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アミール・スウォード・フェスティバルの結果 〜2頭とも精一杯頑張りました〜
開催競馬場が変わり、日程も1日順延となったアミール・スウォード・フェスティバルの結果です。
◆ 順延の経過
当初は例年通り、アルライン競馬場での開催予定でした。週の半ばに、ジョッキーから芝の状態が悪く、騎乗を拒否するようなクレームがありました。
カタール競馬協会も最善を尽くす約束をして、何とか開催に漕ぎつけたようです。
しかし、第1レースで落馬事故が発生し、その後のレースは全て中止になりました。
最終的には、1日順延し、競馬場もアルウクダ競馬場に変更して開催することになりました。
◆ ドゥハーン・スプリント
エコロジーク(3歳牡)は持ち味のスピードを活かして先行するも、道中ずっと競りかけられます。その影響で直線に入ると失速し、9着に敗れました。
鞍上の団野騎手も、道中で一息入れられず、脚を貯められなかったことを敗因にあげていました。
彼は昨秋の米国遠征に続き、果敢に海外挑戦をしました。敗れはしたものの、後輩たちに新たな選択肢を提供したナイスチャレンジだと思います。
無事に帰国して、心身を立て直し、その後に日本で活躍することを願います。
◆ アミール・トロフィー
開催競馬場の変更に伴い、施行距離が2400mから2300mに短縮されました。
サトノグランツ(5歳牡)は2年連続の3着と、今年も惜敗でした。道中中団で脚を貯めて直線も伸びていますが、先を走る2頭をとらえきれませんでした。
彼は古馬になってから未勝利ながら、6戦全てで掲示板に載る善戦マンです。
レースはレベルスロマンス(7歳騸)が、逃げ切って連覇を達成しました。彼は馬場状態のリスクを考慮して、一旦出走を取り消すとの噂が流れましたが、最終的に出走しました。
これで昨年から7戦6勝。うちG1はドバイシーマカップと、BCターフを含む4勝と無双しています。
◆ レベルスロマンス(アイルランド生まれ、英国厩舎所属)
彼は芝2400 mの現世界最強馬です。日本馬の前に、常に立ちはだかる強敵です。
彼は一昨日で7つのG1勝利を含む23戦16勝と素晴らしい成績ですが、ここに至るまで浮き沈みがありました。
彼のG1初優勝は4歳の秋(2022年)と、今の世界の潮流からすると遅めです。そこからG1を3連勝し、しかも3戦目はBCターフでした。
ところが翌2023年、イクイノックスが快勝したドバイシーマCで7着に敗れると、この年は12月のリステッド競走まで未勝利。競走中止や出走取消もある不振を極めました。
ところが、昨2024年はアミールトロフィーに勝利すると、ドバイ、香港、ドイツ、米国の4国・地域でG1を制覇。米国のエクリプス賞最優秀芝牡馬に選出されました。
◆ 最後に
波乱続きのカタール遠征。日本馬の2頭と関係者の方々が、無事に帰国することを祈ります。続きを日本で観たいです。