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ホープフルSの戦評 〜センスを感じる強さ〜

勝ったクロワデュノールは強かったのですが、それ以上にレースセンスが高いなぁと思いました。
また、2着のジョバンニには操縦性の高さを感じました。
少しレースを振り返ります。

◆ レース展開
昨日の投稿と重複しますが、レース前半はスローペースで進み、1000m過ぎから痺れを切らした杉原騎手騎乗のファウストラーゼンが一気に最後方付近から捲っていき、ペースが上がります。
そのため、前半1000m61.4秒、後半1000m59.1秒という後傾ラップの展開になりました。

◆ 1着 クロワデュノール
彼は一昨日出走メンバーの中でも最良のスタートを切りました。内側に包まれることを恐れ、1コーナーまでは、他の馬に当たろうが、真っ直ぐに走りました。
そのため1コーナーではちょうど真ん中くらいのポジションになりました。

向う正面では一旦マジックサンズに外から蓋をされる形になりましたが、彼が引っ掛かり気味に先に抜けていったことで、動きやすいポジションを得られます。
3コーナーから4コーナーにかけて馬なりのまま、無理することなく上位に進出し、直線入口では既に3番手あたりに位置します。
あとは、残り200mくらいで促されると少し加速し、そのままゴール板前をトップで駆け抜けました。

スタートはもちろんですが、マジックサンズファウストラーゼンが自分の外側を加速していったときに「われ関せず」と落ち着いていた内面、そして直線での騎手の指示への反応の良さに、心身両面でセンスの高さを感じました。

◆ 2着 ジョバンニ
前走ではゲートから出た直後に大きく躓き最後方からの競馬となりましたが、一昨日はそこまで遅れることなくスタートをきれました。

松山騎手は末脚勝負を選択し、後方に下げます。1番枠だったこともあり、道中は内ラチ沿いを進みます。4コーナーでも外に持ち出せませんでしたが、直線を向いて直ぐ、ここしかないというタイミングで斜め外に走りコースの中ほどに進路を確保します。

その時の操縦性の高さは感嘆しました。さすが、4戦目で3度目の2着(うち重賞2つ)と、かなり高い実力を備えていると思いました。
後はゲートの練習です。

◆ 3着 ファウストラーゼン
昨日の影の主役は、1000mから豪快に捲っていったファウストラーゼンであり、思い切った騎乗をした杉原騎手です。
仕掛けが早すぎて勝ちを逃したという声もありましたが、素人目には、スローペース下での最後方からの展開では、素晴らしい判断だったと思っています。

一昨日はスタート直後に内と外からオープンサンドイッチの具材の如く、とても強く挟まれてしまい、後方に弾かれてしまいました。そのため、後方2番手で1コーナーを回ります。

そんな不利を受けながらも、興奮せず、やる気も失わず、普通に競馬をしてきたところを見ると、かなりタフな精神を持っているようです。
いずれにせよ、次走がとても楽しみな1頭です。

◆ それ以外の人気馬
若駒らしくレース前から入れ込んでしまって実力を発揮できなかったり、レースに集中しきれなかったり、或いは、後継ラップのペースについていけなかったりと、前評判の高かった他の人気馬は馬群に沈みました。
みんなクラシックに向けて立て直しですが、伸び代がたくさんあるとも言えますね。

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