで時間があるので、模型屋さんを探す。自転車で20分くらいのところにレミヤンという模型屋さんを見つける。ラジコンとモデルガンメインのお店のようだったが、プラモデルもあった。今日見た護衛艦みょうこうの模型もあった。買うた。
港に帰ると、みょうこうが旗を下ろすセレモニーをやっていた。乗組員が整列している。ラッパの音が聞こえてくる。スルスルと旗が降りる。
夜。今日は直島写真研究会の日。楽しみにして行ったのだが、お腹がめちゃくちゃ痛くなって早退してしまった。惜しい。前回は後ろの時間に予定を入れてしまってゆっくり話せなかったので、今日こそはと空けておいたのに。でももうお腹は大丈夫です。
ではまた明日!