有馬記念の結果　～64年ぶり2頭目の3歳牝馬の優勝～

シャフリヤールとの火花が散った追い比べを制したのは、レガレイラです。1960年のスターロッチ以来、64年ぶり2頭目の3歳牝馬による有馬記念優勝でした。

◆　見どころ
レース展開は明日詳報しますが、見どころは4コーナーを回った直後から、シャフリヤールとレガレイラが吸い寄せられるように隣同士となり、そこからゴールまでマッチレースを展開した直線での激しい叩き合いです。

最後は、ゴール板前でクビを伸ばしていたレガレイラが先着し、不運にもクビを引っ込めるリズムになっていたシャフリヤールがハナ差後ろにいたという、俗にいう「クビの上げ下げ」で決まりました。

◆　今秋の競馬の特徴
マイルCSでソウルラッシュが勝利した時の投稿に書いた私見です。
今年の秋シーズンになってから思っているのですが、苦労や困難を受けたストーリーが多い馬が想いを成就させている、感動的なシーズンを迎えている気がします。

◆　レガレイラ（3歳牝）
彼女は昨年暮れのホープフルSを牝馬で初めて勝利しました。今春は皐月賞と日本ダービーに駒を進めるも、6着と5着に終わっています。
秋を迎えて府中牝馬Sとエリ女に出走し1番人気に推されるも、連続5着と期待に応えることができず、悔しい思いを繰り返していました。

そんな彼女の背には主戦のルメール騎手ではなく（彼はアーバンシックに乗りました）、戸崎騎手が初騎乗しました。
スタートを五分に出ると、絶好のポジションをとり、最後まで追い続けて、彼女を栄光のゴールに導きました。

◆　シャフリヤール（6歳牡）
彼は悔しさの量がさらに増えましたが、昨日の主役であり、多くの称賛を浴びたと思います。ドウデュース不在の中、「俺もダービー馬だ」と意地を見せた激走でした。
一昨年のドバイでの優勝以来、勝利から見放されていますが、その間も日本、中東、米国のG1で馬券圏内に入る大活躍を続けています。
ただ、昨日は最外枠だったという不利が、最後の最後に効いた感じがします。

◆　64年前の優勝馬　スターロッチ
さすがに私も競馬を観ていませんでしたが、64年前を記録から振り返ります。
64年前の有馬記念を制したのはスターロッチです。彼女はデビュー前の評価が高くなく、高額取引されず、中央競馬会が一度買い上げ、その後会員に抽せんでもって頒布する「抽せん馬」という制度で売買されました。
なお、抽せん馬制度は、今では存在しません。

そんな彼女ですが、桜花賞は3着、オークスでは優勝と大出世します。そして、迎えた有馬記念では並み居る古馬の強豪牡馬を相手に勝利を収めました。
翌年に彼女は大怪我を負って引退するも、何とか一命をとりとめ子孫を残します。彼女の孫世代からG1馬をはじめ有力馬が数多く誕生し、いまの競馬界にも彼女の血脈を引いている馬が多数いる名牝です。

例えば、イクイノックスの7代祖先にも彼女の名前があります。
イクイノックス ⇒ 父キタサンブラック ⇒ 母シュガーハート ⇒ 父サクラバクシンオー ⇒ 父サクラユタカオー ⇒ 母アンジェリカ ⇒ 母スターハイネス ⇒ 母スターロッチ

◆　推し馬たちの結果
推し馬たちの結果と一言コメントを下記します。どの馬も1年間ご苦労様でした。これをラストランに牧場に戻る馬、来年またターフに戦いに帰ってくる馬、いずれもお疲れさまでした。まずは疲れを確りと癒して下さい。
そして、今年1年間（実は過去数年間）、楽しませてくれて、本当に、本当にありがとうございました。

シャフリヤール　：　2着　感動の大激走
スタニングローズ　：　8着　伸び伸びとラストラン
プログノーシス　：　11着　スタートの出遅れが痛恨
ブローザホーン　：　12着　直線で末脚爆発せず
ディープボンド　：　13着　記憶に残るラストラン
スターズオンアース　：　14着　本調子でなかった模様
ハヤヤッコ　：　15着　積極的な展開で見せ場タップリ