かしわ記念の結果 ~ガッツポーズの裏にある別離と再会のストーリー~
昨日一日雨が降り続いたせいで不良馬場での戦いとなったかしわ記念は、不良馬場得意のシャマル(2018年生 6歳牡)が嬉しいG1級初勝利をあげました。
見事にエスコートした川須騎手にとっても、デビュー15年目で初めてのG1級勝利です。
◆ デビューから昨年まで
彼はデビューこそ3歳の3月と遅めでしたが、そこから順調にクラスを上げていき、1年後の4歳の4月にはオープン入りします。重賞初挑戦の東京スプリントで重賞初優勝をすると、その後1200~1600mの距離で好成績を残し、既に重賞5勝をしていました。
しかし、昨夏のさきたま杯では、最後方から追走するのが精一杯の状態で競走中止、次のプロキオンSでは発走前に故障発生で競走除外と調子を崩していました。
一方、川須騎手はデビュー以来、ず~~っとシャマルに騎乗していましたが、4歳秋のマイルCSを最後に、一度鞍上から外されてしまいました。そして、昨年1年間、シャマルの背中に川須騎手が戻ることはありませんでした。
◆ 心機一転、今年の快進撃
心機一転立ち直りを図りたいシャマルは今年の初戦を1月末の根岸Sに選び、その背には川須騎手が再び手綱をとりました。それからのシャマルの調教には、常に川須騎手が乗ったとのことです。
しかし、根岸Sとかきつばた記念で結果を出せません。そして、ディフェンディングチャンピオンとして迎えた3月末の黒船賞。ここで勝たないとかしわ記念への出走は叶わないという背水の陣の一戦で、川須騎手とシャマルのコンビは心機一転、初めて逃げました。結果は2着に2馬身の差をつけた快勝でした。
◆ かしわ記念
さて、かしわ記念です。好スタートを切ったシャマルは、昨日もG1馬のキングズソードやペプチドナイルにハナを譲らず飛び出していきました。そこから一度も差を詰められることなく、直線ではバテる2頭を尻目に差をさらに広げてゴールに飛び込みました。
彼はデビュー戦を除き、不良馬場は昨日で6戦5勝と得意にしています。
◆ ガッツポーズ
ゴール直前と直後に川須騎手はド派手なガッツポーズをしました。上述の彼らの関係を知っていると、川須騎手の気持ちはよく理解できます。
シャマルがダートを去るまで、川須騎手が乗り続け、さらに新しいストーリーを加えていくことを願っています。人馬共に、そして関係者の皆様、本当におめでとうございます。なんだか、私も喜びのおすそ分けを頂きました。