東京JSの結果 〜好騎乗と審議は紙一重〜
ゴール後に1、2着馬の直線の攻防に関して「審議」のランプが点きましたが、結果は変わりませんでした。審議ランプを久しぶりに見ました。
勝ったのはジューンベロシティ(6歳牡)、東京JSを2連覇です。2着はロスコフ(6歳牡)でした。
◆ レース展開 〜4コーナーまで〜
スタートから2つ目の障害で、ホッコーメヴィウス(8歳騸)が着地した時に大きく躓き、落馬しました。しかし、彼はカラ馬(騎手が乗っていない馬)になった後も、そのまま先頭集団で走り続けました。これがレース展開に大きな影響を及ぼします。といっても、ホッコーメヴィウスは何も悪くなく、単にみんなと走っているだけなのですが。
各コーナーでは外から内側に切れ込んできて、接触の危険性があり、観ていてとても怖かったです。
また、カラ馬の影響があったのか、馬群がバラけずに小さくまとまっていたため、外枠の各馬は内側に入り込めず、スタミナを徐々に奪われました。
彼はジューンベロシティに絡み続けました。それでもジューンベロシティと鞍上の高田潤騎手は、気にしつつも先頭で走り続けます。4コーナーでは外から被されたために、少し減速して鋭角にコーナーを回りました。ヒヤッとしたシーンです。
◆ レース展開 〜直線勝負〜
コーナーを回った時点では、ジューンベロシティと、最内を進むブラックボイス(5歳牡)の勝負になるかと思いました。
4コーナーでホッコーメヴィウスを上手く避けたジューンベロシティは、最終障害を飛越した後、外側にコースをとり、ホッコーメヴィウスとやっと離れました。
ブラックボイスの脚色か鈍るのと対照的に、大外の進路を選んだロスコフが良い脚で伸びてきました。高田騎手は勝負の相手はロスコフと見立てたのか、一気にロスコフに身体を合わせ、叩き合いに持ち込みました。そうなると格の違いなのでしょうか、最後まで抜かせませんでした。
私は、高田騎手の騎乗は、カラ馬となったホッコーメヴィウスを上手くかわし、最後はロスコフとの一騎討ちに持ち込んで勝利する好騎乗だったと思いました。
しかし、直線で最終障害を飛越した後、ロスコフに幅を寄せた騎乗が審議対象となりました。降着にはならなかったものの、過度に幅寄せしたと裁定され、高田騎手は2日間の騎乗停止処分となりました。
◆ 最後に
(1)井上騎手
ホッコーメヴィウス騎乗の井上騎手に、大怪我はなかったようです。良かったです。また、落馬時、さらにはカラ馬の影響で事故が連鎖しなかったことは、本当に安堵しました。
(2)高田騎手
高田騎手は2年前にくも膜下出血を発症、一昨年の年末には落馬事故で大怪我をしており、その都度復活をしています。そして、昨日が8年弱ぶりの重賞制覇でした。おめでとうございます。
(3)ジューンベロシティ
ジューンベロシティは最初から最後までホッコーメヴィウスに絡まれ、息を抜ける時間がなかったと思います。それにも拘らず勝ち切ったのは、昨日のメンバーの中では頭ひとつ実力が抜けていたのだと感じます。中山GJ2着は伊達ではありません
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