平安Sの結果 ~4歳世代の台頭に期待~
ミトノオー(4歳牡)の逃げ切り勝ちでした。彼は2番枠を利用して好スタートから内ラチ沿いでハナを切ります。同タイプのメイショウフンジン(6歳牡)が外から迫りますが、「誰も俺の前を走ることは許さない」と主張して、うまく隊列を落ち着かせます。この強気の主張と、その後の落ち着かせをエスコートした松山騎手の騎乗は素晴らしかったです。最後は外からハピ(5歳牡)が鋭く迫るも、最後まで抜かせずにゴール板前を最初に通過しました。彼は1年ぶりの勝利、重賞は2度目の勝利でした。
ハピ(5歳牡)の低い姿勢でクビをうまく使ってグイグイ伸びてきたランニングフォームは、惚れ惚れするような美しさでした。しかし、最後追いつけず2着止まりでした。道中は中団の内側で脚を貯め、4コーナーを回って直線を向くと内ラチ沿いから外側に一気に走路を変えました。その動きは「義経の八艘飛び」をイメージさせるようでした。このレース展開をエスコートしたのは、春天ジョッキーの菱田騎手です。
メイショウフンジンも二番手でうまく落ち着かせ、そのまましぶとく粘って3着に入りました。不必要にミトノオーと競らなかった酒井騎手の好判断が光りました。
◆ 1着 ミトノオー(4歳牡)
デビューから5戦4勝と快進撃。ジャパンダートダービーでは、ミックファイアと激闘の末の3着と、3歳世代を牽引するトップスターです。その後は重賞4戦2着2回と、なかなか勝ち切れませんでした。それでも毎回小気味良く逃げており、いよいよ昨日勝利を収めました。
◆ 2着 ハピ(5歳牡)
彼は2週間前の春天に挑戦し、競走中止となって以来の出走です。春天から平安Sなんて、過去はおろか未来にも恐らく見られないローテーションです。春天では1周目のスタンド前を過ぎゴール板を通過したところで、ユックリとコースアウトしました。レース後に跛行と発表されましたが、一説によるとスタンドの大歓声を背にゴール板前を過ぎた時点で、ハピはレースが終わったと勘違いして、レースを終わらせしまったとの噂があります。
もし勘違いがあったとしたら、2週間前に適度な公開調教をし、昨日は良い仕上がりだったのかもしれません。最後まで謎です。
◆ 7着 押し馬 ハギノアレグリアス(7歳牡)
道中はハピと近いポジションをとっていたのですが、直線を向くと最後まで伸びず、7着止まりでした。ここ2戦は直線での伸び脚がみられません。未だ衰えるには早い気がしており、今後も応援をし続けます。
◆ 4歳世代の台頭に期待
私見ですが、ダートを走るには芝以上に筋力が必要だと思います。なので、よほどの強豪馬でない限り、3歳馬が古馬と同等以上に戦うのは易しくないと思っています。
今年の4歳世代は大きな注目を集め昨秋からとても期待をされていましたが、直ぐに古馬を負かす馬は現れませんでした。それだけ、いまのダート界の層は厚いのだと思います。
今後4歳世代が台頭してくれば、ダート界も益々層が厚くなるので、彼らの今後の活躍に期待しています。