コラム27 暑熱予防対策
酷暑が厳しい夏競馬、暑熱対策が今年からとられることになりました。
◆ 暑熱対策
元来、馬は暑さに強くありません。熱中症になっている馬が、毎年増加している印象があります。そして、昨夏には22年の菊花賞馬アスクビクターモアが、熱中症による多臓器不全で急死するという不幸がありました。
この悲しい事故は放牧先の牧場での出来事で、競馬場でのアクシデントではありませんが、JRAも暑さ対策を本格化させます。
2年前には、ヒシイグアスが重度の熱中症にかかり、生死の境を彷徨いました。
地球沸騰時代、暑さ対策は待ったなしです。
◆ 対策内容
発表されている夏競馬での暑熱対策は、以下のような内容です。
・ 対象は2回新潟競馬の2週間、4日間のみ
・ 気温が特に高い時間帯(スタート時間で11時35分~15時10分)での競馬を休止
・ 1Rのスタート時間は9時35分とし、最終12Rは18時25分スタート
・ 準メインやメインは現行同様の時間帯に第6、第7レースとして実施
・ ファンの関心を維持するため、最終第12レースに特別競走を1レース編成
・ 装鞍所集合時刻を発走時刻の40分前に繰り下げ
・ パドック周回時間は約5分(3周)に短縮
・ 休止時間中の観客へのイベントを多数用意、中にはパドックの観客への開放もあるとのこと
◆ 実施に対する評価
対象が2回新潟開催の4日間だけというのは中途半端との声もあります。それでもトライアルとしてみると、一歩前進だと思います。
ファンへの配慮、スポンサーやテレビ局との交渉、加えて関係者の長時間労働への対応など、実施に際して調整することが山積していたと思います。
それらを乗り越えて、先ずは実施まで漕ぎ着けたこと、関係者の皆様の努力は大変だったと思います。実施して分かることも色々あると思いますので、毎年少しずつでも改善されることを願っています。