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名馬紹介 シンザン
【名馬紹介 シンザン】
日本競馬の伝説の一頭、五冠馬シンザン(1961年生 牡)を紹介します。
◆ 当時の競馬
当時はG1やG2といったグレード制ではなく、別投稿で紹介した八大競走が頂点にありました。ただし、天皇賞は勝ち抜けなので、春天と秋天のいずれかにしか勝利できません。
つまり、事実上、獲得できるタイトルは、三冠クラシックと天皇賞、有馬記念の五冠が最多です。
◆ 現役成績と種牡馬成績
彼の現役時代の成績は19戦15勝、残りの4戦は2着と、パーフェクトでした。
現役引退後、種牡馬としても好成績を残しています。当時は輸入種牡馬全盛で、日本馬は劣勢でしたが、その時代背景の中で抜群の成績を残しました。
代表産駒は種牡馬生活の晩年に誕生したミホシンザンです。彼は皐月賞と菊花賞を制し、古馬になってから春天にも優勝しました。
◆ 完璧な走りっぷり
シンザンのレースを生で見たことはありません。今回投稿するにあたって過去のレースを見てみました。
そこで見たシンザンの走りは驚くほど完璧でした。
スタートは上手く、常に4〜5番手あたりの良いポジションを取ります。直線では「ナタの切れ味」と呼ばれた鋭い末脚で先行馬を抜き去り、後続馬の追撃を許しません。
負ける要素がない、完璧な走りっぷりです。
◆ 飛び抜けて賢い
シンザンの走力以上に、強く印象に残ったのは、彼の勝ち方です。とても賢いのです。
彼は圧倒的な戦績を残していますが、レコード勝ちはありません。また、五冠は凡そ1〜2馬身差での勝利です。
つまり、絶対に逆転されないセーフティリードを保つものの、必要以上に大差を付けません。
これは個人の感想ですが、彼は飛び抜けて賢く、ただゴール板前を最初に通過すればよいという競馬のルールを、正確に理解していたのだと思います。
生涯で負けた4戦は、体調が整っていないなどの理由で、怪我のリスクを自ら避け、真剣に走っていなかったように見えます。
結局、彼は能力のリミッターを外して、全力で走り切ったことが一度もなかったように映ります。
話が飛びますが、彼が神のもとに召されたのは35歳。飛び切り長寿でした。彼が飛び抜けて賢く、自己節制をしていた賜物だと思わせます
◆ リスペクト
日本競馬史上最初の三冠馬セントライトと、同五冠馬のシンザンに対するリスペクトは、今でもとても大きいです。
JRAで馬名が付いた重賞が、セントライト記念とシンザン記念しかないことからも伺えます。