doredo note スタート。
はじめまして。
リノベーションを専業とする不動産デベロッパーのReBITAとデジタルテクノロジーによって建築産業の変革を目指す建築テック系スタートアップのVUILDの2社によりdoredoというプロダクト・サービスを開発しています。このnoteでは、doredoの開発プロセスなど情報発信していきます。
doredo開発の目的
リノベーション・中古住宅の流通業界において、内装・インフィル部分におけるスクラップ&ビルドが繰り返されています。従来の「つくる・住む・解体する」という線形の住空間構築プロセスから、内装・インフィルをパーツ分解し再組立や再流通を可能とするプロダクトで構成することで、建築資材としての原材料からプロダクト、空間構築への流れを循環型にシフトしていきたいと考え、doredo開発をスタートしました。
リモートワーク、副業、他拠点居住など働き方・暮らし方の多様化について許容度が高まるなか、場の在り方や求められる要素はその時々で変容していきます。また、将来に渡って長期的に有効な最適解を“今”判断することは難しくなってきています。
住空間においては、不確実性の高い社会の中でライフスタイルの変化予測がしづらいことに加え、より個人的なニーズが増えることに対しあらゆる人にとって最適となる最大公約数のような機能をもつ従来のnLDK型をベースとした構成は不適となっていく可能性が高いです。
また、これまでの住宅の販売物件の多くは完成された商品として供給される為、住空間づくりに住まい手であるユーザーが参加できる機会はほとんどありませんでした。商品として販売される物件は住宅市場の中で仕上げ材等による見た目の差別化が進み、断熱性能など温熱環境や快適性といった住宅が保有すべき性能といった可視化できない要素については、ないがしろにされてきた傾向にあります。
このプロジェクトでは、これまで一体不可分であった建築物と室内空間を、シェルター・インフラとしての(スケルトン)と内装構成要素である(インフィル)を分離しデザインしています。
スケルトンにおいては、マンションに限らず都市部の空間ストックを利活用していくこととし、必要インフラとなる水回り・電気換気設備の改修、室内の温熱環境を最低限確保する改修を行った空間として提供します。
インフィルについては、従来の木工事等で固定化されていた間仕切り・建具を、簡易に取り外し・施工が容易な組立・分解を前提とした可逆性のあるプロダクトにてユーザー自身が自分で構成できるようにデザインし、必要なタイミングで必要な数のユニットを購入ないしレンタルできる環境を提供します。
住む・働く・学ぶ・遊ぶなど、あらゆる生活空間において、完成されたモノや居場所を消費的に使いこなすだけでなく、ユーザー自身が欲しい居場所を自分で自由につくり作り直せるような循環型の新たな生活環境構築を目指しています。
doredoとは?
doredoは木製のブロックで、組み合わせにより自由に壁やデスク、収納などの家具、子供の遊具のような居場所がつくれます。ユーザー自身が、くつろぐ場所や働く場所など居場所・空間を自分でつくることができます。
空間に合わせ自由に組み替えられ、引越時には解体して持ち運んだり、或いは使わなくなった場合でも廃棄することなくパーツとしての利活用も可能です。無垢材を使用することでパーツごとにリペアがしやすく、プロダクトの耐用年数を長くし、資源を有効活用することができます。
doredoは、工事会社や職人のプロの手を借りることなく、室内の間取り変更が気軽に行えるのと同時に、従来は住み始めのリノベーション・リフォームの際にかかっていた多額の工事を入居後の必要なタイミングに応じてかけることが可能となり、住むことに関わるコストを中長期的に分散投資できるようになります。
photo: Hayato Kurobe