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羽田盃の紹介 〜今後のダート界の変化に関する私見と合わせて〜

いよいよダート三冠が始まります。先ずは明日、羽田盃(1800m @大井 G1級)が行われます。JRAからは枠いっぱいの4頭が出走します。一方、NARからは12頭の枠に対して4頭だけの出走となりました。
計8頭と少し寂しい頭数との印象がありますが、これも試行錯誤の過程として先ず第一歩を踏み出したことを前向きにとらえたいです。

◆ ダート三冠のおさらい
これまでも地方毎に三冠レースがありました。昨年は三冠馬の当たり年で、北海道、南関東、高知で、3頭の三冠馬が誕生しています。
今年から、全てG1級の交流重賞とした三冠レースが整備されました。なお、地域毎の三冠レースも残っています。
では、その全貌を改めて見てみます。三冠レースは全て大井競馬場での開催、開催日は今年の日程です。
・ 羽田盃4月24日 1800m 優勝賞金5000万円
・ 東京ダービー 6月5日 2000m 同1億円
・ ジャパンダートクラシック 10月2日 2000m 同7000万円

◆ JRAからの参戦
羽田盃のJRA出走枠は僅か4頭。結果的には、2つのステップレース(雲取賞、京浜盃)で、優先出走権を獲得した4頭が出走します。年明けに中東遠征した馬や、昨年の全日本2歳優駿の上位馬でも、JRA所属馬はステップレースに出ないと、参戦が難しい設計になっています。
もちろん、フォーエバーヤングのようにUAEダービーに勝って、ケンタッキーダービーへ向かう選択肢を掴んだ馬もいるので、何が正解なのかは馬それぞれです。
また、羽田盃で5着以内に入った上位3頭のJRA馬は、東京ダービーへの優先出走権を得られます。

◆ NAR有力馬の離脱
4頭の所属先の内訳を見ると、大井3頭、船橋1頭です。南関東所属馬だけが参戦しており、且つその大半は大井所属馬です。
残念なことは、NARの有望馬が怪我で離脱したことです。私が知っているだけでも、雲取賞3着に京浜盃優勝とステップレースで好成績を上げたサントノーレと、昨年末までで5戦5勝と敵なしだったダテノショウグンの2頭が離脱しています。両馬の元気な復活を楽しみにしています。
ステップレース2戦の投稿は以下をご参照下さい。

◆ 私見
以下はこれからのダート界の変化を予想した個人的な見解です。
今回の改編を見ると、今後ダート馬はJRAではなく、NAR所属にシフトしていく可能性があると考えています。NAR所属馬は海外と三冠を両天秤にかけて、レース選定をできそうなためです。ただし、現実的には、大井等特定の競馬場、且つ馬主が立派なトレーニング施設を保有するクラブ馬から、徐々にシフトが始まるのかもしれません。
少し話が変わりますが、昨年シンガポールの競馬が180年の歴史に幕を閉じるとの報道がありました。日本でもバブル崩壊後、2001年の中津競馬場を皮切りに、約10年間で12の地方競馬場が休止、廃止となっています。
関連産業を含めた競馬界の持続的発展を考えると、JRAとNARが棲み分けを進めて、競走馬の活躍を披露する舞台となる競馬場の数を維持することは大切だと考えます。
このようなJRAとNARが共存共栄を図ろうとする文脈の上で、ダートレース体系の整備が行われ、それに伴ってダート馬の地方所属シフトが起こる可能性があると思っています。


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