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帝王賞の戦評 〜トップジョッキーの技術に感動〜

今年の帝王賞もトップジョッキー技術に「すごいなぁ」と、感心、感動を覚えたレースでした。4着馬までの各馬の走りっぷりを、私見を込めて紹介します。
昨日の投稿と重複しますが、トップジョッキー四者四様の高い技術で、各馬の実力が存分に発揮された熱い戦いでした。

1着 キングズソード(5歳牡) 藤岡佑騎手
スタートが抜群でした。そのまま押していって、12番枠から内側に切れ込んでいき、1コーナーでは昨秋のJBCクラシックと同じ3番手のポジションを、狙い通りにとりました。後ろに強豪馬を背負いながら走ることになったのですが、気にせず自分のペースで走ります。
向こう正面でペースが緩み、息を入れることができたのが良かったようです。そのおかげで、4コーナー手前でペースが上がった時にも脚を残したまま加速でき、直線の入り口では早速トップに立ちました。そこからの藤岡佑騎手のレース運びが素晴らしかったです。
最初は余裕をもって押し出し、ウィルソンテソーロが並びかけてきた残り200mでムチを入れると、キングズソードもそれに応えて一段階速度を上げ、ウィルソンテソーロを突き放しました。
スタートからの積極先行策、4コーナー手前で一度速度を上げるも、残り200mまで待ってからラストスパートをかけた落ち着いた手綱さばきは完璧でした。結果、最後の600mは最速で走り切っており、快勝劇です。

2着 ウィルソンテソーロ(5歳牡) 川田騎手
キングズソード同様にスタートは素晴らしかったのですが、キングズソードが外から被せてきたので先に行かせ、その後ろに付けました。道中はストレスなく走れるポジションをとれていたので、「いよいよウィルソンテソーロがG1勝利をする日が来たか」と思って観ていました。
4コーナーを回って、キングズソードに並びかけていったのも納得のタイミングです。
ウィルソンテソーロも強かったのですが、一昨日は残念ながら彼よりも強い馬が一頭いたという感じでした。G1初戴冠は次走以降に持ち越しとなりました。楽しみは先に取っておこうということでしょうか。

3着 ディクテオン(6歳騙) 横山和騎手
彼のスタートはとても遅く、いきなり最後方になりました。横山和騎手は最初からの作戦だったのか、スタートの流れで決めたのか分かりませんが、最後方からのレース運びで、直線勝負に腹を括ったようです。
ただし、彼は砂を被るのを嫌うとのことで、向こう正面では外側を通って少しずつ上位に進出ていきました。4コーナー手前では先頭集団に近づいており、直線では大外に進路をとって突っ込んできました。この外外を回した分、最後の末脚が少し鈍った感はあります。
なかなか味のある騎乗だったと感じますが、レース後のインタビューで、横山和騎手は仕掛けをもう少し遅らせても良かったかもと述べています。素人にはパーフェクトに見えたんですけどね。

4着 グランブリッジ(5歳牝) 坂井騎手
彼女は1番枠だったので包まれるのを避ける必要がありました。いつも精いっぱい走る彼女らしく好スタートを切ることができました。その後も500㎏前後の大きな牡馬たちが外からかぶせてきてもポジションを譲らず、4~5番手あたりを維持し続けました。因みに、彼女は442㎏しかありません。
しかし、4コーナー手前ではそこまでのポジション争いで疲れたのか、後ろに下がっていってしまい、「あ~っ、今日はここまでか」と思いました。
ところが、直線を向くと騎手の指示に従って、進路を探します。一旦進路を確保できると、そこから伸びてきて、最後はサヨノネイチヤとの競り合いに勝ち4着を譲りませんでした。
後から振り返ると、4コーナー手前でもう一度息を入れさせて、直線勝負に賭けた坂井騎手の好騎乗だったのでしょう。道中のポジション争いからの鋭い末脚の披露、超一流牡馬たちを相手にとても頑張ったと思います。

各馬ともに素晴らしいレースを見せてくれました。これから、のんびりと夏休みをとって、秋にはまた素晴らしい走りを見せてくれることを期待します。
本当にありがとうございました。

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