函館記念の結果 ~今夏最大の上がり馬の有力候補出現~
ホウオウビスケッツ(4歳牡)が好位から抜け出す強い競馬で快勝、重賞初優勝です。鞍上の岩田康騎手が戦前に考えた作戦の通りに実践した素晴らしい勝利で、本格化した印象です。
今夏最大の上り馬として、秋の中距離路線の目玉になることが期待されます。
◆ レース展開
ホウオウビスケッツは逃げ、或いは先行するレース展開を得意としており、昨日も好スタートを切ります。彼は同じく好スタートからハナを切ったアウスヴァール(6歳騙)を追いかけそうになりました。
しかし、岩田康騎手は2番手で進むことを戦前から考えていたので、手綱を引いて落ち着かせようとします。ホウオウビスケッツも騎手の指示に応えて、2コーナーを過ぎた辺りでは2番手で折り合いがついて、先頭を無理に追いかけません。そのため、レース全体もハイペースにならず落ち着き、前半1000ⅿは59.6秒と平均的なペースになりました。
この岩田康騎手のスタートからの絶妙なエスコートでレースが落ち着かせたことが、最大の勝因だと思います。
彼は4コーナーでは余裕をもって先頭に立ち、そのまま後続を突き放します。ゴール前で追い上げてきて2着に入ったグランディア(5歳騙)に3.5馬身の大差をつけての快勝です。
なお、アウスヴァールは平均ペースで逃げられたことで3着に粘り、三連単57.9万円の高配当を演出しました。
◆ ホウオウビスケッツの紹介
彼は2歳の12月にデビュー、年明けの特別戦にも連勝します。皐月賞トライアルのスプリングSでも、今年の大阪杯を制したべラジオオペラの2着に入る順調な成績でキャリアを開始しました。
私はこのスプリングSを観て、粘り強い先行脚質の将来性豊かな馬だなぁと思いました。
そのまま、皐月賞とダービーにも出走し、ダービーでは6着と健闘しています。秋はほぼ全休し、年末の中日新聞杯で復帰するも、そこは準備が整わなかったのか大敗を喫します。
今年の年明けから岩田康騎手とコンビを組むと、2戦連続3着と好走します。そして、前走巴賞を逃げ切って1年4か月ぶりの勝利をあげ、昨日で連勝しました。
スタートがうまく、好位抜け出しの安定した戦い方を遂行できるホウオウビスケッツは、今後ビッグレースでも活躍が期待できそうです。
◆ ハヤヤッコ(8歳牡)
推し馬のハヤヤッコはスタート直後に大きく躓き、ヒヤッとさせましたが、落馬をせずに態勢を立て直します。いつも通りに最後方付近に位置し、4コーナー手前から上がっていき、「おっ」と思わせてくれました。
しかし、岩田康騎手も話していましたが、昨日の馬場状態は非常に良かったのでスピード勝負になりました。ハヤヤッコにとっては、もう少し馬場状態が悪化し、力を必要とした馬場の方がよかったのかもしれません。
また、ハンデ戦で最重量の斤量を背負っていた影響もあったのか、伸びきれず12着でした。
それでも、昨年の函館記念よりも1秒以上速く走破しており、本当に頭が下がります。まずは、ゆっくりと疲れを癒してください。
◆ 函館リーディング
2位につけていた佐々木騎手が今日も1勝をあげるも、トップの横山武史騎手に追いつけませんでした。
その結果、横山武史騎手が2年ぶり4回目の函館リーディングに輝きました。彼は直近5年で4回目の函館リーディングです。おめでとうございます。