
香港国際競走の戦評(短評) ~振り返ると惜しいレースばかり~
全4レースの短評を記載します。昨日の投稿の通り、4レースで2着2頭、3着3頭と過半数以上の馬が、馬券圏内と大健闘です。少し時間が経つと、勝利がなかったことが残念とも思いましたが、十分な結果です。
これで、5年続いた海外G1優勝の記録も一旦途切れましたが、来年以降に新たな楽しみが持ち越しとなりました。あとは、みんな元気に帰ってきてください。
◆ 香港ヴァーズ 2400m
・ステレンボッシュ(3歳牝) 3着
・プラダリア(5歳牡) 11着
【短評】
ステレンボッシュは本当に惜しかったです。大外枠だった彼女は、スタート直後に内側に切れ込みよいポジションを取ろうとしましたが、上手く位置取りできず、最後方になってしまいました。
そのために残り700mくらいから大外をまくり、4コーナーを回った時点では先頭集団に取り付き、早めに先頭に立ちます。そこで脚を使ってしまったため、ゴール前で英国馬2頭にかわされました。
それでも粘って、3着をキープしました。スタート直後の位置取りが上手くいっていればと悔やみます。
プラダリアは積極的にハナを切りましたが、最後に疲れてしまって、直線では馬群に飲み込まれました。
◆ 香港スプリント1200m
・サトノレーヴ(5歳牡) 3着
・トウシンマカオ(5歳牡) 9着
・ルガル(4歳牡) 11着
【短評】
サトノレーヴは頑張りましたが、相手が強かった印象です。3頭共に道中中団に位置していましたが、サトノレーヴは直線で外側に展開できず、腹を括って内側を突き進むと良い脚で伸びてきましたが、3着まででした。
スプリンターズSは負けましたが、現在の日本スプリント界では上位の実力があることを証明しました。
ルガルとトウシンマカオは直線で伸びきれませんでした。スプリンターズSがピークだったのかもしれません。
なお、この2頭に伸び盛りの若手、西村淳騎手と菅原明騎手を継続騎乗させた関係者の方々のチーム一丸の挑戦は、今後の海外遠征に繋がる経験を積んだと思います。
勝ったのは圧倒的な1番人気に推された地元香港馬、カーインライジング(4歳騙)です。彼は昨日で8連勝、向こう数年の香港スプリント界に絶対王政を敷く勢いです。
◆ 香港マイル 1600m
・ソウルラッシュ(6歳牡) 2着
・ジャンタルマンタル(3歳牡)
【短評】
ソウルラッシュは道中後方待機から、直線での末脚勝負に賭けました。その作戦通り、直線大外を駆けあがりましたが、先に抜け出した勝ち馬には届かず2着まででした。
しかし、日本のマイラーも力があるところを見せました。
ジャンタルマンタルは好スタートから3番手のポジションをとります。4コーナーを回るところでやや苦しそうになってはいましたが、もうひと踏ん張りできそうな雰囲気もありました。
しかし、残り300mで内外両方から体当たりを食らい、そこでペースを乱してしまったのか、そこから一気に失速しました。今秋初戦の富士Sを熱発で回避し、ここまでの調整に順調さを欠いた影響があったのかもしれません。
絶対王者ゴールデンシックスティ引退後のレースを制したのは、香港馬ヴォイッジバブル(6歳騙)です。彼は今春の安田記念で来日してくれました。
◆ 香港カップ 2000m
・タスティエーラ(4歳牡) 3着
・リバティアイランド(4歳牝) 2着
【短評】
今春の安田記念に来日し快勝したロマンチックウォリアー(6歳騙)が香港カップ3連覇を達成しました。彼は重賞を7連勝、G1も6連勝と、現在の中距離の世界№1のクラスです。
後方から追い込んだリバティアイランドが2着、積極的に先行したタスティエーラが3着と好走しましたが、ロマンチックウォリアーの牙城を崩すには及びませんでした。
それでも、後方待機から直線大外の進路をとって、追い込んできたときの鬼気迫るリバティアイランドの鬼脚を見ると、彼女の復活を確信。来年の中距離界の中心は、やっぱり彼女だと改めて感じました。
積極的なレース運びをしたタスティエーラは秋天2着に続く惜敗、彼もまた復活を確認でき、来年の活躍に期待大です。