マーキュリーカップの紹介 Road to ダート王の第一歩〜
古馬混合のダート戦線は、秋のダート三冠ともいうべきG1級の3レースが11月から年末までの2か月間に行われます。
6月末の帝王賞で上半期を締めた直後ですが、3連休最終日の15日(月)に盛岡競馬場でマーキュリーC(2000m G3級 別定)が行われます。早速マーキュリーCから秋のダート三冠ロード、つまりダート王への道のりが始まります。
◆ 秋のダート古馬戦線
重複しますが、11月初旬から年末までの2ヶ月間で、国内ではJBCクラシック、チャンピオンズカップ、東京大賞典と、G1級レースが3つ行われます。また、米国ではブリーダーズカップが11月初旬に行われます。この11〜12月のクライマックスシーズンに、超一流馬たちはピークを持ってくるように調整します。
◆ マーキュリーCの位置付け
帝王賞まで戦った超一流馬は、7〜8月を休養に充てて疲れを癒しているのが一般的です。そのため、マーキュリーCには、今秋のビッグレースに参戦するために収得賞金の上積みを狙う、ネクストスターが集まります。
実際、昨年の覇者ウィルソンテソーロ(5歳牡)はマーキュリーC優勝を足掛かりに飛躍し、秋のダート三冠で全て2着、先日の帝王賞も2着と、いまや押しも押されぬダート界のトップホースです。
◆ ネクストスター候補
今年も非常に注目されている上がり馬が出走します。ダート転向後5戦4勝のロードアヴニール(4歳牡)です。
彼は昨年11月の1勝クラスのレースで注目を浴びました。1コーナーの手前で内側の斜め前の馬が落馬し、外ラチに向かって走り出しました。そのとき彼も内側から押し出される形となり、一緒に外ラチ付近まで連れていかれます。そこから何とか態勢を立て直してレースに復帰しますが、その時点で馬群から大きく離れた最後方になってしまいました。
普通であれば、ここで終戦という状況でしたが、彼は諦めずに徐々に差を詰めていきます。それでも、4コーナーでも依然として最後方です。しかし、そこから直線だけで他馬をごぼう抜きする末脚を披露して、豪快に勝ちきりました。
その後も2勝クラス、3勝クラスを連勝。今回が重賞初挑戦です。1月以来半年ぶりとなることに一抹の不安はあるものの、潜在能力的には昨年のウィルソンテソーロに負けない期待馬です。
◆ 推し馬登場
例年と異なる点は、実績馬の参戦です。代表格は推し馬のクラウンプライド(5歳牡)です。彼は世代のトップホースとしてダート界を牽引してきてくれましたが、昨秋からスランプに陥っています。
今回、前年2着だった帝王賞にも参戦せず、復活を期して調整し、マーキュリーCに出走してきます。不安点は別定重量戦のため、昨年の3着馬メイショウフンジン(6歳牡)等ほぼ全ての馬の斤量が54kgなのに対し、彼は57kgを背負うことです。
しかし、未だ老け込むには早いので、ここは確りと好走し、秋のビッグレースに向かうことを期待します。
上り馬ロードアヴニールの実力を測る意味でも、この2頭の対決は、とても注目されています。