推し馬 カラテ ~遅咲きのナイスガイ~
【24年11月24日改訂】
遅咲きのナイスガイ、カラテ(2016年生 現8歳牡)のことを紹介します。
彼の馬名は、将来海外遠征し「Karate from Japan」と呼ばれることをイメージして命名されたとのことです。
◆ デビュー後
2歳時の6レース中5回二けた着順、残り1レースは9頭立てのブービーとデビュー後しばらく惨敗が続きました。
3歳の2月に漸く未勝利勝ち。1勝クラスを勝ち上がったのは4歳の6月と、その後も泣かず飛ばずで、通算20戦2勝と凪状態が続いていました。
◆ 突然の開花
ところが、4歳の暮れに突如開花し3連勝。3戦目には東京新聞杯を快勝し、重賞初挑戦初優勝を遂げるに至りました。それから7歳までで17戦6勝。格上挑戦のG1を除けば12戦6勝、うち重賞3勝に2着2回と、まさにデビューから暫くの間の彼とは全く異なる、典型的な大器晩成型の姿を見せてくれました。
その中でも、7歳5月の大雨の中での新潟大賞典は強く印象に残っています。59㎏の重いトップハンデを物ともせずに、人馬共に泥だらけになりながら差し切った姿は、彼の経歴を知っていたので、とても感動しました。
◆ 不器用なナイスガイ
彼は爪の生え方が独特で、爪が伸びやすい夏は苦手、過去8勝のうち5勝が12〜2月と冬場に好成績が集中しています。ただし例外的に夏の新潟は苦手ではなく重賞2勝しています。
また、4歳のころには、障害転向も考えてジャンプ練習をするもとても下手だったようで、平地競走を継続するに至ったようです。
古くはメジロパーマーが障害レースに出たことで身体が強くなって、その後の春秋グランプリ連勝につなげた話がありますが、カラテも下手ながらも障害の練習で、何かをつかんだのかもしれません。
◆ 情に厚いナイスガイ
2~4歳の凪状態の間に地方転厩とか引退をさせずに、彼の可能性にかけ続けた関係者の愛情にあっぱれですし、それに応えた彼も立派です(涙)
彼のような馬や関係者の粘り強さが、競馬の奥深さや素晴らしさ、楽しさを生み出していると思います。
カラテもこの恩に報いようと頑張る情に厚い名馬です。お世話になった高橋調教師の引退直前の中山記念に短い間隔のローテーションで出走してきました。覚醒したパンサラッサをとらえられなかったものの2着と好走し、引退に花を添えました。
◆ 直近
8歳になってからも6戦を元気に走っていますが、戦績は芳しくありません。衰えを指摘されることもあります。それでも毎レース一生懸命に走り切るカラテの姿は感動ものです。
上記と重なりますが、彼のような苦労した馬が頑張っている姿は、競馬の素晴らしい景色の一つだと思います。