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ブリーダーズカップ(BC) 各レースの短評 ~ハラハラドキドキの6レースでした~

日本馬が参戦した各レースの短評です。

・BCディスタフ(ダート1800m 3歳以上牝馬)
オーサムリザルト(4歳牝)が当日脚部不安で出走取消となりました。帰国後、精密検査になると思うのですが、何もないことを祈っています。
レースは1番人気の米国馬ソーピードアンナ(3歳牝)が逃げ切り勝ちしました。
日本から参戦したもう一頭、アリスヴェリテ(4歳牝)はいつものように逃げず後方待機策をとり、直線追い上げるも4着でした。
ソーピードアンナオーサムリザルトの戦いが見られなかったのは、今回のBCでも最も残念だった出来事でした。

・BCターフ(芝2400m 3歳以上)
本当に惜しい結果になりました。勝ったのは本命の英国馬レベルスロマンス(6歳騙)。日本馬2頭は大健闘するも、少しだけ遅れました。
ローシャムパーク(5歳牡)はスタートに出遅れたことでルメール騎手は折り合い重視の作戦を採って、脚を溜めるべく最後方に控えます。3コーナーから上位に進出し、直線で鋭く追い上げるもクビ差の2着でした。スタートさえ良ければと思ってしまいます。
シャフリヤール(6歳牡)は内ラチ沿いの中団を進みます。向う正面から外に出しますが、4コーナーではローシャムパークに蓋をされる形となり、直線大外にルートを取り直したロスがあった分遅れ、2年連続の3着となりました。

・BCクラシック(ダート2000m 3歳以上)
今年も、米国の壁は依然高かったです。
日本馬最先着は、3着のフォーエバーヤング(3歳牡)の 3着でした。勝ったのはケンタッキーダービー(KY)でフォーエバーヤングと激戦を繰り広げたシエラレオーネ(3歳牡)、2着はKY1番人気で敗れたフィアースネス(3歳牡)と、3歳馬が上位を独占しました。
ウシュバテソーロ(7歳牡)は最後方付近からの直線勝負という自分のレースに徹するも伸びきれず10着。一方、デルマソトガケ(4歳牡)は積極的にハナを切ってハイペースでレースを引っ張るも、4コーナー手前でいっぱいになり13着でした。
また、大注目のダートに初挑戦した英国ダービー馬シティオブトロイ(3歳牡)は8着に敗れました。

・BCスプリント(ダート1200m 3歳以上)
個人的には、今回のBCで最もショックを受けたレースでした。日本が誇るダートスプリンターの雄をもってしても、米国の超高速で消耗戦となる展開では、歯が立ちませんでした。
結果は、メタマックス(4歳牡)8着、ドンフランキー(5歳牡)9着、リメイク(5歳牡)11着でした。
今日のレースでも、3頭共に道中で後方から付いて行くのが精一杯な感じとなっていました。
リメイクドンフランキーは中東で好成績を収めているので、米国で行われるスプリント戦は馬場やコース形状が違うのか、或いは本質的なレース展開(スピード)が異なるのかもしれません。

・BCマイル(芝1600m 3歳以上)
こちらは、今回のBCで個人的に最も興奮したレースでした。
好スタートからテンハッピーローズ(6歳牝)が2番手、ジオグリフ(5歳牡)が3番手と、積極的なレース運びをしました。しかも、画面越しで軽やかに、楽しそうに走っているように感じました。
実際、その通りだったのか、直線を向くとテンハッピーローズが、身体一つ早々に抜け出します。「よもや」と期待が湧きました。残念ながら、後方から3頭が束になって追撃して、最後にかわされてしまいましたが、彼女は大健闘の4着でした。
ジオグリフも続いて5着でゴールしました。
今年のヴィクトリアマイルで大波乱を演出し、観客席前でのビクトリーランで完璧なファンサービスを行ったテンハッピーローズが、米国でも同様のことを成し遂げるのではないかと、夢想しました。

・BCダートマイル(ダート1600m 3歳以上)
テーオーサンドニ(5歳牡)はゲートを勢いよく飛び出すと、そのまま果敢にハナを奪い、そのままレースを引っ張ります。どこまで引っ張れるのかと観ていましたが、なかなか落ちずに粘ります。
しかし、4コーナーを回ったところでいっぱいになり、そこから馬群に飲み込まれていきました。
彼は日本では2勝しかしていないのですが、今春の米国でのG2競走でも2着に入っており、米国の水が合っているのかもしれません。
因みに、勝ったのは地元米国馬のフルセラーノ(5歳牡)です。

◆ 最後に
今年の特徴の一つに坂井騎手、菅原騎手、津村騎手、横山武騎手といった若手騎手が渡米して、騎乗したことです。
日本馬がBCの舞台で勝利をあげるためには、騎手や厩舎関係者等競馬界全体の経験値を上げることも必要なのだと思っています。
数年後には別の景色を見られることを期待しています。

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