推し馬 ドウデュース 〜山あり谷ありの競走生活の集大成へ〜
2021年から2024年までの、日本競馬界の中心馬として輝き続けるドウデュース(2019年生 現5歳)を紹介します。
彼が今秋の古馬三冠レースの主役です。
◆ 2歳時
彼の名前が全国に知れ渡ったのは、朝日杯FSでの快勝劇です。直線で内側の馬にぶつかられて一旦スピードが鈍ったものの、そこから怯まずに再加速して勝ち切りました。
速いだけではなく根性もあり、「強いなぁ」と思いました。この勝利で3戦3勝とした彼は、2021年の最優秀2歳牡馬に選出されました。
◆ 3歳春 全てはダービーのために
年明け初戦の弥生賞は超スローペースでした。武豊騎手は引っ掛かる彼の手綱を引いて、馬群の中で待つことを覚えさせます。
続く皐月賞では、武豊騎手は大切にユックリ走らせ、ゴーサインが出たら全力で走ることを教えました。そのため、2戦とも勝ち馬に追いつかず惜敗しました。
そんな武豊騎手の教育が、日本ダービーで結実します。
日本ダービーでは、道中落ち着いて後方を走り、4コーナーも円滑に、だけどユックリと外に持ち出し、直線は荒れていない走路を選びます。そして、武豊騎手のゴーサインが出ると、楽しそうに弾けてダービー馬に上り詰めました。
なお、この「円滑にユックリ」というのが何気に重要でした。円滑なことで自分のロスを最小限にする一方、ユックリだったことで後ろにいたイクイノックスのコースとりを悩ませて、判断を遅らせています。流石の、武豊騎手の好騎乗でした。
◆ 苦難の時期
秋は凱旋門賞に向かうも、田んぼのような荒れた馬場に足を取られ、ブービーと大敗を喫します。その激走の疲れがなかなか癒やされず、年内休養になりました。
復帰戦となった京都記念こそ、直線で他馬を置き去りにする末脚を披露して快勝するも、続くドバイターフでは、現地で直前に左前脚の不調が発覚し、出走取り消しになりました。
迎えた秋シーズンは、ライバルのイクイノックスのラストシーズンです。イクイノックスが快勝した秋天は7着、ジャパンCは4着に敗れました。
しかも、ジャパンCでは、リバティアイランドとスターズオンアースの両牝馬にも遅れてしまいました。
◆ 復活の有馬記念
有馬記念での復活はとても劇的でした。秋天前に負傷を負って療養していた武豊騎手が復帰。このコンビが揃うのは、京都記念以来でした。
ドウデュースは道中後方で馬を前に置き、引っかからないように細心の注意を払いながら進んで脚を溜めました。
残り1000mを切ると、手綱を持ったまま加速して上位に進出し、遅過ぎず早過ぎない絶妙なタイミングで武豊騎手がゴーサインを出すと、ゴール前でキッチリ先頭に立ちました。
人馬共に完璧なレース運びでの快勝劇でした。
◆ 不完全燃焼、そして集大成へ
今春はドバイターフと宝塚記念に出走、いずれも1番人気に推されました。しかし、結果は、ドバイでは大きなスタート遅れの影響で後方から直線勝負に賭けるも、前に壁ができてしまい動けず。宝塚記念は苦手の重馬場に足を取られて、自慢の末脚が不発と、共に不完全燃焼に終わりました。
そして、いよいよラストシーズンです。昨年同様に秋の古馬三冠全てへの出走を表明しています。どんな集大成となるのか、注目です。
◆ 秋の古馬三冠
秋の天皇賞(2000m)、ジャパンカップ(2400m)、有馬記念(2500m)を、秋の古馬三冠と呼びます。
昔は超一流古馬は当たり前のように3連戦していました。過去には、2頭(2000年のテイエムオペラオーと、2004年のゼンノロブロイ)が3連勝しています。
近年は3戦皆勤する馬すら稀になりました。なので、ドウデュースが2年連続で皆勤すると、それだけで珍しいことです。
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