エルムSの結果 ~輝きを取り戻す勝利~
ペイシャエス(5歳牡)が好位から抜け出し快勝、3つ目の重賞勝利をあげました。
◆ ペイシャエスの紹介
彼は3歳時、世代の最前線を走る1頭でした。3歳時の戦績は9戦3勝、ジャパンダートダービー2着、JBCクラシック3着とG1級のレースでも馬券内に入っています。それ以外でもほぼすべてのレースで掲示板以内と安定した戦績を残しました。
ところが、古馬になると、昨年は4戦未勝利、今年も2戦未勝利でした。ただし、昨年9月の白山大賞典や今年3月のマーチSで3着に入るなど、近走では古馬の戦いにも慣れてきた感がありました。
昨日はそのマーチS以来、4ヶ月半ぶりの出走でしたが、久しぶりを感じさせないセンスの良いレース運びでした。3歳時の輝きを取り戻した感じで、今秋の飛躍が期待されます。
前走から手綱を取る横山和騎手も、彼との相性が良く、好騎乗でした。
◆ そのほかの上位馬
2着は唯一のG1馬(とはいえ、勝ったのは芝のホープフルSですが)、ドゥラエレーデ(4歳牡)が貫録を見せました。彼は昨年末のチャンピオンズカップと東京大賞典の2つのG1で共に3着、今年のドバイワールドカップでも5着と好走しています。
いまでは、ダート界の一流馬の1頭であり、ペイシャエス同様に今秋の活躍が期待されます。
3着のテーオードレフォン(5歳牡)をはさみ、NAR(北海道)所属のシルトプレ(5歳牡)が大健闘の4着です。彼は昨年のエルムSにも出走し5着でしたので、今年は着順を一つ上げました。
普段は門別をベースにしていますが、JRA馬とも伍する実力を持っており、秋には再度JRA馬と熱戦を繰り広げることを期待します。
話が飛びますが、同じくNAR(北海道)所属のベルピット(4歳牡)は、直前の2戦で共にシルトプレを6馬身突き放しています。昨日のシルトプレの好走を見ると、ベルピットの能力もかなり高いことが類推されます。JRA勢との対戦は2歳のみ。今秋のダート界には欠かせない、大々注目の1頭です。
◆ レース展開
ペイシャエスは好スタートを切るも、ミトノオーが内から主張すると先頭を譲りました。外から上がってきたドゥラエレーデにも先へ行かせて、ドゥラエレーデのすぐ後ろ、5番手前後で1コーナーを回ります。
ドゥラエレーデは逃げるミトノオーに外からプレッシャーをかけ続け、4コーナーでは競り落とします。そして、直線に入ると先頭に立ち、粘りこみを図ります。
しかし、ドゥラエレーデを目標にレースを進めてきたペイシャエスは、残り200mからラストスパートをかけるとゴール前でクビ差かわす強い勝ち方でした。
最初から最後まで息の抜けない展開を自らつくりだし、2着に粘りこんだドゥラエレーデもとても強かったです。
最後に、シルトプレは道中最後方でレースを進めます。3コーナーの手前から上位に進出し、直線では大外に進路をとります。ラスト600mを最速で走り切る鋭い末脚を見せ、先行馬をごぼう抜きし、4着まで上がりました。
◆ ダート馬の本格化
超一流馬は早い段階から図抜けた戦績を残します。しかし、一流馬であっても、一般的には、走り切るだけの筋力やキックバックを気にしない精神を必要とするダート戦では、5歳以降に本格化を迎える馬が多い印象があります。ペイシャエスもそんな一頭かもしれません。
◆ 最後に
推し馬のプロミストウォリア(7歳牡)は好スタートから1コーナーで5番手前後のポジションをとり、直線入口では良い感じで前が開きました。しかし、そこからは伸びず、最後は後続馬に飲み込まれて7着でした。
とはいえ、13か月ぶりの出走、無事にゲートから飛び出し、ゴールまで辿り着いたので、昨日はそれで満足です。よく頑張りました。