見出し画像

武蔵野Sの結果 ~ダートマイル界の超新星誕生か~

ライバルと目されたコスタノヴァ(4歳牡)が目の腫れにより直前で回避したことで、圧倒的な1番人気に推されたエンペラーワケア(4歳牡)が、実力の違いを見せるような快勝劇を演じました。
ダートマイル界の超新星誕生かもしれません。

◆ レース展開
ダート挑戦2戦目のドルチェモア(4歳牡)が積極的にレースを引っ張ったことで、速いペースで流れます。
過去ダートでは1400mしか走っておらず、昨日がマイル初挑戦となったエンペラーワケアは、中団の内側で距離のロスがないように進みます。そのまま4コーナーを回るときも外に持ち出さず、内側で進路を探します。

ところが、先行したメイショウテンスイ(7歳牡)ペイシャエス(5歳牡)ぺリエール(4歳牡)に鉄壁の3枚ブロックをつくられ、前へ進むことができません。
普通なら大慌てしそうな局面でしたが、川田騎手は一旦追うのを辞めて前の様子を伺います。最内を走っていたメイショウテンスイが直ぐに落ちていくことが、分かっていたのだと思います。
メイショウテンスイが下がるのと入れ違いに加速し、ペイシャエスぺリエールの間に割って入って、突き抜けました。泰然自若とした川田騎手の騎乗は流石です。

◆ エンペラーワケアの走りっぷり
川田騎手の騎乗以上に、目の前に壁があって自由に走れないストレスフルな状況でもやる気を損なうことなく、その後にゴーサインが出ると突き抜けた、エンペラーワケアの心身両面での能力の高さに感嘆です。

彼は昨日でチャンピオンズカップの優先出走権を獲得しましたが、関係者の話によると、次走は年明けのマイルG1、フェブラリーSになる模様です。
彼のことは1月の根岸Sで初めて見てから追いかけてきたので、漸くここまで辿り着いたかと、嬉しく思っています。
来年のダートマイルの超新星候補です。

◆ エンペラーワケアのこれまで
彼は芝のデビュー戦で5着に敗れた後、ダートに転向。それから昨日までで9戦7勝2着2回です。重賞は年初の根岸S以来の2度目の制覇です。
前述の通り、9戦はすべて1400mでしたが、昨日マイルもこなせることを証明しました。ダート馬らしい530㎏台の馬体と言い、大物感があります。

課題は強すぎる前進気性です。前走快勝したエニフSの前半でも引っ掛かって川田騎手と喧嘩していました。昨日も返し馬までは入れ込んでいたとのことです。しかし、昨日の直線では我慢がきいており、期待が広がります。

◆ 余談
思い起こすと、現ダートマイル絶対王者レモンポップが初めてマイルに挑戦したのが、2年前の武蔵野Sでした。そのときはギルデッドミラーとの激戦の末に2着に敗れましたが、それ以降マイル戦線に主戦場を移しました。
その後はよく知られている通り、翌23年、春秋マイルG1とチャンピオンズカップの3つのG1を勝利しています。
エンペラーワケアも後を継げるか、注目です。


いいなと思ったら応援しよう!