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推し馬 スターズオンアース 〜鳥肌が立つほどの末脚〜

今日は、今週末のジャパンカップに出走予定、イクイノックス世代の牝馬の総大将格、スターズオンアース(2019年生 牝)を紹介します。

◆ 桜花賞まで
桜花賞を勝つまでの彼女のことは、世代トップクラスの実力はあるものの、クラシック制覇するには一つ足りない印象でした。
実際、そこまでの戦績は5戦1勝2着3回3着1回、且つ大きな特徴もありませんでした。

◆ 春のクラシック
桜花賞以降の彼女は、それまでと全く違う姿を見せます。
7番人気と伏兵的扱いで迎えた桜花賞では、直線で前後左右に多くの馬がいても怯まずに狭いスペースを見つけると、鋭い末脚で突き抜け、ハナ差で桜の女王に就きました。

続くオークスでは、大外18番枠だったこともあり、桜花賞馬なのに3番人気でした。
ところが、上がり600メートルを断トツの最速で駆け抜けた、切れ味抜群の末脚で快勝し、二冠を達成しました。

もはや彼女の実力を疑う者はいません。しかし、好事魔多し。オークス後に両前肢に剥離骨折が発見されました。
そのため、秋華賞には直行となりました。

◆ 秋華賞
秋華賞では、久しぶりの実戦ためかスタートで大きく遅れ、道中後ろから3番目の位置となりました。
道中では脚を溜めること努め、4コーナーでも未だ最後方付近でした。ここからルメール騎手は覚悟を決めて、ごちゃついている内側に突っ込み、彼女もそれに応えてとんでもない切れ味で、道なき道を掻き分けて前進しました。

オークス同様、上がり600mを断トツのタイムで駆け抜けるも、秋華賞では3着止まりでした。しかし、鬼気迫るその追い込みには鳥肌が立ちました。

検量室前でルメール騎手が膝を叩いて悔しがる様子が、勝負の厳しさを映していました。その後、スターズオンアースは脚の怪我で再び休養に入りました。怪我と紙一重の末脚です。

◆ 惜敗続きの2023年
翌23年は春秋2戦ずつ出走するも、いずれもライバルたちの激走に逢い、残念ながら惜敗が続きました。

・大阪杯 2着
武豊騎手を背に精密機械のようにラップを刻んだジャックドールを猛追するも、ハナ差届きませんでした。

・ヴィクトリアマイル 3着
彼女は2番枠を引いたことから、いつもより前目、3番手のポジションを選択します。
道中で絶え間なく脚を使っては、歴史的なマイラーのソングラインソダシの庭となるマイルのレースでは及びませんでした。

・ジャパンカップ 3着
イクイノックスのラストランです。あの時のイクイノックスには誰も敵いません。最後追いすがるも、3着でした。
ただし、「ポスト・イクイノックス」は、彼女と2着に入ったリバティアイランドが中心になると確信したレースでした。

・有馬記念 2着
直線で一度は「勝った!」と思わせる完璧なレース運びをしましたが、ドウデュースとの競り合いに僅かに遅れました。
この時のルメール騎手も、ゴール直後に思いっきり悔しい声を上げたのがリアルでした。なお、その直後に武豊騎手を祝福した姿には、素晴らしいスポーツマンシップを感じました。

◆ 苦難の2024年
ドバイで,初めて馬券外に沈むと、再び脚に不安が発生し休養入り。今回のジャパンカップが8か月ぶりの復帰戦になります。
そろそろ引退のカウントダウンが始まる中、あの鳥肌ものの末脚を、もう一度見たいです。

◆ 同世代の牝馬3強
オークスと秋華賞の1〜3着は同じです。私は彼女らを3強と呼んでいましたが、古馬になってからも活躍しています。
ナミュール:23年マイルCS優勝
スタニングローズ:24年エリ女優勝
さぁ、スターズオンアースもライバルに続くことを願います。


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