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ジャパンダートクラシックの見立て 〜一生に一度だけ同期が集まる大一番〜
新編成された3歳ダート三冠の大トリ、3歳最強ダート馬を決める一戦、ジャパンダートクラシック(2000m@大井 3歳限定 G1級、JDC)が、10月2日(水)に行われます。世代トップクラス馬が勢揃いした、見逃し厳禁の大一番です。
海外遠征馬、国内三冠路線組、春を怪我で棒に振った実力馬、夏の上がり馬。彼ら同期の優駿が、一生に一度だけ、一堂に会する大一番です。
出走馬を箇条書きするだけで、他の下手な説明は不要という印象です。
◆ JRA馬
全15頭立て、主なエントリー馬を下記します。
・フォーエバーヤング:ケンタッキーダービー3着、サウジダービーとUAEダービー優勝
・ラムジェット:東京ダービー優勝
・サトノエピック:東京ダービー2着
・ミッキーファイト:レパードS優勝
・サンライズジパング:不来方賞優勝
・カシマエスパーダ:不来方賞2着
◆ NAR馬
同様に主なエントリー馬を下記します。
・サントノーレ:大井所属、交流重賞の京浜盃優勝
・ケンタッキースカイ:浦和所属
・クニノトキメキ:船橋所属
・シンメデージー:高知所属、東京ダービー4着
・フジユージーン:岩手所属、不来方賞4着、その前まで8戦8勝
・ブラックバトラー:北海道所属、不来方賞5着、北の大地の最強馬
全国6つの地方から、それぞれのトップホースが参戦。それだけで、大盛り上がりです。
◆ 参戦が叶わなかった馬
・アマンテビアンコ:羽田盃優勝、脚部不安が完治せず
・テーオーパスワード:ケンタッキーダービー5着、両脚骨折
・サトノフェニックス:不来方賞3着、先週日曜日の調教中に骨折
・ウルトラノホシ:九州の星、体調が整わず
・プリフロオールイン:高知所属、10戦9勝、高知三冠制覇、体調が戻らず
・ダテノショウグン:大井所属、7戦7勝、今週になって鼻出血で出走回避
・フークピグマリオン:名古屋最強だが、騸馬のため出走叶わず
・アンモシエラ:春二冠に紅一点参戦し好走、秋は牝馬限定戦を選択
怪我などで出走が適わなかった各馬が順調に回復し、いずれ戦線に元気に復活することを心から祈っています。いまは確りお休みください。
◆ ダート三冠、ここまでの振り返り
今年創設されたダート三冠ですが、個人的には、とても素晴らしい改編だったと感じています。
初戦の羽田盃こそ出走頭数が8頭と少しばかり寂しさを感じましたが、続く東京ダービーではフルゲートの大熱戦と、ラムジェットというスター候補を世に送り出しました。そして、JDCでは話題の各馬が勢揃い、且つ注目の初対戦多数と、大変な盛り上がりです。
取り分け、フォーエバーヤングがダート三冠の編成の趣旨を尊重し、日本のファンの前に雄姿を見せるべく、ブリーダーズカップの前哨戦としてJDCを選択したのは、ファンからすると大感謝です。
◆ JRA馬の出走枠
春の二冠でのJRA馬の出走枠は各4頭と限られ、事実上トライアルで優先出走権を獲得しないと出走が叶いません。それに対し、JDCでは収得賞金上位 7頭に出走権が付与されます。
前者の春二冠での出走枠を限ることは、ダート馬のJRAからNARへの移籍増を今後促進する布石になるかもしれません。
一方、後者のJDCでの出走枠拡大によって、JDCの盛り上がりが確保されました。とてもメリハリの付いた仕掛けだと思います。
◆ 最後に
新春から春にかけて中東の高額レースや、「スポーツの中で最も偉大な2分間」と言われるケンタッキーダービーがあるため、世代最強馬が海外遠征を中心にローテーションを組む傾向は、今後も変わらないと思います。
斯様に春の路線が複線化するなか、秋に同期が一堂に会するレースメニューが組まれるのは、とても深く考えられた構成だと感じます。今から、ゲートが開くのが待ち切れません。