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名馬紹介 オメガパフューム

【名馬紹介 オメガパフューム】

東京大賞典と言えば、前人未到の4連覇を果たしたオメガパフューム(2015年生 牡)を思い出します。
今日は彼のことを紹介します。

◆ 生涯成績
最終的には、26戦11勝2着7回3着4回、掲示板を外したのは2回だけ、G1勝利は5つという、素晴らしい戦績です。しかも、17戦がG1でした。

しかし、3歳時のダート界の中心は、同級生のスーパースター、ルヴァンスレーヴでした。オメガパフュームは彼には歯が立ちませんでした。
それでも3歳末の東京大賞典でG1初優勝しており、彼自身も相当に強いです。ただ同期にすごいライバルが1頭いたという感じです。

◆ 東京大賞典4連覇
彼の戦績の最大の特徴は、2018〜2021年の東京大賞典4連覇です。しかも、全レースが危なげない快勝です。大井巧者とか大井の帝王と呼ばれていました。

なお、彼の東京大賞典初優勝は3歳時です。ダートは芝以上に筋力が必要なため、3歳馬が古馬に勝利するのは易しくありません。
実際、東京大賞典、チャンピオンズC、JBCクラシックの秋の三大G1の過去15年、延べ45レースでの3歳馬の勝利は、ルヴァンスレーヴクリソベリル、そして彼だけです。

◆ 引退発表→撤回→再び引退
彼は4回目のレース前に、東京大賞典をラストランにすると発表し参戦、見事に有終の美を飾りました。
ところが、年明けに引退を撤回し、現役続行を発表しました。

復帰戦となったアンタレスSで、トップハンデをモノともせずに、直線でごぼう抜きした圧勝劇を見たとき、彼の能力の高さを改めて感じました。

しかし、その後の2戦で3着に敗れると、東京大賞典を待つことなく、再度引退が発表されました。
良い状態で東京大賞典に出られないことが引退理由に挙げられ、彼自身と東京大賞典へのレスペクトを強く感じました。

◆JBCクラシック4年連続2着
彼のもう一つの前人未到の記録は、JBCクラシックでの4年連続での2着です。
京都、浦和、大井、金沢のどの競馬場でも惜敗でした。

特に、浦和でライバルのチュウワウィザードにハナ差で敗れた一戦が、最も惜しかったです。

◆ 小柄な白い馬体
彼は450kgとダート一流馬としては小柄でした。お世辞にもスタートは上手くなく、いつも中団か後方からレースを運びます。

26戦のうち18戦に騎乗し、東京大賞典4連覇を全てエスコートしたデムーロ騎手は、1コーナーまでに馬場の外側に展開することを、どの番手をとることよりも、重視しているようでした。

そして、彼の代名詞とも言える、4コーナー手前で大外から捲り、直線入り口では先頭集団に取り付き、直線外側の進路を突き抜けていきます。

また、彼は芦毛です。3歳時はダークグレーなのですが、毎年白くなっていきました。
東京大賞典4連覇のレース映像を年毎に観ると、毎年白くなっていくのがよく分かります。

◆ 同期のライバル
同期のスーパースターは間違いなく、アーモンドアイです。しかし、ダート界にも、とんでもなく強く、華やかな馬たちがひしめき合っていました。

ルヴァンスレーヴ:世代最強のダート馬。脚の怪我で実質3歳末までしか本気で走っていないが、それまでにG1を4勝した怪物。

チュウワウィザード:4つのG1勝利全てが左回りだったことから、左大臣とも呼ばれた。因みに、右大臣はオメガパフュームです。

アルクトス:快速マイル馬。南部マイルCSを連覇。20年の南部杯で記録した92.7秒は、ダートマイルの日本レコード。

リュウノユキナ:6歳から本格化した大器晩成。24年まで現役継続と、長年ダート短距離路線を牽引。

コパノキッキング:藤田菜七子騎手を背に快走し、女性騎手初の重賞優勝をプレゼント。

この中でも、チュウワウィザードは8回戦い、対戦成績は4勝4敗という最大のライバルだったと思います。

◆ 最後に
彼は同期にルヴァンスレーヴ、一つ下にクリソベリルという怪物2頭に比べると、華やかさは少なかったです。
それでも7歳まで、ライバルのチュウワウィザードと共に最高峰で戦い、後輩馬の壁となり続けました。

近年の世界に通用するダート馬を作った礎になったと思います。
ただ、彼自身は、全盛期にコロナ禍で海外遠征できなかったことが、残念でした。


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